伝われ、広まれ、自給自足の姿勢 令和3年7月22日
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野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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伝われ、広まれ、自給自足の姿勢 令和3年7月22日
梅雨明けの暑さはまたひとしおに感じられます。皆さま、いかがおすごしでしょうか。
私が野菜セットの配送で皆さんのお宅にうかがうと、お庭の家庭菜園で立派に育っているトマトやナスなどの樹を目にすることがあります。野菜セットを受け渡す時に皆さんより栽培方法についてのご質問をいただくので、私も張り切ってお答えしたりしていますが、小林農場ではナスなどの夏野菜の生育がおもわしくなく、本当は私のほうが皆さんにどのようにしてそのように立派なナスを育てられたのか、逆におたずねしたいくらいです。
今年の小林農場のナスの生育が不振なのは、私の自己流のやり方でナスの苗を畑に植えたのが悪かったからだと思います。私は農業研修生として師匠の農場で野菜栽培を学ばせていただいていましたが、師匠の畑ではナスの樹がいつも立派に育っていました。自己流の方法で苗を植えるのをやめて、来年は研修中に教わった通りに苗を植えたいと思います。
栽培技術は人から人へと伝授されてゆくのですが、教える側が栽培技術を言葉だけで伝えてゆくのには限界があります。研修中に「技術は人から教わるものではなく盗むものだ」と師匠から言われました。畑仕事の上手な人がどのように手足を動かしているのかを盗み見て、実際にその動き方を真似してみます。人から言葉で教わってばかりいるだけでは技術は身につかず、自分の体を動かして体で技術を覚えてゆく姿勢が大事だと言われました。師匠が本当に伝えたかったことは「正しい技術」よりも「正しい姿勢」だったと思います。
いつも小林農場の野菜を食べてくださっている近所の方より「人参を自分で栽培してみたいので、栽培方法を教えてほしい」とお願いされました。人参の種は発芽しにくく、種を播く時には工夫が必要です。近所の方の家庭菜園までうかがって、私が実際に人参の種を播いて、種の播き方をお見せしました。数日後、その家庭菜園におうかがいすると、芽が地上に出てきてくれていたので私もホッとし、近所の方もいっしょに喜んでくださいました。次はご自身で種を播き、ご自身の体で人参の栽培方法を体得してゆくことを願っています。
私は今までに何度も人参の種を発芽させることに失敗しながら現在の播き方にたどりつきました。しかし近年の夏は一昔前より暑さが増して土が乾きやすくなっているためさらに人参の種を発芽させにくくなり、また技術を更新する必要があると感じます。今後も失敗をしながら学んで技術を更新してゆきますが、「正しい姿勢」で臨むことが大切です。
自分達に必要な衣食住を自給自足してゆくことこそが最も自然環境に優しい生活だと考えて私は農家になりました。会社員も主婦も政治家も医者も教師もみんな、自分達が専業としている仕事をしながら家庭菜園で自分達の食べ物を自給自足してゆくような社会になれば良いと思います。「自分の家庭菜園でナスやトマトを収穫しているので、これらは野菜セットに入れなくてもよいです」などの皆さんからのご要望には喜んで応じております。
「知り合いの家庭菜園でたくさん野菜が採れて、自分にも野菜をたくさん分けてくれたので、次回の野菜セットの購入はお休みしたい」というご要望にも応じてきました。顔見知りの知り合いの間で収穫を分け合って地域内で食を自給するのはすばらしいことです。
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