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2023年4月 6日 (木)

種採りという挑戦  令和4年10月13日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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種採りという挑戦  令和4年10月13日

夜長の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  今週より「鶴首カボチャ」を野菜セットに入れてみました。鶴の首のような細長い形をしたカボチャで、熟すと皮が肌色に染まります。昔から日本で作られてきた日本カボチャの一種のようです。その肉質は繊維質が少なくて、ねっとりとした食感に特徴があります。

  毎年、この鶴首カボチャの種を自分で採りながら栽培していて、今年は3代目の鶴首カボチャをお届けしております。今年も立派に太って肌色に熟した鶴首カボチャを選抜して種を採り出して、来年にこれらの種を播いて4代目の鶴首カボチャを育てたいと思います。

  昔の農家は自分で作物の種を採っていましたが、現代の農家は作物の種を種苗会社から購入する場合が多く、農家が自分で種を採る技術は日本から消滅しようとしています。小林農場で育てている作物の種の多くも種苗会社から購入していますが、いっぽうで小林農場の畑から自分で種を採ることにも挑戦しています。種苗会社が種を生産しながら育成している品種と小林農場が自分で種を採りながら育成している品種の生育を比較してきましたが、カボチャに関しては種苗会社が育成している品種よりも我が農場で育成してきた鶴首カボチャのほうが元気に育ち、カボチャの種を自分で採る技術は完成されつつあります。

  今年の夏には小林農場が数年間、種を採り続けながら育成してきたオクラやキュウリやニンニクなども野菜セットに入れてきました。今夏の小林農場の畑では種苗会社の育成したピーマンの品種が良く育ち、最盛期には大きくて肉厚な実をたくさん実らせてくれました。この品種を気に入ったので、自分で種を採ることにして、秋になって赤色に熟したピーマンの実を収穫して、その中に詰まっている種を採り出しました。また、この夏には種苗会社の育成した「水ナス」系品種のナスがとても柔らかくておいしく、複数のご家庭より好評をいただき、私もこの品種を気に入れました。このナスは「交配種」と呼ばれている雑種の品種で、雑種からは良質な種を採りにくいです。来夏は雑種ではない水ナス系の品種の種を見つけて栽培して、食べてみておいしければその品種の種を自分で採りたいと思います。

  人参の種採りにも挑戦してみました。昨年、収穫された人参の中から形が良くておいしそうな人参を選抜して土に埋め戻しました。やがて地上に芽を伸ばし茎葉を茂らせて、花を咲かせて実を実らせて、種もできて、採種。人参の花は菊のようなきれいな花で、種を採る過程で花の観賞も楽しめます。今年、自分で採った種を畑に播いてみると発芽してくれて、この冬には収穫時期を迎えて、小林農場が育成した人参が野菜セットに登場するでしょう。

  サツマイモの場合は切り取ったツルを苗として畑に植えて育てます。苗を自分で育てるには温床を作って苗を十分に暖めないといけません。今まで私はサツマイモの苗を購入していましたが、今年は手間をかけて初めて温床を作り、昨年に収穫したサツマイモを種芋として温床に埋めてツルを発芽させて苗を育ててみました。初めてなので自信はありませんでしたが、順調にツルが伸びてそれらを切り取ってたくさん畑に植えることができました。来年も苗作りに挑戦してみて、今年の成功はまぐれだったのかどうか、確かめたいです。

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