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2023年7月29日 (土)

理想を実現してくれる品種  令和5年2月2日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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理想を実現してくれる品種  令和5年2月2日

節分の候、皆さま、いかがおすごしでようか。

  ジャガイモには「男爵」や「メークイン」などの色々な品種があるように、どの作物にも色々な品種があります。小林農場でも色々な品種を栽培しながら自分の畑に適した品種を探してきました。どんなに私が上手に栽培してもその品種が畑に適していなければ作物は良く育ちませんし、どんなに私がヘタクソな栽培をしてもその品種が畑に適していれば作物は勝手に生育してくれます。それくらいに作物栽培では品種の選択が重要となります。

  種苗会社は自分達の畑で育成してきた作物の品種から種を採って販売していますが、それらの作物は農薬や肥料を使用しながら育てられているため、その遺伝子を引き継いだ種も発芽して育ってゆくためには農薬や肥料を必要とする傾向があります。現代農業では農薬や肥料を使用しなくても良く育ってくれる品種は少なくなっていると言われています。

  農薬を畑に散布すると畑の生態系を壊してしまう危険性があり、小林農場では安全性を考慮して無農薬栽培を行っています。また、現代では食べすぎて栄養過剰になって不健康になってしまう人が増えているように、必要以上に肥料を畑に与えられて不健全に育ってしまう作物が増えていて、過剰な肥料によって自然環境も汚染されているようなので、私は肥料に依存しない「無肥料栽培」または「少肥料栽培」を行えるようにしたいと考えています。それで今まで、無農薬・無肥料栽培でも良く生育してくれる品種を探してきました。

  先月まで野菜セットに入れていた細長い形をしたカボチャ、「鶴首カボチャ」。私は4年ほど前に知り合いの農家からこの品種の種を譲っていただき、それから毎年、鶴首カボチャを栽培しながら自分で種を採り続けています。この鶴首カボチャは肥料の少ないやせた畑でも旺盛にツルを伸ばし、害虫や病原菌も寄せ付けません。多くの農家は「無農薬・無肥料栽培で作物を育てるのは困難だ」と思っていますが、品種を選べば無農薬・無肥料栽培は可能だということを鶴首カボチャが証明してくれています。ただし鶴首カボチャの種は一般的に販売されていないので、農家がこのような品種と出会える機会はあまりないです。

  「カボチャはあまり食べないので、野菜セットから除いてほしい」というご要望を複数のご家庭からいただき、ご要望に個別にお応えしております。いっぽうで、カボチャは無農薬・無肥料栽培を行いやすい作物であることを強調しながら料理方法などもお伝えしてゆき、多くの方々にカボチャに親しんでいただけるように努めたいと考えています。鶴首カボチャは時季や熟度によって味や食感が変わってゆき、その変化を私はまだ把握しきれていなくて、今まで鶴首カボチャの料理方法を皆さんにお伝えしきれていませんでした。

貯蔵していた鶴首カボチャも傷み始めて、もう出荷を中止しています。先日、ある消費者の方に鶴首カボチャをさしあげると、すぐに傷んでいる部分を切り除いて料理して試食してくださり、とても気に入ってくださいました。そして自分達の菜園で鶴首カボチャを育ててみたいとおっしゃるので、私の鶴首カボチャの種をお分けいたしました。他にも無農薬・無肥料栽培が可能な様々な品種を見つけて、種をみんなで種を分け合って広めたいです。

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