小林農場 10周年 令和3年1月7日
野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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小林農場 10周年 令和3年1月7日
新年のごあいさつをもうしあげます。皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
小林農場 風家(かざいえ)が誕生したのは平成23年の1月。令和3年は小林農場の10周年となります。農場を設立した直後に東日本大震災と福島第一原発事故が発生して、荒波の中での船出でした。東日本大震災で始まってコロナ禍で終わった10年間でした。
35歳で農家として独立した私も、今では45歳になりました。朝から晩まで無心になって畑仕事に没頭することができた30代の頃とは違い、今は畑仕事の途中で疲れを感じて休息時間をとるようになりました。特に去年は腰を痛めたりして畑仕事が滞り、12月は露地野菜の防寒作業が遅れて、多くの作物を凍らせてしまいました。大根、カブ、人参、里芋などは、注意深くその状態を確認しながら出荷していますが、凍った影響で食感が少し粗く感じることもあって最良の状態だとは言えず、皆様にはもうしわけなく思います。
去年は地元のシルバー人材派遣センターに依頼して、シルバーの皆さんにも畑仕事を手伝っていただきました。今までは「自分一人でも畑仕事はできる」と思っていましたが、自分の体力が低下してゆく今後は、周りの人々の助けを借りる機会が増えると思います。
人の手助けが必要になれば、いろいろと人にご迷惑をおかけする機会も増えてゆくと思います。私には他人に迷惑をかけることを恥だと感じる性格がありますが、よく考えてみればこの世には誰にも迷惑をかけずに暮らしてゆける人なんて一人もいません。皆が「迷惑をかけるのはお互い様」という発想で暮らしたほうが社会全体は優しくなると思います。
コロナ禍で多くの人々が「新型コロナウイルスをうつされたりうつしたりしてはいけない」という息苦しい緊張感を抱え込みながら暮らしていますが、実際は今まで新型コロナウイルスに感染した感染者の多くは無事に回復していますし、あまりウイルス感染を恐れすぎないほうがよいと私は思っています。無理をして感染防止のために社会活動を自粛すれば多くの人々が職と収入を失って心身の健康を壊してしまいます。今年はコロナ禍以前のような人類とウイルスが共存していた大らかで優しかった社会を取り戻したいです。
コロナ禍の影響で生活が厳しくなりながらも小林農場の野菜を定期購入してくださったご家庭もあったかと思います。野菜セットに入れられる野菜は小林農場でその季節に採れる野菜のみで、必ずしも皆さんが欲しい野菜というわけではありません。届けられた野菜を全て保存したり食べきったりするために、皆さんもいろいろと工夫されてきたと思います。スーパーやネットなどで自分の欲しいものだけを簡単に購入できる便利な世の中でも、皆さんはあまり便利ではない小林農場の野菜セットと付き合ってくださいました。「便利」とは違う価値も大切にされている皆さんの大らかな姿勢に今まで支えられてきました。年をとって体力が衰えてゆくと多くの方々に支えられて暮らしていることに気付かされます。
去年は新規に野菜セットを定期購入してくださるご家庭も増え、農場の生計は維持されています。この先も今までと変わらずに野菜セットを絶え間なくお届けしてゆきながら、私達は皆、支え合いながら暮らしていることを実感できる日々を送りたいと願っています。
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