令和6年1月以降に新たに公開される記事
このページ(ブログ)のシステム上の都合により、令和6年1月より小林農場 風家(かざいえ)のページを新たに開設することになりました。今後は新たに開設されるページに新たな記事を公開してまいりたいと思います。
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野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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生き物の表情 令和5年6月1日
入梅の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
現在はコロナ禍が収束して、世界中の人々はマスクを外して日常生活を取り戻しています。そんな中でも日本では今もまだ、半数以上の人々がマスクを着用し続けながら暮らしています。以前から「日本人は周りの人の目を気にしすぎる」と指摘されていましたが、コロナ禍をきっかけにして、「マスクで顔を隠していると周りの人に自分の表情が読まれにくくなるので気分が楽になる」と思ってマスク生活を続けることを好む人も多いようです。
ずっとマスクで鼻と口を覆っているような不自然な生活習慣を続けていると病気や認知機能障害を引き起こしたりする危険性があることが指摘されています。人間の顔は目、耳、鼻、口、顎などが一組となって他者に認識されますので、マスクで鼻や口が隠れてしまったら、その人の顔は他者に正しく認識されなくなります。コロナ禍以後、子供達はマスクを外した同級生の素顔をほとんど見ることなくすごしていたので同級生の顔を覚えられていないかもしれず、数年後に同窓会で同級生達と再会しても思い出せないかもしれません。
乳幼児や幼児達はまだ言語で他者と会話をするのは難しいので、相手がどんな時にどんな表情をするのかを見ながら、自分もそれを真似して表情を作ってみたりして、表情を通して他者との接し方を学習しているようです。相手がマスクで顔を覆っていると表情を読みとりにくくなり、幼児達は他者と心を通わせるための学習が遅れてしまうようです。
「自分の表情をマスクで隠しながら会話するのは相手に対して失礼ではないか」という感覚が私にはあり、礼儀を大切にするためにもマスクを外したほうがよいと私は思います。
人間に表情があるように、作物にも表情があります。5月には育苗ハウスの中で育ててきた夏野菜の苗をたくさん畑に植え付けてゆきましたが、苗がたくさんありすぎて時間がかかりました。苗が植え付け適期を迎えてもなかなか植えてあげられず、ハウスの中で葉の緑色が薄くなってきて生育を止めていじけた感じになり、「もうハウスの中じゃ狭いよ。早く畑に移して!」と言いたそうな表情をしていました。苗を畑へ巣立たせる直前に桶に溜めておいた水の中に苗の根を丸ごと漬けてたっぷりと水を吸収させますが、その直後に苗は背筋を伸ばすように背丈を伸ばし、葉を広々と広げて、体全体で「気持ちいい!」と言っているような良い表情をします。植物は言葉を発しませんが表情を発しますので、その表情を逃さずに把握しながらどんな環境を作物は好むのか推察して、栽培方法を改善します。
この早春はホウレンソウ畑に防寒布をかぶせてホウレンソウを防寒しましたが、防寒布で覆ったためにその下の畑の状況が把握しにくく、気付かぬうちに畑は雑草で覆われてしまい、ホウレンソウの生育が停滞してしまいました。防寒布を全部取り除かないとその下の畑の状況を正確に把握できず、防寒布の一部をめくって見るだけでは把握できません。防寒布は作物を防寒するのに有効ですが、畑全体の表情が把握しにくくなる欠点もあります。
「表情をマスクで隠すと安心する」と言っている人の気持ちも分からなくはありませんが、それでも人とも作物とも、表情を通してしか伝え合うことのできないことも多いです。
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多忙を極めてゆく畑 令和5年6月19日
紫陽花の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
多忙を極めてゆく小林農場の畑。先週の梅雨の晴れ間に、まだ畑から掘り出していなかった玉ネギ、ジャガイモ、ニンニクを急いで掘り出して収穫しました。今まで降り続いた雨で土が乾かなくなり、玉ネギはこれ以上に収穫が遅れてしまうと湿気で傷んでしまいます。
麦畑の麦の収穫も急がなくてはいけません。麦の収穫は穂が乾いている時に行われるもので、降雨で穂が湿っている時には収穫はできません。本当は先週末の貴重な晴れ間に麦の収穫を終わらせたかったのですが、まずは玉ネギの収穫を終わらせることを優先しました。収穫時期を迎えてから時間が経過すると麦は倒れやすくなって、麦の周りの雑草も生い茂ってしまい、収穫が困難になります。天気予報では今週の後半から梅雨空が戻ってくるようで、穂が雨で湿ってしまう前に今週の前半にできるだけ麦を収穫しないといけません。
長ネギの苗床ではすでに苗が大きくなっていて、「早く狭い苗床から広い畑にうつしてくれよ」と苗たちが私に訴えています。キュウリ畑ではキュウリが地べたに寝転がっている状態で、「上に伸びてゆきたいのだから早く支柱を建ててくれよ」と訴えています。しかし、麦の収穫を優先しなくてはいけないので、長ネギやキュウリにはもう少し我慢してもらうしかありません。他の畑では雑草が伸びていますが、今は除草に費やせる時間が作れません。
こんな感じで様々な畑仕事が遅れています。5月はたくさんの夏野菜、秋野菜の苗を一気に畑に植えてゆく時期なのですが、植えなくてはいけない苗が多すぎて作業が間に合いませんでした。5月の作業が遅れれば連鎖して6月の作業も遅れて、7月や8月の作業も遅れて、12月にようやく雑草が枯れて畑が落ち着くまで作業が遅れ続けます。今まではそれでもどうにか野菜セットを出荷し続けることができていましたが、私が年をとって体力が衰えてゆく今後もこんなギリギリの仕事のやり方を続けられるかどうかは分かりません。
5月に作業が集中して、5月より「遅れの連鎖」が始まります。他の農場では寒い時期からすでに夏野菜の苗を植える畝を作ってビニールシートで畝を覆っておいて、5月に入って気温が高くなったらすぐに苗を畝に植えられるようにしています。ビニールシートで覆っておいて時間をかけて畝を温めておいたほうが畝に植えられた時に苗は元気に根付きやすくなるようです。私は前もって準備を終わらせておくことが苦手な性格で、5月に入ってから急いで畝を作っています。今年はもう「遅れの連鎖」が始まってしまっているのでしかたがないのですが、来年はまだそんなに忙しくない冬から早春のうちに畝作りなどの今まで5月に行っていた作業を前倒しして終わらせて、「遅れの連鎖」を未然に防ぎたいです。
今、私は「身近な自然環境で入手できる草、竹、落ち葉などを利用して作物に有益な微生物を繁殖させて、他所から肥料を購入して散布しなくても作物を育てることができる畝の作り方」について勉強していて、次の冬にそんな自然に調和した素敵な畝を作るのに時間を費やしたいと思っています。うまく畝を作れればもっと楽に作物を育てられるようになるかもしれません。冬になるのを楽しみにしながら、今の多忙な毎日を乗り越えてゆきます。
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どこに向かうのか、農業 令和5年6月12日
長雨の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
この春に小林農場の近所に引っ越してきて新たに農家として独立したご近所さん夫妻の畑では、作物の株元に大量の草を敷いています。そのように株元を被覆すると雑草が生えてくるのを防ぐことができて、強い雨や日差しから作物の根を保護することもできて、作物の生育が良くなります。先日、ご近所さんより、小林農場の敷地で生い茂っている雑草をいただきたいという相談を受けました。私が承諾するとご近所さんはすぐに雑草を刈り取ってさっさと軽トラックの荷台に積んで持ち去ってくれました。ご近所さんは私に感謝をしてくれましたが、私が自分で雑草を刈る手間を省けたので、感謝をしたいのは私のほうです。
昔の時代の農家は、このように草で畝を被覆して作物を育てていたようですが、今の時代はビニールシートを畝全体に張って被覆するのが一般的です。草は身近な自然環境で手に入る天然の資材で、いずれは土に還ってゆきますが、ビニールシートは他所より購入する人工の資材で、いずれはゴミになります。自然環境に調和した栽培を目指すのであればビニールシートよりも草のほうを利用したほうがよいのですが、草を刈って持ち運ぶには手間がかかるので、現代の多くの農家は手間のかからない便利なビニールシートを利用します。
この時代でもビニールシートより草のほうを利用しているご近所さん夫妻の心意気は見事です。農家として独立して新たな生活を始めることができた喜びが、手間を厭わない活力を生み出しているのかもしれません。私も農家として独立した当初は身近な草のみを利用してゆきたいと思いましたが、だんだんと私の実力では大量の草を刈って持ち運ぶための時間を作るのが難しいことが分かり、今はビニールシートも利用しています。便利なビニールシートの使用に慣れると、手間をかけて草をかき集める気力も沸きにくくなります。
近年はビニール資材の他にも農薬や化学肥料や農業機械などの便利なものが次々に開発されて、昔と比べて現代の農家はずいぶんと楽に作物を栽培できるようになりました。しかし近年の日本では農業をやめる農家が激増して、農家の人口は激減しています。農林水産省は農業の人手を確保してゆくために、さらに便利な栽培技術「スマート農業」を推進していて、田畑にロボット、AI(人工知能)、IoT(ネット連動技術)などを導入して「栽培技術のデジタル化」を目指しています。しかし、すでに現代の栽培はずいぶんと便利になっていったのに、なぜ農業をやめる農家が激増したのか、スマート農業を始める前に考えたいです。
周辺の水田地帯では田植え作業が終えられていますが、今の時代は田植え機を田んぼで操作して稲の苗を植えてゆくのが一般的です。近所の田んぼでは数世帯の家族がいっしょに稲作を行っているクラブがあり、私も参加させていただいています。人海戦術で行われた昔の時代の田植えのように、このクラブではみんなでいっしょに苗を1本1本、手で植えてゆきます。このクラブの活動が始まってから数年が経ち、参加者の皆さんもすっかり苗の植え方を体得していて、今年は半日で田植えを終わらせることができました。みんなで農体験を分かち合うことによって、昔ながらの手間のかかる手作業も楽しんでいるクラブです。
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顔を見せるのが苦手な農家による顔の見える農場 令和5年6月8日
梅雨の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
先日の日曜日に小林農場の地元の市貝町でのお祭り「SATOYAMAヘルシーマーケット」が開催されて、小林農場も農産物を持参して出店させていただきました。地元の市貝町や芳賀郡にお住いの方々の他にも宇都宮市や茨木県などの様々な地域にお住まいの方々も会場まで足を運んでくださいました。来場してくださった皆様に感謝をもうしあげます。
私は東京都の下町に生まれ育ち、生粋の江戸っ子なのですが、人が集まる祭りのような賑やかな場所が苦手でした。人と顔を会わせるのを辛く感じて、「誰とも会わずに一人で静かに暮らしたい」と願うこともあり、それで今は、他に誰もいない広い畑に一人きりで畑仕事をする生活を送ることになり、農家になることによって私の願いはかなえられました。
たくさんの消費者の皆さんが、小林農場のような小さな農場から野菜を購入してくださっています。「顔の見える生産者から安心して商品を買いたい」と考えている消費者も多いと思いますが、大規模な農場よりも小さな農場のほうが消費者には顔が見えやすいかもしれません。小林農場のような小さな農場が生き残ってゆくためには消費者に自分の「顔」を見せるようにして、自分はどのような考え方に基づいてどのような生産方法で野菜を生産しているのか伝えて、それに共感してくれる消費者を募ってゆくことが大切だと思います。SATOYAMAヘルシーマーケットにも出店して、人前に顔を出すようにしています。
SATOYAMAヘルシーマーケットの会場に足を運ぶ来場者の皆さんの中には、出店者達との会話を楽しみにしている方々も多いと思います。私は人と顔を会わせて会話をするのが苦手ですが、農産物の他にも面白そうな小道具も会場に持参して店頭に飾り、それらを「話のネタ」にしながら来場者の皆さんとの会話をできるだけ楽しめるように工夫してみました。来場者に小林農場の野菜セットを宣伝することも話のネタとなり、この催しで野菜セットのことを知って定期購入を申し込んでくださる方々も複数いらっしゃいました。
最近では「人に自分の表情を見られるのが恥ずかしい」と思ってずっとマスクを着けて顔を隠しながら暮らしている日本人が増えているようで、人と顔を会わせるのが苦手な私もその心境をなんとなく理解できます。生まれつき脳の機能に障害があって人との会話がうまくできない「発達障害」と診断される大人や子供も少なくないようで、私にも発達障害があるのかもしれないと思いたくなるほど、私も人と顔を会わせるのが苦手です。そんな私が、いつの間にか消費者に顔の見える農家を目指しながら暮らすようになっていました。
発達障害の人達など、うまく人間関係を築けずに仕事を長く続けられず悩んでいる大人達も少なくないようですが、そのような人達に農業という職業は適しているのかもしれません。主に人を相手にするサービス業とは違い、農業では主に作物や家畜を相手にしますので、人との会話が苦手でも務まります。そして人間が生きてゆくためにはまずは食料が必要なので、食料を生産する農家は必ず社会から必要とされます。食料を提供することで多くの人々に喜ばれて、人と会話をするのが苦手でも胸を張って人と接することができます。
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家庭菜園 対 小林農場 令和5年5月26日
衣替えの季節となりました。皆さま、いかがおすごしでしょうか。
最近は自宅の庭などで家庭菜園を始める家庭が増えているようです。庭のない家庭でもベランダにてプランターで野菜を育てたりしています。人間が生きてゆくためには絶対に食べ物は必要であり、自分で食べ物を作れる人が増えてゆくのは頼もしいことです。「自分で育てた野菜は特別においしく感じる」と言う人も多いですが、それはそうでしょう。
近所のホームセンターに行けばあらゆる種や肥料や資材が購入できます。ときどき家庭菜園を行っているご家庭より、「どんな肥料を購入すればよいのか」と質問をいただくのですが、専業農家の私にもよく分かりません。分からなければ肥料を使わずに野菜を育ててみてもよいと思います。土が肥えていなくても育ってくれる野菜はけっこう多く、小林農場の野菜セットに入れているサヤエンドウ、ソラマメ、レタス、カブ、大根、水菜なども肥料を与えていない土で育ちました。特にサツマイモは土がやせていても育ちます。以上のような難しい土作りをしなくても育てやすい野菜が家庭菜園の初心者に向いていると思います。
ナス、オクラ、ピーマンなど、果樹の果実のように実って収穫できる夏野菜を家庭菜園で育てるのは特に楽しいと思います。これらは適切に肥料を与えなくては育たない場合も多く、小林農場は夏野菜を栽培するのがあまり得意ではありません。家庭菜園で上手に夏野菜を育てている皆さんと肥料の種類や使い方などについて情報交換ができればよいです。
夏野菜の中でも特に人気が高いのがトマトですが、昨年は小林農場の畑では全くトマトが実りませんでした。いっぽうで近所の家庭菜園では、真っ赤に熟したトマトがたくさん実っていました。小林農場は家庭菜園に負けていました。プロの歌手よりも上手に歌を歌える一般人がいるように、プロの農家よりも上手に野菜を育てられる家庭菜園実践者も多いと思います。しかし、歌を歌うことで収入を得ながら生活をしてゆけるのはプロの歌手のみであり、作物を栽培することで収入を得ながら生活をしてゆけるのはプロの農家のみです。私はトマト栽培が下手ですが、多種類の野菜をセットにして販売する技術を持っています。
今の時代はインターネットで簡単に野菜の育て方が調べられるようになり、ネットの進歩も家庭菜園の普及に貢献していると思います。ただし、それぞれの人間の性格が違うようにそれぞれの菜園の性質も違い、ネットから入手した情報が必ずしも自分の菜園に当てはまるわけではありません。入手した情報を実際に自分の菜園で試してみながら自分の菜園に適した育て方を見つけてゆきますが、それまでには栽培に失敗することもあります。
まだネットがそれほど普及していなかった頃、農業の経験がなかった私は師匠の農場で野菜の育て方を体得して農家として独立するまでに10年間ほどの月日を費やしました。私が師匠の農場で授かったのは野菜の育て方だけではなく、農家として生きてゆくために必要な「根性」でした。根性があれば失敗してもすぐにやめたりはしません。昨夏は近所の家庭菜園で上手に育てられていたトマトをじっと観察して、小林農場のトマト栽培の改善策が見えてきました。家庭菜園から教わった改善策を今夏に生かしてみたいと思います。
野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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雑草の適地と作物の適地 令和5年5月18日
軽夏の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
5月には畑にたくさんの夏野菜や秋野菜の苗が一気に植え付けられてゆき、畑の風景が一変します。それぞれの作物には適地があるので、まずは適地を見極めながら苗を植えてゆくことが肝心です。今まで畑の様々な部分でたくさんの作物を栽培してきた経験から、畑のどの部分が肥えていて、どの部分がやせているのか、だいたい把握ができています。
小林農場の畑の南側にはスギナが繁殖しています。スギナは杉の葉のような細長い葉を地上に伸ばし、生命力のたくましい雑草で、他の雑草が生えにくいやせた土地でも繁殖できます。つまり、スギナが繁殖している土地はやせている場合が多く、作物も育ちにくいです。今まではスギナが繁殖する畑では麦、大豆、サツマイモなどを栽培していましたが、これらはやせた土でも生育することのできる作物で、その生命力はスギナに負けません。ジャガイモもそんなに肥えていない土地でも生育できるので、今回はこのスギナ繁殖畑にジャガイモの種芋を植え付けてみました。しかしジャガイモはなかなか大きくならず、ジャガイモにとってはこのスギナ繁殖畑はやせすぎているようだということが分かりました。
小林農場の畑の東側もやせているようで、この春は雑草すらあまり生えてきませんでした。昨年の春はこの畑でカブや葉物野菜を栽培してみましたがほとんど生育しなかったので収穫できませんでした。昨年の夏にはカボチャを栽培してみましたが、やはり西洋カボチャ種の生育は悪く、不作でした。いっぽうで「鶴首カボチャ」などの日本カボチャ種は全くやせた土を問題にせずに元気に生育して豊作となりました。今年はこのやせた畑にはサツマイモと日本カボチャ種の苗を選んで植え付けて育てたいと思います。サツマイモやカボチャなどは肥えている畑で育てると葉ばかりが茂って肝心の食用部の根や実が肥大できなくなります。肥えている畑だけではなく肥えていない畑も必要で、そこがミソです。
小林農場の畑の西側が最も肥えていて、春にはホトケノザがかわいらしい赤紫の花を咲かせながら繁殖します。キャベツは肥料が不足している土では生育できませんが、昨年の春はこの畑でキャベツやブロッコリーが豊作となりました。今年は、やはり生育してゆくためには肥料が必要なナスやピーマンなどの夏野菜の苗をこの畑に植えてゆきました。
小林農場の畑の北側ではカラスノエンドウが繁殖して、その畑で栽培していたニンニクの葉にツルを巻き付けて絡みつき、ニンニクの生育が停滞してしまいました。カラスノエンドウはやっかいな雑草ではありますが、ある程度肥えている畑に生える草なので、この雑草が繁殖するような畑ではたいていの作物も生育しやすいです。今までも大根、カブ、人参、小松菜などが良く生育していましたので、今年は西洋カボチャやサトイモを栽培します。
スギナ繁殖畑、ホトケノザ繁殖畑、カラスノエンドウ繁殖畑、または雑草すら生えない畑など、雑草の様子がそれぞれの畑の個性を伝えてくれます。それぞれの作物の適地を探し当てるために、どこにどんな名前の雑草が生えているのか確認したいです。ある植物学者が「雑草という名の草はない」と語っていますが、雑草を名前で呼べるようにしたいです。
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小林農場の病害に対する基本的な考え方 令和5年5月11日
深緑の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
この春、ジャガイモ畑ではたくさんのジャガイモの葉が焼けたように褐色に変色してしまいました。おそらく病原菌に感染して疫病に罹ってしまったのだと思います。そのままジャガイモが全滅してしまうことを覚悟しましたが、葉が再び青々と茂り、生気を取り戻そうとしています。しかし生育は遅れてしまい、おそらくこの春作のジャガイモが豊作となることはないでしょう。秋になればもう一度、ジャガイモを栽培し直したいと思います。
大多数の農家は農薬を散布して殺菌して作物が病気に罹らないようにしていますが、農薬を散布することで病原菌だけではなくあらゆる土中の生き物を殺してしまって生態系を壊してしまい、そのため作物は自然に生育できなくなって病弱になってしまい、ますます農薬を散布しないといけなくなり、ますます病弱になってしまうかもしれません。作物に副作用を与えるかもしれない農薬を使用しないことこそが病害防止対策だと私は考えます。
小林農場の畑でジャガイモの病気が目立ったのは初めてで、今までは滅多に病気が発生することはありませんでした。今回のジャガイモ畑の土はやせていたためにジャガイモは調子を崩して病弱になってしまったようです。もっと肥えた土に種芋を植えていればジャガイモも元気に育って発症を防げたと思います。小林農場の畑のすぐ隣の畑でも無農薬栽培でジャガイモが栽培されていますが、ジャガイモがとても元気に育っていて、わざわざ農薬で殺菌をしなくても病気に罹らないことを証明してみせています。隣の芝は青いです。
3年前にコロナ禍が発生してから、日本人は新型コロナウイルスの感染拡大を防止しようとずっとマスクを着用して暮らしましたが、何度も感染が拡大しました。夏にも感染症が流行していましたが、炎天下でも暑いのを我慢してマスクを着けたまま暮らして体調を崩してしまったことにより感染症に罹った人達も多かったのではないかと私は思います。
安全性が十分に確認されぬまま新型コロナワクチンが開発されて早急に大勢の人々に接種されてゆきました。このワクチンの副作用は強く、中にはワクチン接種後に体調を崩して亡くなる人や深刻な健康被害を受けた人がたくさんいることが厚生労働省より報告されています。新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスのように致死率の低い病原ウイルスなのだから、人の心身への副作用が伴うマスクやワクチンに依存するのをやめて、日頃から自然にウイルスに感染しながら自然に免疫をつけてゆけばよいと私は思います。
日本では5月8日より新型コロナウイルスが感染法上の5類へと格下げされて、コロナ禍以後に実施されてきた感染拡大防止対策が撤廃されて、今まで私達がインフルエンザウイルスなどの様々な病原ウイルスと共生してきたのと同じように新型コロナウイルスとも共生してゆくことになります。「病原ウイルスと共生してゆく」というのは無農薬栽培の考え方と同じで、日本社会と無農薬栽培が近づいたようです。ウイルスや菌はしぶとくて、農薬、マスク、ワクチンなどで戦ってみても勝てる相手ではなく、それらの副作用でますます問題がややこしくなります。私は農薬散布もマスク着用もワクチン接種もやりません。
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世の中は明るく、小林農場も元気 令和5年5月4日
風薫るさわやかな季節、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
季節も十分に暖かくなり、これより畑へたくさんの夏野菜や秋野菜の苗をどんどん植え付けてゆきます。いっぽうで畑の雑草の生育も勢いを増してゆきます。苗の植え付け作業も除草作業も、遅れてしまうと作物の生育が低迷してしまうので急がないといけません。終わらせてゆかなくてはいけない畑仕事があまりに多すぎて、考え込むと気分が塞ぎこんでしまいます。そんな時には「あはは」と声に出して笑ってみます。笑顔を作ることによって気分も明るくなって元気になれます。元気を作り出さないと雑草に負けてしまいます。
昨年までも夏に入ると雑草の勢いを抑えきれずに様々な作物が雑草の波に飲まれてしまい、駄目になってゆく作物の姿を目にしながら私の気持ちもどんよりと暗くなってゆきました。雑草がうっそうと茂っている光景は農家の気分を暗くします。今週はまず、除草作業を優先して終わらせてゆきました。長ネギの苗を育てている畑でも雑草が目立ち始めていましたので、勢いに乗って手がつけられなく前に取り除きました。まだ髪の毛のように細い長ネギの苗の姿が除草後にはっきりと見えるようになり、私の気分もぱっと晴れました。
背丈の高い雑草に覆われてしまった畑を草刈りしていると、アスパラガスが背丈を伸ばしていることに気づきました。3年ほど前にアスパラガスの種を播いて育てていましたが、除草作業が間に合わず、アスパラガス畑はいつも雑草だらけになっていました。しかしアスパラガスは枯れてしまわずに生き残っていました。このまま除草作業を継続して大事に育てれば、来年の春には小林農場は初めてアスパラガスを収穫して皆さんにお届けできるかもしれません。楽しみが一つ増えて、また気分が明るくなって元気をもらいました。
世間では、5月8日より新型コロナウイルスが感染法上で2類相当から5類へ格下げされることになりました。新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスなどと同じように致死率の低い弱毒性のウイルスであることが分かってきたため、コロナ禍以後に実施されてきた感染拡大防止対策が撤廃されてゆくことになります。海外ではすでに人々はマスクをはずしてコロナ禍以前の日常風景を取り戻しています。日本もこれから暑くなってマスクを着けていると熱中症に罹りやすくなるので、マスクを外したほうがよいでしょう。私は全くマスクを着けないで出掛けていますが、今はもう、誰かにマスクを着けるように言われることはありません。マスク着用を強要するような息苦しい圧力が払拭されてゆき、日本でも人々がマスクを外して素顔で暮らせる明るい日常風景が取り戻されようとしています。
コロナ禍の最中には盛んに外出を控えるように呼びかけられて、これから日本人はウイルスに感染するのを恐れて自宅に引きこもるようになると私は思いました。ところが大型連休には大勢の日本人が外出して、観光地はコロナ禍以前のように賑わっているようです。「日本人は元気だな」と改めて思いました。小林農場も元気です。4月は野菜の端境期(はざかいき)で、出荷できる野菜を確保するのに苦労するのですが、今年も端境期を乗り越えました。これから出荷できる野菜も増えて、たくさんのご家庭に野菜をお届けします。
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春がゆく 令和5年4月28日
惜春の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
春の季語に「行く春」があります。これに類似した季語には「春惜しむ」「春のかたみ」などがありますが、春が過ぎ去ってゆく様子を表現しています。春とは長くて寒い冬がようやく明けて待ちに待ってやって来る季節であり、桜などの様々な植物が花を咲かせて景色が華やぐ季節でもあります。桜の花が散って新緑に覆われて、蒸し蒸しとした暑い空気に入れ替わってゆく頃、輝いていた春が過ぎ去るのを惜しむ気持ちが俳句で詠まれてきました。
昔から「八十八夜を過ぎると遅霜が降りなくなって、寒さに弱い稲や夏野菜の苗も田畑に植え付けることができるようになる」と言われていて、5月2日に「八十八夜」を迎える頃、農家は一気に田植えや夏野菜の苗の植え付けを行います。同時に夏草も盛んに生えるようになるので苗が雑草に負けてしまわないように除草を繰り返し、農繁期へと突入します。
今春は暖かく、日本全国で桜の開花が記録的に早かったことが話題となりましたが、他にもあらゆる植物の開花が数週間早かったような感じがしました。小林農場の畑でもサヤエンドウが3月にはすでに花を盛んに咲かせていました。例年ではサヤエンドウは5月より収穫されるのですが、今年は初めて4月末より実が実って収穫されることになりました。
いっぽうで畑のあちらこちらではイネ科の夏草が背丈を伸ばして、「草波」となって畑を覆い始め、まだ4月なのにまるで夏の頃のような光景となってきました。この晩春は除草作業が間に合わず、玉ねぎを育てていた畑が雑草に覆われてしまいました。今年は玉ねぎが豊作になることはないでしょう。これからどんどんナスやピーマンやトマトなどの夏野菜の苗を植え付けてゆくのに集中しなくてはいけないので、玉ねぎ畑の除草に時間を費やすことはできません。夏野菜をしっかりと育てて、玉ねぎの不作の分を補いたいと思います。
春はまだそれほど雑草も生えてこないので、少しゆっくりと畑仕事をすることのできる季節なのですが、今年の場合はもう春はとっくに終わっています。5月に入る前から除草などの畑仕事が遅れてしまっています。これより1か月間が勝負です。ここで仕事の遅れを取り戻すことができなければ、今夏も畑は雑草だらけになるでしょう。臨戦態勢を整えます。
この「勝負の1か月」で試してみたいのが「少食」です。「1日3食よりも1日2食に減らしたほうが体調は良くなる」と語る人がたくさんいます。私は1日に3回、食事していますが、自炊や食事に費やす時間をもっと省略してもよいと思います。私は文章を書くのが好きで、この農場通信を書くのに3時間以上も費やしてしまう場合もありますが、今後は2時間以内にさっと書き終えたいです。できるだけ多くの時間を畑仕事にまわしたいです。
最近は「ネット依存症」や「スマホ依存症」などにかかって仕事や勉強の時間を削ってしまう人が増えているようですが、私も依存症にかかりやすい性格なので、インターネットの使用時間を厳しく制限して、依存症を引き起こすものからできるだけ離れたいと思います。ただ、畑に足を運ばずにはいられなくなっていつまでも作物の世話をやめられなくなるような「栽培依存症」みたいなステキな依存症があるのであれば、かかってみたいです。
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