カテゴリー「農場通信」の記事

2020年8月10日 (月)

祈り   令和1年12月26日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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祈り                 令和1年12月26日

今年もいよいよ残りわずかとなってしまいました。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  今年、日本では平成から令和へと時代が移り、新たな天皇が即位しました。日本では古来より、神聖な人物である天皇が神聖な場所で神聖な祭事を行うことにより、国の平和を神様に祈ってきました。世界にはいろいろな神様がありますが、この紙面では日本古来の神様を片仮名で「カミ」と書いて、他の神様と区別しながら話を進めたいと思います。

  天皇が皇位継承をするために行われる儀式が「大嘗祭(だいじょうさい)」です。米などの農産物がカミ様に供えられて、新たに即位する天皇がカミ様と共に米を食事することによって天皇に必要な徳を増してゆきます。この秋に30年ぶりに大嘗祭が行われましたが、米が日本人にとって大切な糧であることを印象付けた儀式でした。

  この供え物のお米は占いによって選ばれた地域の田んぼから収穫されます。令和の大嘗祭では栃木県の田んぼが選ばれて、栃木県内ではその話題で沸きました。

  天皇には民衆を政治的に支配できる権力は与えられていませんが、国の平和をカミ様に祈る重大な神事を担っているので、日本で最も偉い人物として民衆に尊ばれ、徳川家康のような強大な権力を手に入れた権力者さえも天皇を敬いました。常に民衆の平和を祈っている天皇が権力者よりも偉い日本では、権力者が暴走して民衆を弾圧・虐殺するような酷い事件は起こりにくく、国の秩序が保たれやすいです。

  日本には古来より、山にも海にも自然の至る所にカミ様が宿るという信仰があり、カミ様が身近に居ました。大勢で桜を見ながら食事をするお花見は、もともとは農家がみんなでいっしょにカミ様を招いて食事をしながら豊作を祈願するための祭事でした。お正月にやって来るカミ様にお餅を供えるために、みんなで協力して賑やかにお餅をつきます。祭事が地域の人々の連帯感を維持してきました。

  私がどんなにがんばって栽培しても不作になる時もありますし、そんなにがんばらなくても豊作になる時もあります。人の力だけでなく、大自然というカミ様の力に影響を受けながら、作物は生育します。自分が作物に与えられる影響力は小さいと謙虚に受け止めると、大自然に畏怖の念を感じたりします。私利私欲のために大自然に余計な手出しをすると、祟りを受けるかもしれないと思ったりもします。

現代の日本では古来の信仰は薄れて、代わりに科学技術が崇拝されるようになりました。同時に自然環境は悪化し、地域の人々の絆は弱まってゆきました。現代では非科学的だと敬遠されている信仰の中には、実は大自然と人が、そして人と人が大らかにつながってゆくための合理的な知恵があるのかもしれません。

普段は全く宗教には関心のない人も無意識のうちに、自分の生まれた国で発生した古来の信仰の影響を受けながら自分の性格が形成されているものだと思います。自分自身を理解してゆくためにも、自分の国の古来の信仰を知っておくことは大切だと思います。今年は天皇が代わり、日本古来の信仰が見直された一年でした。

2020年8月 5日 (水)

優良品種の種は確保してゆけるのか    令和1年12月19日

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優良品種の種は確保してゆけるのか    令和1年12月19日

年末の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  人間は食糧がなくては生きてゆけず、食糧を生み出す種子は必ず確保しておかないといけません。今まで日本国内には、各都道府県にそれぞれの地域の気候に適した品種の種を生産して安定供給してゆくことを義務付けた「種子法」という法律がありました。優良な品種を開発するにはお金もかかるので、国は補助金を支給したりして各都道府県での品種改良の取り組みを支援してきました。だから各地で優良品種の種を確保してこられました。

  去年、種子法が突然、廃止されました。「国がわざわざ税金を費やして種子の生産・供給をするのではなく、民間の種苗会社にそれらを任せてゆけばよいだろう」という意見が議会で出されたようです。なんでも民営化するのが良いと考える政治家が多いようです。

  民間の種苗会社は経営を継続してゆくために、「自然環境に適した品種の種」よりも「自分達の利益を増やせる品種の種」の開発に力を入れてゆく傾向があります。栽培中に特定の農薬を使用することによって生育が良くなる品種も開発されて、種子といっしょに農薬を組み合わせて販売することによって利益を増やそうとする種苗会社もあります。そのような品種は無農薬栽培ではうまく育たず、無農薬栽培に向かない品種も増えてきています。

  いくつかの種苗会社は品種の遺伝子を意のままに作り変えることのできる技術を身に付け、遺伝子を操作した品種の種を普及させようとしています。しかし遺伝子操作された品種を食べた消費者の健康に与える副作用も指摘されていて、安全性に疑問があります。

自然環境の保全や消費者の健康を考慮しながら品種改良に取り組んでいる良心的な種苗会社もありますが、そうではない種苗会社もあることは確かです。いくつかの強大なグローバル種苗会社は世界中から自分達に有益な遺伝子を携えている品種を見つけ出して、その品種の特許を収得しようとしています。それらの品種はその地域の住民によって長い年月をかけて受け継がれてきたものなのに、グローバル種苗会社に特許を取得されると、住民達はそれらの品種の種を使用する時に種苗会社に使用料金を支払わなくてはいけなくなります。グローバル種苗会社による遺伝子資源の独占が、海外で問題となってきています。

  民間の種苗会社が種子の生産・供給の権限を強めてゆくことに不安を感じた都道府県では、自治体自身が公的に地域に適した品種の種をしっかりと生産・供給してゆくことを定めた条例を次々に作成しています。栃木県の農業関係者も栃木県政に条例を作るように要請し、今年の秋、栃木県でも県内の作物の種子の生産・供給に関する条例が作られました。

  ところがその条例は農業関係者が期待していたものとは全く異なり、県内の作物の種子の生産・供給を民間企業に任せてゆくことを追認するような内容になっていました。このようなヘンテコな条例をわざわざ作っているような自治体は全国でも栃木県だけでしょう。

 先日、栃木県の農業関係者が新たな組織を設立し、自ら優良な品種の種を確保してゆく準備を始めました。栃木県の自然環境に適した品種、遺伝子が操作されていない品種、無農薬栽培に向く品種などの種を生産・供給してゆくことを目指すようです。注目したいです。

2020年8月 3日 (月)

小林農場での自家採種の現状   令和1年12月12日

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小林農場での自家採種の現状   令和1年12月12日

忙月の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  玉ねぎは一般家庭でよく料理に使われる食材なので、できるだけ長く出荷できれば皆さんに喜んでもらえます。6月に収穫された玉ねぎを貯蔵して現在も出荷していますが、いくつかの玉ねぎからは緑色の新芽が出始めてきました。新芽の部分も問題なく食べられるのですが、新芽に養分が吸い取られてしまうので、玉ねぎ全体の品質が低下してゆきます。新芽が出てくるのが遅い玉ねぎが長く貯蔵できて貯蔵性の良い玉ねぎと言えます。

  新芽が出てくるのが遅い玉ねぎを選んで土に埋め戻せば、来年の春には地上に新芽を伸ばして、夏には花を咲かせて種が実り、その種を採ることができます。それらの種を畑に播いて新たに玉ねぎを育てれば、次の年はもっとたくさん貯蔵性の良い玉ねぎが収穫できるかもしれません。親の貯蔵性が良ければ、次の世代もその遺伝子を受け継いで貯蔵性が良くなりやすいです。玉ねぎの種を自家採種する方法について勉強しているところです。

  小林農場では他の作物栽培でもできるだけ自分の畑から自家採種するように心掛けていますが、今まで種を種苗会社から購入することが多く、自家採種の技術がまだ身についていません。夏には種苗会社から購入した人参の種と、自分の畑から自家採種した人参の種をどちらとも播いてみて生育の様子を比較してみましたが、種苗会社の種から育てた人参は良く育ち、自家採種の種から育てた人参は大きくならず、はっきりとその差が見られました。

  去年に自家採種したサヤエンドウの種を播いて育ててみたら病気が発生して、全滅してしまいました。種に病原菌がくっついていて、それが原因で病気が発生したのではないかと推測しています。種苗会社から販売されている種は病原菌が発生しないようにしっかりと消毒してあります。自家採種する場合も、自分でできる病害対策を考えないといけません。

  種苗会社が最先端の技術を駆使して生産している種と、私が片手間で採っている種とでは、比較してみるとやはりその種の品質の差は歴然としています。作物栽培では、まず良質な種を選ぶことが肝心です。現代のプロの専業農家は農場経営を安定させるために、自分で種を採る手間を省いて種苗会社から優秀な品種の種を購入するのが当たり前です。でも私は、農家が自家採種の技術をこのまま忘れてしまうのは危険なことだと感じています。

  専業農家として安定的に生計を成り立たせてゆくには、しばらくは種苗会社から優良な品種の種を購入して栽培してゆくのが無難です。その傍ら、少しずつ種を自分でも採ってゆき、自家採種した種から育てた品種と種苗会社から購入した種から育てた品種の成績を比較しながら、長い年月をかけて自家採種の種から優良な品種を育成してゆきたいと思います。それぞれの作物の種を採れる機会は年に1回のみ。私が自分で良質な種をたくさん採れる技術を身に付けるまであと10年くらいかかると思いますが、気長にがんばります。

  今年は自家採種の種から育てたニンニクの生育がとても良く、種苗会社の種から育てたニンニクと比べてみても遜色ありませんでした。自家採種している大麦や小麦はいつも良く生育していますので、これらの種はわざわざ購入する必要はないと思っています。

2020年7月30日 (木)

大らかな空気が壊れるとき  令和2年7月23日

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大らかな空気が壊れるとき  令和2年7月23日

梅雨明けの待ち遠しい今日この頃です。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  連日、「日本国内で新型コロナウイルスの感染が拡大している」というニュースが報じられて、日本人の不安も拡散されているように見えます。「医療従事者やその家族はウイルスに感染している可能性があると危険視されて、まわりの人々から差別を受けた」「父親や母親がウイルスに感染した子供達が学校でいじめられた」「感染が発生した飲食店では消毒後もお客さんが来なくなり閉店した」などの「感染者差別」が各地で発生しているようです。

  日本国内では新型コロナウイルスに感染して死亡する人は多くなく、感染者のほとんどが回復しています。日本人は冷静になるべきです。過剰な不安は人々から大らかな心を失わせて、差別やいじめが量産されてゆきます。今は新型コロナウイルスが怖いというよりも、新型コロナウイルスに自分が感染した疑いがある時に人から差別を受けるのが怖いです。

  新型コロナウイルスに感染して亡くなる人もいますが、それはインフルエンザウイルスでも同じことが言えます。厚生労働省によると日本国内では毎年、約1千万人がインフルエンザにかかり、約1万人はインフルエンザが原因で亡くなっています。私達はインフルエンザウイルスをうつしたりうつされたりしながら暮らしてきましたが、インフルエンザウイルスの感染者が過剰に危険視されることはありませんでした。インフルエンザの流行する時期も人々は外出して、仕事をしたり娯楽を楽しんだりして人生を燃焼させてきました。

  ウイルスに感染すると免疫ができる場合があり、大勢の人々がウイルスに感染して免疫を身に付ければ社会のあちらこちらに「免疫の防壁」が築かれて、病気や高齢などで免疫力が低下している人々もウイルスに感染しにくくなります。「絶対に人からウイルスをうつされたり、人にウイルスをうつしたりしてはいけない」と思いながら暮らすと息苦しくなりますが、「ウイルスに感染すれば免疫を身に付けることができる」と思えば感染を大らかな気持ちで受け入れられます。感染者を過剰に危険視せず、大らかに接することができます。

多くの農家は販売先と契約した農産物を栽培して出荷しています。天候次第で農産物が不作になることもあるのが自然ですが、約束した収量を納品しないと販売先と契約してもらえなくなるかもしれません。どんな天候でも収量を確保するには、農薬で病原菌を未然に駆除したり、化学肥料で急速に作物の生育を速めたりする必要がある場合もあります。

無農薬栽培では不作が発生することが少なくなく、小林農場では去年、カボチャが病気に罹って不作でした。でも多種類の野菜を栽培してそれらを詰め合わせて「野菜セット」という形で出荷しているので、カボチャがなくても他の野菜で穴を埋めることができました。今年はカボチャが順調に生育しているので、カボチャが他の野菜の不作を埋めるでしょう。

その時の畑の状況に従って詰め合わされた野菜セットをそのまま受け取ってくださる皆さんの大らかな対応のおかげで、野菜セットで農場を経営することができましたし、無農薬栽培をすることもできました。人々の心が大らかであれば、様々な可能性が生み出されます。そんな大らかな空気がたった1つの禍に心を奪われて壊れてしまわぬように祈ります。

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追記(7月30日記入)

「検査の結果、新型コロナウイルスの陽性者の数が増え続けている」というニュースが連日、報じられています。

いっぽうで、検査数も以前と比べてかなり増えています。検査数が増えれば、判明する陽性者の数も増えてゆくのも当然だと思います。

判明した陽性者の数が増えているのは、ウイルスが勢いを強めているのが原因なのか。それとも、ただ単に、検査数を増やしているのが原因なのか。

私は「陽性者数」よりも「陽性率(陽性者数÷検査数×100)」に注目しています。「陽性者数」よりも「陽性率」のほうが、ウイルスの感染状況をより正しく把握できると思います。

とりあえず現在までは、1日の新型コロナウイルによる死亡者の数は少ないままで、ほとんどの感染者は回復しています。

医療従事者は新型コロナの他にも、癌とか肺炎とか、いろいろな病気にも対応しなくてはいけないので、新型コロナばかりに労力を費やしてはいられません。

世間が新型コロナばかりを過剰に恐れていると、医療従事者も新型コロナばかりに過剰に労力を費やさなくてはいけなくなり、医療現場は崩壊しやすくなります。

新型コロナウイルスを正しく恐れることはよいのですが、過剰に恐れることは慎みたいと思います。

2020年7月20日 (月)

終わりのある命、燃焼させて    令和2年7月2日

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終わりのある命、燃焼させて    令和2年7月2日

長雨が続き、梅雨明けの待ち遠しい今日この頃です。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  先日、東京で暮らしていた私の伯父が亡くなり、葬儀に参列するために東京まで行ってきました。伯父さんが病院に入院している間、病院側は新型コロナウイルスが病院内に侵入することを厳重に防ぐために入院患者の家族にも病室に入ることを制限していたようで、伯母さんはなかなか伯父さんに面会をすることができずに辛い思いをしたようです。葬儀の合間に、親戚との会話の中で新型コロナウイルスのことも話題になりました。

例えば、もしも日本でエボラ出血熱のような致死率が高くて危険な感染症が流行したら、感染を回避するために外出を自粛したほうがよいかもしれません。いっぽうで、今までインフルエンザが流行しても私達は外出を自粛せずに普段通りに暮らしてきました。毎年、日本ではインフルエンザが原因で約1万人の人々が亡くなっていますが、その数を冷静に受け止めながら私達の社会はインフルエンザウイルスと共存してきました。

  新型コロナウイルスはヨーロッパやアメリカ大陸では猛威を振るいましたが、アジアではそれほど繁殖できず、日本では新型コロナウイルスによる死亡者数は、同じ頃に発生したインフルエンザウイルスによる死亡者数と大差がありませんでした。インフルエンザウイルスと同じように、今後は新型コロナウイルスとも共存してゆけばよいと、私は思います。

  畑には人の目には見えない菌がたくさん生息していて、酵母菌などに触れることによって作物は免疫力を高めてゆき、いっぽうで病原菌に触れることによっても、その病原菌に対抗してゆくための免疫を自ら身に付けてゆきます。人間も同様に、免疫力を維持してくれる有益な菌を体の中に保持しながら、病原体が体に感染してくる度に新たに免疫を身に付けます。有益菌も病原菌も、様々な菌が共存している環境で、生き物の免疫力が築かれます。

  病原菌を駆除するために農薬を畑に散布すると、病原菌だけではなく他の菌や小動物も死滅して、却って作物の免疫力が下がって、次に病原菌に感染したときに病気にかかりやすくなります。人間も、身の周りを過剰に消毒したり、様々な菌やウイルスに感染することを過剰に回避したりすると、免疫力を高めてゆくことができなくなるかもしれません。

  自治体が新型コロナウイルスの感染を回避するために住民に外出や経済活動の自粛を呼び掛けていますが、自粛をしてもウイルスが消えていなくなるわけではありません。それならば普段通りに外出して新型コロナウイルスに少しずつ感染しながら免疫を身に付けていったほうがよいと、私は考えます。今まで新型コロナウイルスに感染した人々の多くが全く発症せずにすみ、発症してもすぐに回復していました。感染して重症に陥るのは高齢や持病で免疫力が低下している人々がほとんどで、重点的に対策すべき対象は絞られています。

  私の伯父さんは83歳で天に召されましたが、人は年をとるにつれて免疫力が落ちて病気にかかりやすくなるのは自然なことで、それは天命です。最後は癌で亡くなったり、肺炎で亡くなったり、インフルエンザで亡くなったり、新型コロナで亡くなったりします。終わりのある人生を悔いなく燃焼させてゆくには、外出を自粛してばかりもいられません。

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追記(7月20日記入)

「新型コロナウイルスの感染者の数が拡大している」というニュースが連日、報道されています。

私は「感染者数」よりも「死亡者数」に注目しています。

この冬に新型コロナウイルスが日本に上陸してから今まで、1日の新型コロナウイルスによる死亡者数は少ないままで、死亡者数が急増してゆくような事態は発生していません。

新型コロナウイルスに感染した人のほとんどは回復しています。

外出を自粛していてもウイルスが消えていなくなるわけではありません。普段通りに暮らしながら少しずつ新型コロナウイルスに感染して免疫を身に付けていったほうがよいと、私は考えます。

2020年7月 8日 (水)

魅惑の甘い芋    令和1年12月5日

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魅惑の甘い芋    令和1年12月5日

寒さがひとしお身に染みる頃となりました。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  12月1日の日曜日に、地元の市貝町で手作り青空市「SATOYAMAヘルシーマーケット」が開催されて、小林農場も出店して野菜を販売しました。師走の寒い時期に会場まで足を運んでくださった皆さんに感謝を申し上げます。寒さを感じさせぬ晴天の一日でした。

  10月に収穫したサツマイモの中には、収穫中に傷つけてしまって商品として出荷できない芋がたくさんありました。そこでこれらのキズ芋を今回の催しの最中に焼いて「焼き芋」にして、来場者の皆さんに振る舞うことを思いつきました。みんな、焼き芋は大好きですので、皆さんに喜んでもらえるだろうと思い、焼き芋を簡単に作れる方法を探りました。

我が家は石油ストーブで暖をとっていますが、試しに火を灯したストーブの上に乗せたフライパンに小石を敷いて、その上にサツマイモを入れてフタをして密封して、そのまましばらく置いてみました。数時間後にフタを空けてみると、芋は中まで箸で突き刺せるほど柔らかくなっていました。割って食べてみると甘味が口の中に広がり、煮たり蒸したりして料理された芋とは一味違ったホクホクとした食感を楽しめることを確認できました。

開催日当日には、キズ芋を一つ一つきれいに水洗いしてアルミ箔に包んで用意し、石油ストーブやフライパンも会場に持ってゆきました。催しが開催されて芋を焼き始めようとしたとき、フライパンのフタを持ってくるのを忘れたことに気付きました。フタなしで芋を焼いてみましたが、これでは十分に加熱できず、いつまでたっても芋は固いままでした。

けっきょく来場者に焼き芋を振る舞うことができず、つまらない忘れ物をやらかした自分には腹が立ちましたが、催しで焼き芋を作るという思いつきは良かったと思います。火に焼かれて甘く柔らかくなってゆく芋の様子は、催しの賑やかな場所で「絵」になります。

サツマイモは収穫後に長期保存ができるのですが、寒さには弱く、今まで小林農場では11月下旬には低温障害によってサツマイモは傷んで出荷できなくなっていました。今年は防寒対策を強化して、冬季のサツマイモ出荷に挑戦してみることにしました。

地下は気温が下がりにくいので、雨の当たらないハウスの片隅に土を深く掘って貯蔵穴を作りました。新聞紙は野菜の水分を適度に調整してくれるので芋を新聞紙に包んで貯蔵穴の中に重ねてゆき、その上には保温力の高いモミガラを厚くかぶせておきました。温度計を貯蔵穴の中に入れて、穴の中の温度が適度に保たれているかどうか、確認しています。

12月に入りましたが、サツマイモは低温で傷んでゆく気配を全く見せぬまま、良い状態で出荷されています。収穫中に傷ついたキズ芋はすぐに腐敗して食べられなくなる場合が多いのですが、今年はキズ芋ですら傷む気配を見せず、傷の部分を切り落とせばおいしく食べられます。年の暮れに近所で多くの人が集まって餅つきが行われるので、その時期までキズ芋が良い状態を保てていれば、次こそは焼き芋を上手に焼いて皆と楽しみたいです。

サツマイモは寒い時期に長く貯蔵されているうちに、寒さで凍ってしまわないように体内の糖分を濃くしてゆくので、甘味が増してゆくようです。味の変化も楽しみです。

2020年7月 5日 (日)

霜からの冬入り宣言     令和1年11月28日

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霜からの冬入り宣言     令和1年11月28日

霜寒の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  11月の中旬頃の冷えた早朝、この秋に初めて霜が降りているのをはっきりと確認。畑の作物が薄っすらと白色に輝いていました。11月の下旬にはさらに強い霜が降り、夏の頃からずっと畑に茂っていたハキダメギクなどの背の高い雑草が真っ黒に霜焼けして枯れてゆきました。これらはこの季節の毎年恒例の風物詩で、霜の登場が冬の到来を宣言します。

  里芋の大きな葉も豪快に霜枯れして、収穫の時期を迎えています。大根やカブは寒さに強く、まだ葉が青々としているので葉もいっしょに出荷していますが、霜が絶え間なく降りるようになれば大根やカブの葉も霜枯れして、葉を切り落として出荷することになります。

  長い時間、土や水に触れている私の手の肌にもアカギレができました。アカギレもまた、空気が乾燥するこの季節の風物詩です。指のあちらこちらが切れてしまい、痛くて痛くて仕事になりませんので、毎晩寝る前にはハンドクリームを丁寧に塗って肌を手入れしておかないといけません。水道管も凍結して破裂してしまうので、防寒対策を忘れてはいけません。

  最近は地球全体が温暖化しているようで、私は特に、その影響をこの季節に感じます。11月になっても霜が降りにくくなってきています。寒くなれば害虫も冬眠するものですが、今は11月になってもいつまでもだらだらと害虫が畑の作物を食べ続けていたりしています。温暖化すると害虫が長く活動しやすくなると予想されています。今年の秋は特に暖かく、その影響で東日本に甚大な被害を及ぼした大型台風が発生したと言われています。

  せっかく温暖化しているのならば、それを逆手にとって利用することもできるでしょう。キャベツはそれほど寒さに強い作物ではなく、冬が始まる頃に出荷が終了することが多いですが、この秋は寒さに強い品種のキャベツを探してたくさん栽培してみました。最近の冬のこの暖かさならば、冬にもキャベツを安定して出荷できるようになるかもしれません

  来年の5月より収穫される玉ねぎの苗を、11月に畑に植えてゆきます。苗は寒さが厳しくなる前に植えてあげないと根が畑に根付きにくくなるのに、今年は苗を植えるのを後回しにしてしまいました。この11月は妙に暖かく、私も妙にのんびりとしてしまいました。

のんびりとしていたら曇天が続くようになって畑が雨で湿り、苗を植える作業がなかなかはかどりませんでした。すでに霜が降り始めている寒い時期に苗を畑に植えることになったので、今年の苗は畑に根付くのに時間がかかって霜柱に持ち上げられやすくなるかもしれません。この冬には持ち上げられた苗を埋め戻す作業が必要になるかもしれません。

寒くなる速度がのんびりとしているこの初冬ですが、周りの雑木林もようやく紅葉を迎え、確実に季節は進んでいます。露地野菜が霜で傷んでしまう前に、早く防寒作業を終わらせないといけません。寒さが厳しくなるにつれて、私の気持ちも引き締まってゆきます。

ほうれん草は霜に当たると糖分が増して甘くなり、その味がはっきりと変化します。ほうれん草の味の変化も、この季節の舌で味わう風物詩です。今年はほうれん草の収穫が遅れていますが、これからほうれん草や他の野菜の味が冬の寒さによっておいしくなります。

2020年6月30日 (火)

地元にある食材を見直す意味  令和1年11月21日

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地元にある食材を見直す意味  令和1年11月21日

落葉の候、皆さん、いかがおすごしでしょうか。

  小林農場では野菜栽培の他にも、小麦を栽培して小麦粉に加工しています。小麦粉にもいろいろと種類があり、「中力粉」はうどんに加工するのに適し、「強力粉」はパンに加工するのに適しています。温暖な日本列島の気候では中力粉の小麦の品種を栽培しやすく、昔から日本ではうどんが食べられてきました。小林農場産の小麦も、乾麺に加工しています。

  強力粉の小麦の品種は寒冷な気候で良く育ち、寒冷なヨーロッパなどでは昔から強力粉をパンに加工して食べられてきました。日本列島では強力粉が作りにくく、昔は日本人がパンを食べる習慣はあまりありませんでした。太平洋戦争後に海外から大量にパンが輸入されるようになってから、日本人もパンを好んで食べるようになりました。

  日本列島では稲を栽培しやすいので日本人の主食は昔からずっとお米でしたが、近年ではパンを主食として食べる日本人が増えています。日本国内では上手にパンが作れる小麦の品種は少なく、国内のパン製造者は海外から輸入された小麦粉を主に使用しています。日本で自給しにくいパンの国内消費量が増え、同時に日本で自給しやすい米の国内消費量は減っています。日本人の食生活の変化が日本の食糧自給率の低下の一因となっています。

  稲を栽培しても米が売れなくなり、稲作をやめる農家が増えています。放置された水田も見かけるようになり、美しい田園風景が維持されにくくなっています。小林農場には水田がないのでお米を作ってきませんでしたが、そのうち近所の農家から「自分は米作りをやめるので、代わりにウチの水田を借りて管理してみないか」と声をかけられるかもしれないと勝手に想像しています。日本で農業をやっているのならば、米は自分で自給したいものです。

海外からおいしい食材が容易に輸入されるようになり、私もパンなどの輸入物が大好きで、よく食べています。しかし、できるだけ地元で自給できる食材を飲食するように心掛けたいです。そうすることで、地元で食糧を自給してゆく豊かな自然環境が維持されます。

  私が好んで毎日飲んでいる飲み物はコーヒーですが、日本列島でコーヒー豆を栽培するのは難しいので、コーヒーはほとんどが海外より輸入されています。日本には茶畑があり、いろんな種類のお茶が自給されていますが、どうしても私の口には日本茶は合いません。

  先日、大麦を炒って加工された麦茶を購入して熱々に温めて飲んでみたら香りがとても香ばしくて、初めてコーヒー以外に毎日飲みたい飲み物に出会えたと思いました。小林農場でも大麦を栽培して押し麦などに加工してきましたが、麦茶にも加工してみたいです。

  小林農場産の小麦粉も他の国産小麦粉と同様にパン作りにはむきませんが、粉の味は良く、水でこねた粉に刻んだ野菜を混ぜ合わせてフライパンで焼くだけでおいしく食べられます。私流に工夫したこの料理を「ナンもどき」と名付けて、昼食に食べています。

小林農場の畑では大麦がたくさん収穫できるので、我が家の主食は独自のやり方で炊いた麦飯です。他所から食材を輸入するのではなく、自分の畑で採れる食材のみで工夫をしながら料理することにより、個性豊かな郷土料理が生み出されてゆくものだと思います。

2020年6月25日 (木)

手間のかかる作物の代表   令和1年11月14日

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手間のかかる作物の代表   令和1年11月14日

初冬の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  10月より秋キャベツを野菜セットに入れてまいりました。葉が柔らかくて甘味もあり、おいしいキャベツを皆さんにお届けできたと自負しております。キャベツはたくさんの肥料を必要とする作物で、肥料の足りない畑では結球してくれませんので、キャベツを栽培する畑には前もって肥料を施すようにしています。過剰に肥料を吸収してもキャベツの味はえぐくなって良くありませんが、とりあえず小林農場のキャベツの味は良いので、味質だけを考慮するなら今までの肥料の種類や量でちょうど良かったと思います。

肥料には虫を引き寄せるような香りがあるようで、肥料を与えると害虫も発生しやすくなります。肥料を散布しながら育ててゆくキャベツは最も虫害に遭いやすい作物の一つです。まだ苗が幼い頃にまるで集中砲火を浴びたように葉のあちらこちらが虫に食われて穴だらけにされてしまうこともあり、それが致命傷となってその後の生育が停滞します。

キャベツを無農薬栽培で育てるために、最近では目の細かな防虫ネットをキャベツ畑全体に覆ってチョウなどの害虫をキャベツに近づけないようにする方法が広く普及されるようになりました。防虫ネットを導入するには手間と費用がかかりますので、私は今までその導入に躊躇していました。去年、すぐお隣の私の農業の師匠が畑に防虫ネットを導入されて虫食われ穴のないとてもきれいなキャベツを栽培されていましたので、それに背中を押されて今年初めて、小林農場のキャベツ畑でも防虫ネットを導入してみました。   

期待通りに防虫ネットの中でキャベツは順調に育ち、費用対効果はそれなりに望めそうだということを確認いたしました。虫食われ穴のない外葉の内側で結球してゆくキャベツの姿は美しく、芸術作品のようでした。美しいキャベツを皆さんにお届けできました。

キャベツは暑さに弱い作物です。現在出荷中の秋キャベツは猛暑の7月、8月頃に種を播いて育てるので、栽培が難しいです。冬の寒さがやって来てキャベツの生育が止まってしまう前に収穫時期を迎えさせるには、猛暑の頃に種を播かないと間に合いません。

手間がかかって収量が少ないため、今後は一部のご家庭のみに秋キャベツをお届けしてゆくことになります。遮光ネットも導入して防虫ネットの上にかぶせれば、畑に植えられたキャベツの苗を直射日光による暑さから防げて、収量を増やせるかもしれません。いつの間にかに野菜栽培が資材に依存したやり方になってきているのが、少し気になりますが。

  肥料を多く欲しがる性格のため、キャベツは育てるのに手間がかかり、肥料を吸収しながらまん丸に結球してゆく姿から「暴飲暴食を好む肥満体の作物」などと揶揄する人もいます。でも結球してゆくことにより球の内側の葉はたくさん詰まって柔らかくなっておいしくなり、球が貯蔵器官の役割をして葉の日持ちも良くなり、料理するのに都合が良くなります。多くの家庭で愛用されている野菜ですので、手間がかかっても栽培する価値はあります。

間もなく全てのご家庭に白菜をお届けしてまいりたいと思います。これもキャベツに似て肥料好きな性格の作物で、キャベツと同じくらいに手間をかけて育てました。

2020年6月23日 (火)

科学技術には副作用がある   令和1年11月7日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、数か月前の過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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科学技術には副作用がある   令和1年11月7日

霜寒の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  現在の日本のエネルギー政策では、「自然エネルギー」による発電方法を普及しようとしています。私が暮らしている市貝町の山林でも広い規模で伐採が行われて整地されて、たくさんの太陽光パネルがズラリと並べられてゆく光景が見られるようになってきました。

  先日、市貝町の主催で「太陽光発電を考えるシンポジウム」が町役場で行われました。町民からは「太陽光パネルを設置するために山林を伐採すれば崖崩れなどの災害が起こりやすくなり、景観も悪くなってしまう」などの意見が出されて、電力事業によって太陽光パネルが町中に新設されてゆく状況を不安に感じるという意見が目立ちました。市貝町の町政でも、太陽光パネルの新設による過剰な山林伐採を防止するための規制を作成しました。

  新たな科学技術を自然界に導入すれば、たいていの場合、新たに副作用も生じます。最近では原子力を利用しようとして新たに原発が建設されてきましたが、福島第一原発事故のような「放射能汚染」という究極の自然環境汚染を新たに生み出してしまいました。

  原発に代わる発電方法として自然エネルギーが注目されていますが、太陽光も風も水も、いろんな生き物によって利用されているので、それらの力を人間が発電のために横取りすれば生態系になんらかの副作用を及ぼすかもしれません。水力を利用しようとして大型のダムが建設されてきましたが、それによって水流の生態系が乱れて問題が生じました。

ただ、「地元の自然資源を利用して地域内で電力を自給してゆこう」という考え方はとても良いと思います。自分の家の屋根に収まる小さな太陽光パネルを設置しながら我が家の電力を自給するくらいの規模なら、太陽光発電による副作用も少ないかもしれません。

  農業では「遺伝子組み換え技術」や「ゲノム編集」などの新たな科学技術が導入されて作物が栽培・販売されるようになってきましたが、これらの新技術による副作用が人体や自然環境へ与える悪影響を指摘する意見も出されています。遺伝子という「神の領域」に人間が手を出すと予測不可能な事態が生じるのではないかと、私も直感的に感じています。

  「増え続けている地球上の人口の食糧を確保してゆくには、遺伝子組み換え技術を活用してもっと食糧を増産することが必要だ」という意見もあります。農家の人口が減り続けていますが、このまま食糧を生産する人手が不足してゆけば、代わりに遺伝子組み換え技術などの科学技術に頼らなくてはいけなくなるでしょう。多くの人々が田畑で働いて自分達の食糧を自給自足してゆければ、わざわざ不自然な科学技術に頼らなくてもよくなります。

  遺伝子を操作できるのは、高度な科学技術を身に付けた一部の技術者のみです。一般人が扱うことのできない科学技術に依存してしまうと、一部の技術者や権力者の都合に自分達の生活が左右されやすくなります。高度な科学技術に問題が発生すれば大事故となり、それに対して一般人の私達にはどうすることもできません。福島の原発事故のように、大事故で壊れてしまった社会はすぐには元に戻すことができません。できるだけ科学技術に頼らなくてもよいように、自分の体を動かして自給自足してゆくことが大事だと、私は思います。

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