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2022年5月14日 (土)

周りの農家を見渡せば  令和3年11月18日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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周りの農家を見渡せば  令和3年11月18日

冬将軍ももうそこまでやって来ています。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  私の農業の師匠は、かつて農業を志す新規就農希望者を研修生として受け入れて農作業を体験させて、一人前の農家に育て上げて独立させていました。私も栃木県の市貝町にある師匠の農場に住み込んで野菜栽培について学び、師匠より借地と借家をお借りして小林農場を設立して独立いたしました。今でも師匠はご自身の農場内の空き家や余っている畑を新規就農者に貸して、新規就農者が新たな生活を始められるように応援しています。

市貝町の先輩の農家さんなども研修生を受け入れていて、1年間ほど研修した研修生たちは独立して市貝町に借地や借家を見つけて新規就農しています。私の師匠も先輩農家さんも、もともとは非農家出身の新規就農者で、自然環境に優しい無農薬栽培を行って、その技術を研修生達に伝授してきました。日本で無農薬栽培を行っている農家は稀な存在ですが、新規就農者が無農薬栽培を始める例はそれほど稀ではありません。農業は収入の少ない職業なので「収入が最も大事」と考えている人は新規就農をしませんが、「自然環境に優しい暮らしを送ることが最も大事」と考えている人が新規就農する場合が多いようです。

  見渡してみると、市貝町にも無農薬栽培を行う新規就農者が少しずつ増えてきているように思います。みんな、小林農場と同じように小さな農場で、私と同じように農業という未知の世界へ飛び込み、さらに無農薬栽培という少数派の技術を伝授している同志達です。

  ジャガイモは夏に畑から収穫された後、次の年の春まで貯蔵しながら出荷してゆける優れた作物です。今年の小林農場のジャガイモ栽培は不作で、11月中に収穫された全てのジャガイモを出荷し終えるでしょう。そこで、近所で無農薬栽培を行っている知り合いの農家にお願いして、ジャガイモを仕入れさせていただきました。今年度の小林農場の畑ではジャガイモだけではなく他の作物も収量が例年よりも減少するかもしれないと予測しておりますが、ジャガイモなどの長く貯蔵できる野菜を手元に確保しておくことによって、今後の野菜セットに入れられる野菜の種類数が極端に少なくなることを回避することができます。

  ジャガイモを収穫するのには時間と体力が費やされて大変で、私が近所の農家のジャガイモ畑に出向いていっしょにジャガイモ掘りを手伝うと喜んでくれて、私がジャガイモを仕入れる時にはその値段を安くしてくれました。私がたった一人で年間を通して野菜セットに入れる野菜を全部、栽培し続けてゆくことが難しくなった時には、近所で無農薬栽培を行っている農家から野菜を仕入れさせていただくという手段もあってよいと思いました。

  小林農場の野菜セットには小林農場の畑から採れた野菜を入れてゆくのが基本です。今月より近所の農家から仕入れた無農薬栽培のジャガイモを野菜セットに入れさせていただきますが、来年こそは小林農場産のジャガイモをたくさん収穫して常にお届けできるようにしたいです。自分で作物をしっかりと栽培できる力を身に付けておいて、周りの農家に協力を求められればすかさず手助けできるようにして、周りの農家と手を貸したり借りたりしながら共に自然環境に優しい栽培方法で営んでゆける農業を築いてゆきたいです。

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