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2022年7月31日 (日)

無農薬栽培の筋   令和4年2月3日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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無農薬栽培の筋   令和4年2月3日

残寒の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  栃木県内で無農薬栽培を行っている私の知り合いの農家の団体は、無農薬栽培の実践や考え方を多くの人達に普及してゆくために毎年、上映会などを開催しています。今年も2月上旬に開催される予定でしたが、栃木県で新型コロナウイルス感染拡大に伴う「まん延防止等重点措置」が発令されたことを受けて、開催予定日の1週間ほど前に開催中止が発表されました。農家団体の皆さんにとっては現状を熟考した上での苦渋の決断だったでしょう。

  上映会で上映される予定だったドキュメンタリー映画には「菌ちゃん先生」という愛称で親しまれている長崎県の農家が出演していて、私は以前からインターネット上で配信されている菌ちゃん先生の講義を楽しく拝聴していました。サービス精神に溢れるお人柄でそのお話がとてもおもしろいです。上映会も楽しみにしていましたが、中止は残念でした。

  無農薬栽培を行っている菌ちゃん先生は、畑に存在している目には見えない菌の働きのおかげで作物が健全に育つと語ります。菌のことを「菌ちゃん」と呼び、畑の土に手を当てて「菌ちゃん、ありがとうね。がんばってね。」と声をかけると本当に菌が良く働いてくれるようになると言います。菌ちゃん先生のお話は終始、菌への感謝の念に貫かれています。

  菌ちゃん先生が以前に農業改良普及員として作物栽培を研究していた頃、病原菌を殺菌するためにキュウリに農薬を散布しながら育てていると、次第にキュウリは病気にかかって全滅しやすくなってしまったようです。いっぽうで、すぐ近くに農薬を散布せずに栽培されていたキュウリは病気にもかからずに元気に育っていました。「農薬で消毒すると病原菌だけではなくキュウリの生育に必要な菌まで死滅させてしまい、キュウリは病弱になってしまう」と菌ちゃん先生は消毒を頻繁に行う現代の農業に疑問を抱き始めました。

  コロナ禍以後、あらゆる場所で消毒液を頻繁に散布して徹底的に消毒してゆく社会の風潮に対して、菌ちゃん先生は「農業で起こった間違いを繰り返してしている。人間も菌やウイルスの働きによって健康を維持しているのに、自らそれらとの絆を断ち切っている。過度な感染予防によって人間の免疫力も鍛えられなくなって病弱になる」と警告しています。

  菌ちゃん先生が「みんなに観てほしい」と推している映画は「風の谷のナウシカ」。舞台は「腐海(ふかい)」と呼ばれている森で、巨大な菌類が腐海を支配していて、おぞましい姿をした巨大な蟲(むし)たちも生息し、腐海は猛毒に満たされています。ある者達は腐海を恐れて「腐海を焼き払おう」と言いますが、主人公の少女・ナウシカは腐海の深部に足を踏み入れて、人間がかつて大地に排出してしまった毒を腐海や蟲が吸収して浄化してくれようとしている事実に気づき、蟲と心を通わせます。菌ちゃん先生は、普段は人から忌み嫌われている害虫や病原菌などは自然界を浄化して循環させてくれていると説きます。

害虫や病原菌とも共存してゆこうとするのが無農薬栽培の筋です。無農薬栽培に関わってきた者達はコロナ禍の中でも筋を通して、「今までインフルエンザウイルスなどと共存してきたように、新型コロナウイルスとも共存してゆこう」と周りに呼び掛けてほしいです。

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後記(7月31日記入)

 今後も新型コロナウイルスは流行を繰り返すと思いますが、催しを開催する主催者は新型コロナウイルスが流行した時に開催を中止したりするのはやめてほしいです。みんなが集まって楽しめる場を維持してほしいです。

人は気分が暗くなれば免疫力が落ちて病気にかかりやすくなり、気分が明るくなれば免疫力が上がって病気にかかりにくくなります。自粛して催しを中止することは多くの人々の心を暗くして、病人の数を増やすかもしれません。明るい雰囲気を世の中に築いてゆくことが感染症の予防にもなります。

今は第7波を迎えて日本国内の感染者数が最多を更新していますが、「まん延防止等重点措置」は発令されることなく、多くの催しが予定通りに開催されています。

「もう新型コロナウイルスが流行してもインフルエンザ流行時と同じように落ち着いて日常生活を維持してゆこう」という気運が生じてきています。

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菌ちゃん先生が農家の視点からコロナ禍について語っているページを以下にご紹介します。クリックしてご覧ください。

・感染症が激減した日本人ときゅうり (1年前の4月23日配信)

・バイキンが必要なわけ (去年の8月27日配信)

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