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2022年7月23日 (土)

低すぎる種の国内自給率    令和4年1月27日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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低すぎる種の国内自給率    令和4年1月27日

晩冬の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  2月に入ると春野菜の種まきが始まり、11月まで絶え間なく何かの作物の種が少しずつ播かれてゆきます。そろそろ種苗会社のカタログを開いて種を注文しようと思います。

  種苗会社が販売している種の多くは日本国内ではなく海外の畑で採られているようで、現在の日本の野菜栽培で使用されている種の9割は海外から輸入されているものです。小林農場が栽培している野菜の種も海外からの輸入品が多いです。日本の食糧自給率が低いことはよく知られていますが、種の国内自給率は10%くらいなので、さらに低いです。

  種は乾燥した状態で採らなくてはいけなくて、海外と比べて雨が多い日本列島の多湿な気候では種を良い状態で採るのが大変です。様々な品種が交雑して雑種になってしまわないようにそれぞれの品種を隔離しながら育てて種を採る必要があり、広大な平野が広がっていて隔離しやすい海外と比べて、山だらけの日本の国土では隔離ができる畑を確保するのが難しいです。よって、日本列島で種を生産しようとすると人件費が高くなります。日本の種苗会社が種の生産を海外の畑に依存しているのには、それなりの理由があります。

  もしも国際情勢が急変して種を海外から輸入しにくい状況になれば日本で食糧を生産することが難しくなるので、国内でも種を自給することは重要です。日本政府も今まで国内で種を生産している現場に補助金を支払いながら支援していましたが、今後は支援を打ち切って「種の生産の民営化」を推進するらしく、国が責任をもって国内産の種子を確保してゆくことをやめるようです。今後はさらに国内の種の自給率が低下するかもしれません。

  種苗会社が販売している種の品種は優秀で栽培しやすく、現在の大多数の日本の農家はわざわざ手間をかけて自分で種を採ることはしないで、種苗会社から種を購入しています。小林農場も種苗会社が開発している優秀な品種を栽培することによって農場経営を成り立たせてきましたが、あまりに低すぎる国内の種の自給率は改善されるべきだと思います。個人が経営している種屋さんなどでは、国内の農家と協働してその地域で採られてきた在来種の種を生産して販売したりしているので、そのような種をできるだけ購入してみて、小林農場の畑でも順調に発芽して生育してくれるかどうか確かめてみたいです。

  個人で経営している種屋さんの中には、国内で種が自給できていない状態を憂慮して、種を購入する農家にその作物の採種方法も伝えて自分で種を採ることを勧めているお店もあります。農家が自分で種を採るようになれば種を購入しなくなって種屋さんは儲からなくなるかもしれませんが、金儲けよりももっと高い志を抱きながらお店を経営しています。

  種屋さんなどから採種方法を教わり、昨年は小林農場の畑より11種類の作物から自分で種を採りました。今後はその数を増やしてゆきます。江戸時代までは海外から日本へ種が輸入されることは珍しく、日本で栽培されてきた野菜の種はほぼ全て、日本列島の中で採られていました。種苗会社が種を大量生産してゆくには日本列島の環境は不向きなのかもしれませんが、個人の農家が自分に必要な分だけの種を採ることはできるはずです。

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