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2021年9月15日 (水)

鳥インフルエンザから考えるウイルス対策  令和3年3月18日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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鳥インフルエンザから考えるウイルス対策  令和3年3月18日

花の便りが聞かれるこの頃、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  先日、小林農場の地元である栃木県芳賀郡の養鶏場で鳥インフルエンザが発生して、鳥インフルエンザウイルスの感染拡大を防止するために養鶏所の鶏は全て殺処分されて埋められました。付近の養鶏所も肉や卵を出荷する際に様々な制限を受けることになりました。

  鳥インフルエンザは鳥に罹る感染症であり、よっぽどのことがなければ人間がウイルスに感染して鳥インフルエンザに罹ることはありません。鶏の卵や肉にウイルスが付着していても、ウイルスは熱に弱いので普通に加熱して料理すれば問題なく食べられます。

  鳥インフルエンザウイルスは遠くから渡ってきた野鳥によって海外より運ばれ、それらが何かに付着しながら鶏舎の中まで移って鶏へと感染し、複数の鶏が突然、次々に亡くなって感染が発覚します。現在の多くの養鶏場では卵や肉を大量に生産できるように、数万羽の多数の鶏を集中して鶏舎に囲いながら飼育していますが、密閉・密集・密生の環境下で飼育されているので感染症などの病気が広まりやすくなります。感染を防ぐためにたくさんの薬やワクチンを鶏に与えたり、たくさんの消毒液を鶏舎に散布したりしています。

  私の農業の師匠も鶏を飼育していて、私も養鶏について学ばせていただきました。現在の一般的な養鶏場とは違って師匠の鶏舎は日当たりと風通しの良い場所に建てられていて、床は広々としていて鶏は自由に動き回っていました。ときどき鶏舎の外に鶏を放して、鶏は太陽の陽を浴びながら夢中になって土を嘴でつついたり足でかき回したりしていました。

  師匠は豚も飼育していましたが、広々とした放牧場で豚は寝そべったり泥遊びをしたりして暮らしていました。ときどき元気な豚が柵を壊して脱走し、放牧場に連れ戻そうとする私達から逃げ回って大変でしたが、巨体を揺らしながら疾走する豚の姿は見ものでした。

  少数の家畜を広い空間で飼育しようとすると手間がかかって生産効率は良くありませんが、日当たりと風通しの良い環境で家畜は健全に育ち、病気に罹りにくくなります。野外で病原ウイルスに感染しても発症しにくく、薬もワクチンも消毒液も必要なくなります。

  農林水産省は、放牧場で豚が野生のイノシシなどと接触して病原ウイルスをうつされないように、豚は豚舎に囲うようにして放牧させることを禁止することを検討し始めています。農水省は病原ウイルス感染予防のためには家畜を施設に閉じ込めるべきだと考えています。しかし鳥インフルエンザは鶏舎に鶏を閉じ込めて飼育している養鶏場で発生しています。ウイルスは人の目には見えず、ウイルスの侵入を完璧に防ぐことは無理です。

鶏を野外で飼育している養鶏場で鳥インフルエンザが発生しているわけではありません。野外で健全に育った家畜はウイルスに感染しても発症しにくく、閉じ込められることによって家畜はストレスを溜め込んで免疫力を落として常に薬やワクチンや消毒液に依存しないといけないような病弱な体質になります。ウイルス感染の防止に力を注ぐよりも、ウイルスに感染しても発症させないように家畜を健全に飼育することに力を注いだほうが良いと思います。そうすればウイルスを過度に恐れずに共存してゆけるようになります。

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追記(9月15日記入)

病原ウイルスを過度に恐れて過度に感染を予防すると、かえって生き物は病弱になってしまう場合もあります。

今後、私達が病原ウイルスと対峙してゆく時に、忘れてはいけないことだと思います。

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