「節電の夏」に考える 令和4年7月7日
野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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「節電の夏」に考える 令和4年7月7日
降りしきる蝉の声に夏の盛りを感じる頃になりました。皆様、いかがおすごしでしょうか。
6月末にすでに梅雨が明けて猛暑を迎えて、多くの施設・事業・家庭では冷房を稼働させて暑さをしのいでいますが、日本国内では消費電力の増大によって供給電力が不足気味となっているようです。日本政府は国民に向けて節電をするように呼び掛けています。
我が家の周りは土に囲まれて風通しが良く、涼しいそよ風が住まいの中に吹いてくれるので冷房を設置する必要はなく、冷房を使わないことで我が家の消費電力をずいぶん削減できているのではないかと思います。私は炎天下の畑で仕事をするので、部屋の中を冷房で冷やしてしまうと室内と室外の気温差によって体調をおかしくしてしまうかもしれず、冷房を使いたくありません。実際に冷房で体を冷やしすぎて体調を崩してますます夏バテしてしまう人も多いらしく、そのような症状は「冷房病」という名前で呼ばれています。
日本列島では石油などのエネルギー資源を自給することができず、日本のエネルギー自給率は10%くらいでものすごく低く、私達の生活に必要なエネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に依存しています。最近は国際情勢が不穏となってエネルギー価格が上昇して、資源を輸入しにくくなってきています。今年は冷房で電力需要が増える夏と暖房で電力需要が増える冬には本当に国内で電力が不足するかもしれないと言われています。
日本の食糧自給率は40%以下で、日本人が摂取している食糧の半分以上を海外からの輸入に依存しています。過度に輸入に依存してきた状況を改めて自国での食糧自給率を上げてゆこうとする取り組みが行われていますが、農産物を生産するためには農業機械が必要であり、農業機械を動かすための石油が必要であり、海外から石油を輸入する必要があり、けっきょく自国で農産物を生産するにも輸入に依存しなくてはいけません。小林農場も畑を耕すためにはトラクターなどの機械が必要で、石油に依存しないといけません。
日本で暮らしている1億人以上もの人々の食糧やエネルギーを、小さな日本列島の中で全て自給自足してゆくことは難しく、それらを輸入することも大事です。しかし、日本人も江戸時代まではほとんど輸入に頼らずに自給自足していたことを忘れてはいけません。
「不耕起栽培」という、畑の土を耕さずに作物を育てる栽培方法があり、トラクターなどの機械を使いません。この栽培方法で収量を確保してゆくためには色々と手間がかかり、今の私の実力で不耕起栽培を行えば出荷できる野菜が不足するかもしれません。でも不耕起栽培は最もエネルギー資源を消費しない栽培技術であり、エネルギー資源はないけれども豊かな土壌がたくさんある日本列島に適しているので、私も挑戦してみたいです。
冷房による人工的な冷気ではなく自然なそよ風で暑さをしのいでいる今の私の生活を心地良く感じていますし、電力を消費する重たい冷房を使わなければ気も楽です。石油を消費するトラクターなどの重たい機械を使わずに不耕起栽培で作物を育てることができれば、身軽になれて心地良さそうです。やせ我慢しながら節電・節約するのは嫌ですが、重たいものを降ろすことによって心地良くなれる節電・節約ならば取り入れてゆきたいです。
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