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2023年3月23日 (木)

虫愛づる国  令和4年9月29日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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虫愛づる国  令和4年9月29日

爽秋の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  虫の鳴き声が変わってゆく度に季節も移り変わってゆきます。今はコオロギの仲間の虫が鈴を転がすようなきれいな鳴き声を昼にも夜にも絶え間なく響かせています。私が暮らしている市貝町のような里山だけではなく、宇都宮市などの都市の住宅地やたくさんの車が行き交う国道でも、スズムシの「リーンリーン」という高い声の大合唱が聞こえます。虫がどこでも鳴いている日本には、古くから耳を澄ませて虫の声を愛でる風習があります。

虫で賑やかな秋には、害虫による作物への被害も目立ちます。シンクイムシという爪の先くらいの小さくて白いイモムシが白菜やキャベツの苗の柔らかな新芽に潜り込んで食べ尽くしてしまうので、竹串を苗の新芽に入れて探りながらシンクイムシをほじくり出さないといけません。さらにサルハムシという小さくて黒いイモムシが苗の葉を穴だらけにしながらかじってしまうので、苗を持ち上げて葉の裏にくっついているサルハムシを見つけて捕まえないといけません。今秋は特に害虫が多く、苗もたくさん食べられてしまいました。

  7月下旬より毎週少しずつレタス類などの秋野菜の種を播いて、苗を育てて畑に植えていっています。1回目に種を播いて育てたレタス類の苗を畑に植えてから数日後、半分以上の苗がネキリムシにかじられて地際から切り倒されてしまいました。2回目のレタス類の苗は別の畑に植えてみましたが、数日後に確認してみると全滅していました。苗の地上部が丸ごときれいに食べ尽くされていたので、野ウサギのような野生動物に食べられたのかもしれません。3回目のレタス類の苗をまた別の畑に植えてみましたが、ネキリムシの襲撃にあって半分以上が切り倒されました。4回目のレタス類の苗は、今まで虫害がほとんど発生したことのない畑を選んで植えてみて、今のところみんな無事に生育してくれています。

  8月、9月に葉物野菜の種を畑に播いて育てても、高い確率で害虫の餌食となって葉がボロボロに穴だらけにされて商品として出荷できなくなります。今年は試しに8月よりホウレンソウの種を播いてみましたが、やはり害虫に葉を穴だらけにされてしまいました。

  大根は主に地中に伸びる根の部分を食べますが、地上に伸びる葉もおいしく食べられます。大根の葉は虫害を受けにくいようで、この秋は少しだけ野菜セットに入れることができました。ミツバは山菜のように勝手に自生してくれるたくましい作物で、害虫にも負けずに育ちます。シュンギクも独特な香りがあるので虫は食べにくいようで、まもなく無事に出荷できそうです。10月に入ればさらに気温が下がって害虫の活動もおさまり、小松菜やホウレンソウなどもあまり虫害を受けなくなります。これからが秋冬の葉物野菜の本番です。

  トンボは夏にも見かけますが、秋になると体が赤色に成熟してさらに目立ちます。古来のトンボの異名は「あきつ」で、「秋のもの」という意味です。昔の日本人は自分たちの国を「あきつしま」と呼んでいたらしいですが、トンボが飛び交う日本の秋の風景を誇らしく感じていたのだと思います。多様な虫の活動によって日本の豊かな生態系が維持されてゆきます。できるだけ虫の活動の邪魔をしないように、そっと作物を育ててゆきたいです。

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