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2022年11月 9日 (水)

化学肥料について   令和4年5月13日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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化学肥料について   令和4年5月13日

深緑の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

 農林水産省は現在、自然環境に調和した持続可能な作物栽培技術として有機栽培を全国に推進してゆく方針です。有機栽培の公式な定義には、「化学肥料を利用しない栽培技術」とあり、化学肥料を使用していない小林農場の作物栽培も有機栽培を名乗ることができます。では、なぜ化学肥料を使わないほうが自然環境に良いのか、ちゃんと理解できている人は少ないかもしれません。正直に言って、私も十分に理解できていません。

化学(化成)肥料は農家の田畑にも家庭菜園にも最も一般的に使用されている肥料です。化学肥料とは、天然の鉱石などを採掘して化学的に処理したり、空気中の窒素を水素と化学的に合成したりして製造され、原料は天然物で、特に危険なものが使われているわけではなさそうです。化学肥料の中には窒素、リン酸、カリなど、作物が生育してゆくために特に重要な要素が豊富に含まれています。畑に散布すればすぐに作物の根が肥料を吸収することができるような形になっていて、作物の体がとても速く大きく育つようです。 

よって、収量を確保してゆくことが重大な多くの農家にとって、化学肥料は欠かせない存在となっています。ただ、あまりに作物の生育が速すぎてしまうと中身が追い付かず、その味質が大味になってしまう傾向がります。化学肥料を使用していない小林農場では作物の生育はのんびりとしていて、そのほうが作物の味はじっくりと良くなる傾向があります。「スーパーで売っている野菜よりも小林農場の野菜のほうがおいしい。味が全然、違う」というご感想を複数のご家庭からいただきましたが、おそらく一般的に販売されている野菜の多くは化学肥料を主に使用しながら栽培しているのではないかと推測しています。

化学肥料はすぐに作物の根に吸収されやすいいっぽうで、効率的に吸収されないとすぐに畑から流出してしまい、地下水に混ざって井戸水などの水質を悪化させる場合もあります。環境中に過剰に流出している化学肥料による環境汚染が懸念されています。

化学肥料には豊富に窒素などの特定の重要成分が含まれていて、畑に散布されると「硝酸態窒素」という形になり、それが過剰に作物に吸われる場合があります。過剰な硝酸態窒素が含まれている農産物を食べると、人の健康には害になります。環境問題への注目が高まってゆく今後、硝酸態窒素は新聞やニュース番組で度々、取り上げられることになるかもしれませんので、難しくて覚えにくい名前ですが、覚えておいたほうがよさそうです。

化学肥料の原料となる鉱物は日本列島にはなく、日本で使用されている化学肥料の多くは海外からの輸入に依存しています。温暖で雨の多い日本列島では植物が良く育ち、落ち葉や米ぬかなどの植物由来の原料はたくさん手に入るので、それらで有機質肥料を作っていた昔ながらの技術を取り戻せれば、日本でも肥料を自給してゆく道筋ができるでしょう。

ただし有機質肥料ならば必ずしも安全というわけではなくて色々と注意点があり、化学肥料も適量を適切に使用すれば安全なのかもしれません。私は科学肥料を適切に使用する自信がありませんので、小林農場では有機質肥料を使用して化学肥料を使用していません。

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