まだ、作物がほとんど作付けされていないこの時期の畑に有機物を投入していき、土作りにはげみました。土の中の有機物から放出される栄養を作物に与えているのは、土壌内外に生息する虫や微生物や植物の根であり、土を作るとは、これらの多種類の生命を畑に増やすことだと考えています。近所の米農家の方からお米のもみ殻を大量に譲っていただけたので、地面が見えなくなるくらいに畑の広い面積にもみ殻をまいて、トラクターで畑にすき込みました。もみ殻は、畑の中の水分と酸素を適度に調整して、土壌中の生物に住みやすい棲みかを与え、土壌改良にはとても良い有機物とされています。
小林農場の借地は粘土質の畑のために土質が固いので、もみ殻の投入で少しでも土がフカフカと柔らかくなってくれることを期待しています。そんな土壌改良に効果的なもみ殻ではありますが、土の中で分解されて作物の栄養として吸収されるまでには数年間の長い時間がかかります。そこで、別に、すぐに分解されて作物に吸収される即効性の有機質肥料も同時に作っています。近場で安い値段で手に入る米ぬかや鶏糞などの有機物は、いっしょに混ぜて山にして積み水を加えれば、その中で微生物が増殖して、短期間で分解されていきます。今後、畑で栽培される作物がもっと栄養を欲すれば、この肥料をあたえていきます。
畑に投入された有機物は、その年のうちに全部、分解されて作物の栄養になるわけではありません。何年もかけて分解されるまで、土壌に残ります。栽培する作物がどれくらいの栄養を必要するかが分かっていても、どの種類の有機物をどのくらいの量をいれていけばよいのかを机上で計算していくのは難しいです。作物の育ち方をしっかり観察しながら、次回に散布する有機物の量を増やすのか減らすのか決めていきます。一番警戒すべきは、畑が栄養過剰になってしまうこと。栄養過多によって成人病の患者が増えていることが社会問題になっていますが、作物の世界にもそれはあてはまります。
2月に入れば、作物の苗をつくりはじめます。まだ寒い時期なので、ビニールハウスの中に温床を作り、その中に作物の種をまいた播種箱を入れて温めて、発芽、生育をさせます。まずはビニールハウスを新たに建てることから始めました。もう使用されていなくて放置されていたビニールハウスの支柱を近隣の農家の方からいただき、農場に持ち運んで組み立てました。新品の支柱を買えば数万円の出費が必要だったので、いただいてこれて、とても助かりました。支柱の上にビニールを張り、完成。外は寒くても、日光を受けて温められたハウスの中は、日光浴するのにちょうどよいくらい。
ハウスの中に温床を作ります。農場のまわりには竹がたくさん生えているので、切り出した竹を使って温床の枠を作りました。温床の壁は、通気性の優れている稲わらを束ねて、ぎっしりつめながら作ります。そのあと、その温床枠の中に、落ち葉と米ぬかを入れてかき混ぜ、まんべんなく水をかけていきます。それらの材料は、人の目に見えぬほどの小さな生き物、微生物に、住み家とえさを与えて、温床の中で微生物が活発に活動し始めます。やがて、微生物は発酵熱を発して、そのため、温床の中は、しばらく温められます。電熱やガスがなかった昔の時代から受け継がれてきた保温方法です。
微生物が気持ちよく活動できる環境を作り出すためにいくつかコツがあります。落ち葉や米ぬかに加える水分は、多すぎても少なすぎても微生物は嫌がるので、適量で。その塩梅は、経験を積み重ねて体で覚えていきます。また、温床内の空気量が多すぎると発酵熱は長続きしないので、少し上から足で踏みこんで空気を抜いてあげる必要もあります。微生物のおかげで温められた温床の中は、赤ちゃんを温かく包んでくれるゆりかごみたいなもの。作物の苗を寒さから守ってくれます。まず、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワ、レタスの作物から苗作り。この後順番に、いろんな作物の苗をつくります。
その他 アオシソ アブラナ オクラ カブ カボチャ カリフラワー キャベツ キュウリ クウシンサイ ケール ゴボウ サツマイモ サトイモ サヤインゲン サヤエンドウ シュンギク ショウガ ジャガイモ ズッキーニ ソラマメ タマネギ ダイコン ダイズ トウガラシ トウモロコシ トマト ナス ナタネ ニラ ニンジン ニンニク ネギ ネット活用 情報館 ハクサイ ピーマン ブロッコリー ホウレンソウ ミツバ ムギ モロヘイヤ ヤマイモ ヤーコン レタス 一人勉強会 中継 畑仕事 仕事 作物生育日誌 作物紹介 写真記録 半農半歌 命名写真辞典 命名百科 ~小林農場で出会える生き物集~ 図鑑 土 土歴 堆肥・肥料 夏野菜の苗 大切なお知らせです 播種暦 新聞切り抜き 春野菜全般 歳時記 白菜 百景 苗作り全般 葉物野菜全般 調理法 即美味 農場通信 野菜セット