多忙を極めてゆく畑 令和5年6月19日
野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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多忙を極めてゆく畑 令和5年6月19日
紫陽花の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
多忙を極めてゆく小林農場の畑。先週の梅雨の晴れ間に、まだ畑から掘り出していなかった玉ネギ、ジャガイモ、ニンニクを急いで掘り出して収穫しました。今まで降り続いた雨で土が乾かなくなり、玉ネギはこれ以上に収穫が遅れてしまうと湿気で傷んでしまいます。
麦畑の麦の収穫も急がなくてはいけません。麦の収穫は穂が乾いている時に行われるもので、降雨で穂が湿っている時には収穫はできません。本当は先週末の貴重な晴れ間に麦の収穫を終わらせたかったのですが、まずは玉ネギの収穫を終わらせることを優先しました。収穫時期を迎えてから時間が経過すると麦は倒れやすくなって、麦の周りの雑草も生い茂ってしまい、収穫が困難になります。天気予報では今週の後半から梅雨空が戻ってくるようで、穂が雨で湿ってしまう前に今週の前半にできるだけ麦を収穫しないといけません。
長ネギの苗床ではすでに苗が大きくなっていて、「早く狭い苗床から広い畑にうつしてくれよ」と苗たちが私に訴えています。キュウリ畑ではキュウリが地べたに寝転がっている状態で、「上に伸びてゆきたいのだから早く支柱を建ててくれよ」と訴えています。しかし、麦の収穫を優先しなくてはいけないので、長ネギやキュウリにはもう少し我慢してもらうしかありません。他の畑では雑草が伸びていますが、今は除草に費やせる時間が作れません。
こんな感じで様々な畑仕事が遅れています。5月はたくさんの夏野菜、秋野菜の苗を一気に畑に植えてゆく時期なのですが、植えなくてはいけない苗が多すぎて作業が間に合いませんでした。5月の作業が遅れれば連鎖して6月の作業も遅れて、7月や8月の作業も遅れて、12月にようやく雑草が枯れて畑が落ち着くまで作業が遅れ続けます。今まではそれでもどうにか野菜セットを出荷し続けることができていましたが、私が年をとって体力が衰えてゆく今後もこんなギリギリの仕事のやり方を続けられるかどうかは分かりません。
5月に作業が集中して、5月より「遅れの連鎖」が始まります。他の農場では寒い時期からすでに夏野菜の苗を植える畝を作ってビニールシートで畝を覆っておいて、5月に入って気温が高くなったらすぐに苗を畝に植えられるようにしています。ビニールシートで覆っておいて時間をかけて畝を温めておいたほうが畝に植えられた時に苗は元気に根付きやすくなるようです。私は前もって準備を終わらせておくことが苦手な性格で、5月に入ってから急いで畝を作っています。今年はもう「遅れの連鎖」が始まってしまっているのでしかたがないのですが、来年はまだそんなに忙しくない冬から早春のうちに畝作りなどの今まで5月に行っていた作業を前倒しして終わらせて、「遅れの連鎖」を未然に防ぎたいです。
今、私は「身近な自然環境で入手できる草、竹、落ち葉などを利用して作物に有益な微生物を繁殖させて、他所から肥料を購入して散布しなくても作物を育てることができる畝の作り方」について勉強していて、次の冬にそんな自然に調和した素敵な畝を作るのに時間を費やしたいと思っています。うまく畝を作れればもっと楽に作物を育てられるようになるかもしれません。冬になるのを楽しみにしながら、今の多忙な毎日を乗り越えてゆきます。
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