命の経済 令和3年3月26日
野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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命の経済 令和3年3月26日
花便りしきりの今日この頃です。皆さま、いかがおすごしでしょうか。
今月、令和2年度の小林農場の収支の確定申告の手続きを行い、改めて農場の経営状況を確認しました。小林農場の野菜を購入し続けてくださっている皆さまのおかげで昨年は黒字となりました。ありがたいことに昨年は小林農場の野菜セットの定期購入を新規に始めてくださるご家庭が多かったです。コロナ禍の影響で健康に関心が持たれて、無農薬栽培の健康な野菜などを求めるご家庭が増えているのかもしないと推察しております。小林農場は健康を願う方々の期待に応えてゆける農場でありたいと改めて思いました。
小林農場では収入を増やしてゆくことよりも支出を減らしてゆくことに力を入れております。収入を増やそうとして農作物を大量生産しようとすれば農地に過大な負担をかけて自然環境を損ねてしまうかもしれません。その農地に身の丈に合った収量を目指して栽培すれば自然環境への負荷も少ないです。収入も少なくなりますが、身の丈に合った自然環境に優しいささやかな栽培では農業機械や設備などにお金を費やす必要がなくなります。
私は自分でたいていの種類の野菜を栽培していますので、自分が食べる野菜をお店から購入することはなく、食費を抑えることができています。「自分が食べる全ての食材を自給自足して、金を必要としなくてもよい生活がしたい」と思いながら私は農業を始めました。
実際は野菜を自給することで精一杯で、自分が食べる米、肉、調味料などは購入しています。限られた時間の中で自分一人の力で自給できるものは少ないと思い知りました。電気やガソリンなども自給できるわけはなく、これらを購入してゆける収入は確保したいです。
味噌などの調味料は、じっくりと発酵して生産された良質なものを購入しています。良質な調味料は生産されるのに時間と手間がかかるため値段が高くなる傾向がありますが、短期間しか発酵せずに甘味を後から加えて生産された安い調味料よりも健康に良いです。手間をかけて良質な食材を生産している生産者を、商品を購入しながら応援したいです。米などは地元で無農薬栽培の米を生産している米農家から購入していますが、顔見知りの農家が生産しているお米なら安心して食べられます。地元の農家も応援したいです。
消費者が商品を購入することは、その生産者への応援となります。私自身も野菜セットを定期購入してくださる皆さんから応援をいただきながら無農薬栽培を続けてゆくことができました。皆さんの中にも「手間をかけて健康な野菜を栽培している野菜農家を応援したい」「顔の見える生産者から購入したい」という想いをお持ちの方もいるかもしれません。
コロナ禍の中、「経済よりも命のほうが大事だ」と、ウイルス感染拡大防止のために経済活動が自粛されました。しかしそれによって収入を失って健康な食材を購入できなくなって健康状態が悪化して、ウイルスに感染した時に重症に陥る人々が増えてゆくかもしれません。職や収入を失って生活が苦しくなって自殺する人も増えています。経済が維持されていれば人々の健康も維持されて、ウイルスに感染しても無事に回復するでしょう。「命」と「経済」を対立させずに、「命を大切にするための経済」を皆で構築してゆきたいです。
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追記(9月29日記入)
新型コロナウイルスから大勢の人の命を守るために、私達の経済活動は自粛されました。
しかし、自粛によって健康状態を悪化させた人々も多く、生活が苦しくなって自殺する人も増えました。
自粛によっても多くの人の命が奪われてしまう場合もあります。本当に大勢の人々の命を守る手段として「自粛」というやり方が最適なのか、見直す必要があると思います。
北欧の国・スウェーデンは、コロナ禍は長期戦になると見通して、国民の生活に大きな負担を与えるような過度な感染予防策や経済活動の自粛を控えていますが、スウェーデンでの新型コロナウイルスによる被害状況は厳しいロックダウンを実施している他のヨーロッパの国々と比べても大差はありません。スウェーデンでのコロナ対策に注目です。