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2022年6月11日 (土)

もしも私が暦を作るならば   令和3年12月16日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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もしも私が暦を作るならば   令和3年12月16日

年内余白なく、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  来年用のカレンダーをすでに入手している方も多いと思います。現在、世界の多くの国々で統一されている暦は「グレゴリオ暦」で、日本でも明治時代に西洋より取り入れられて現在まで使用されています。地球は365.2422日かけて太陽の周りを1週して四季を繰り返すので、1年を365日、4年に1度は1年を366日にすると定められています。

  月の区切りはどのようにして定められたのか?なぜ1月は31日間で、2月は28日間で、3月は31日間で、4月は30日間なのか?調べてみると特に天文学的な理由はないようで、暦を作成した古代ローマ時代の政治的・社会的な事情で定められたようです。

  江戸時代までの日本の旧暦にも太陽の運行を基にして作られた「二十四節気」などの暦がありましたが、同時に月の満ち欠けを基にして作った「太陰暦」も親しまれていました。立春に最も近い新月の日を「1月1日」として、日が経つにつれて月は次第に満ちていって15日くらい経つと満月を迎えて、その後は月が次第に欠けていって再び新月を迎える時に「2月1日」へと月が切り替わりました。新月から次の新月までに29.5日かけながら月は満ち欠けを繰り返すので、一つの月は29日間、または30日間と定められていました。

  現在の新暦で暮らすよりも昔の旧暦で暮らしたほうが、月の満ち欠けを意識しながら暮らせると思います。「新月の日に苗を畑に植えると、苗が根付きやすい」「満月の日に害虫は繁殖しようとするので、その頃に害虫対策を行うと効果的」などと語る農家もいるようです。月と地球の間には引力が生じていて、月の満ち欠けに合わせて引力が強くなったり弱くなったりします。地球上の潮の満ち引きも月の引力に影響を受けているのだから、植物の生育も虫の行動も満ち欠けを繰り返す月の影響を受けて変化してゆくのかもしれません。

  間もなく12月22日に冬至を迎えて、1年で最も昼が短くなります。冬至の10日後に1月1日を迎えて、私達は新年を祝います。なぜ冬至の10日後が1年の最初の日として定められたのか?これにも天文学的な理由はなく、社会的な事情で定められたようです。

もしも私が自分で暦を作成するとしたら、太陽と月の動きに基づいて暦を作るでしょう。1年の始まりの日を冬至に定めます。最も日が短くなった後に再び日が長くなり始める日、つまり、太陽が力を取り戻す日に新年を祝うようにします。日が最も長くなる夏至の日や、昼と夜の長さがちょうど同じになる春分や秋分の日も、特別な日として祝います。そして日本の旧暦も取り入れて、月の満ち欠けを基にして月々を区切るでしょう。古代の人類は農作業を行うために暦を生み出しました。私も自分で地元に適した暦を作れればよいです。

現在の暦にも「ひな祭り」などの祭事が盛り込まれていますが、私が作る暦にも「味噌作り祭り」を盛り込んで、自家用の味噌を作ることを祭事として行う日を設けます。手間をかけて手前味噌を作っても収入にはなりませんが、日本人が手前味噌を作る技術を遺してゆくことは大事なことです。ご先祖様達も、本当は大事なことなのだけれども忙しい日常生活の中で忘れ去られてしまいやすいことを祭事にして遺そうとしていたのかもしれません。

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