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2022年2月13日 (日)

トウモロコシの品種を育成中   令和3年8月5日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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トウモロコシの品種を育成中   令和3年8月5日

蝉時雨の賑やかなこの頃、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  トウモロコシが収穫時期を迎えています。この作物は害虫の被害を受けやすくて無農薬栽培を行っている小林農場では収量が良くありません。ただ、その味はとても甘いと多くの方々よりご好評をいただいていて、野菜セットにトウモロコシを入れると目を輝かせて喜んでくださるご家庭もいらっしゃいます。難しいけれども作り甲斐のある作物です。

小林農場で栽培しているトウモロコシは2種類あります。一つは、前年に栽培したトウモロコシから私が自分で種を採り出してその種から育てた、小林農場が独自に育成している品種。もう1つは種苗会社より購入した種から育てた、種苗会社が開発している品種。

先週はまず小林農場の独自の品種のトウモロコシから収穫しましたが、中身の粒が少し小さく、粒が詰まっていなくて商品にはならないものも多く、2000円セットのみにしかトウモロコシを入れられませんでした。遅れて種苗会社の品種のトウモロコシも収穫時期を迎え、中身を確認してみると粒が大きくてよく詰まっていて、まずまずの出来でした。さすがは種苗会社の品種、その品質は安定しています。今後は種苗会社の品種がたくさん収穫時期を迎えるので、全てのご家庭にトウモロコシをお届けできると思います。

 トウモロコシは背丈の高い作物で、私の身長と同じくらいまで伸びて、その頂上に雄花を咲かせる穂が開き、その下に雌花を咲かせる穂が膨らみます。雄花が風に揺れると花粉がこぼれて雌花に付着して受粉して、やがて雌花の穂が細長く膨らんでその中では黄色の粒々の種がびっしりと並びます。私達は未熟で柔らかな種を食用としておいしく食べます。

  種が未熟な状態では収穫せずに畑に残していると、やがて種は完熟して固くなります。その状態で畑から収穫して、しばらく軒下にぶら下げて種を乾燥させてから種を採り出して密封して大事に保管します。次の年にその種を播いて、新たにトウモロコシを栽培します。

  実の詰まった良質なトウモロコシから種を採れば、次の世代もその遺伝子を引き継いで良質なトウモロコシに生育しやすくなります。今年も実が詰まっていそうなトウモロコシを10個ほど選んで、本当はこのようなおいしそうなトウモロコシを皆さんにお届けしたいところですが収穫するのを我慢して、種採り用に畑に残しました。このように何年も良質なトウモロコシから種を採り続けていれば、やがて小林農場の独自の品種も種苗会社の品種と同じくらいに良質なトウモロコシを実らせてくれるようになるでしょう。今は小林農場の独自品種では収量が低いので、しばらくは種苗会社の品種も栽培したいと思います。

トウモロコシの花粉は風に乗って遠くまで飛ぶので、複数の異なった品種を同じ場所で育てていると交雑して、雑種の品種が生じやすくなります。雑種のトウモロコシは品質が落ちる場合が多いので、交雑させてしまわないように品種ごとに十分に距離を離して栽培する必要があります。良質な種を採るには色々と神経をつかわないといけないので、現代の多くの農家は種を自分で採らずに種苗会社から購入する場合が多いです。小林農場は農家が自分で種を採る技術を遺してゆくことは大切だと思い、できるだけ自分で種を採ります。

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