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2021年5月11日 (火)

「無肥料栽培」は可能か?  令和2年11月5日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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「無肥料栽培」は可能か?  令和2年11月5日

初霜の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  作物を収穫して畑の外へ持ち出せばそれだけ畑の土の養分も持ち出されて、土はやせます。その養分を補うために土に肥料を与える必要があると、一般的には考えられています。

  小林農場では、米ぬかや家畜フンなどの資源を発酵させて作られた肥料を畑に与えています。しかし、広い畑に肥料を補ってゆくには相当な量の資源が必要となり、毎年、これだけ大量の資源を肥料作りに費やしていると、いずれは枯渇してしまうかもしれません。肥料に依存する栽培方法は「持続可能な栽培方法」と呼べるのか、疑問に感じていました。

  同じような疑問を感じて「無肥料栽培」に取り組んでいる複数の農家が、肥料を全く与えなくても作物を栽培できる夢のような栽培方法の実例を発信しています。「野山では肥料を与えられなくても草木が自生している。もともと土には植物を育てる力が備わっているので、稲も野菜も肥料がなくても育つ」と主張し、むしろ肥料には土を冷やして固めてしまう作用があり、無肥料栽培実践者は肥料を「肥毒」と呼んで肥料が土に残留することを嫌います。現代の農業では農家が肥料を与えすぎて畑には「肥毒」が残留しているので、この「肥毒」を除去すれば、その後は肥料を与えなくても作物が育つようになると訴えています。

  小麦やライ麦などのイネ科の植物には、土を柔らかくしたり、「肥毒」を吸収して除去したりする作用があるので、これらのイネ科の植物を畑に生やし続けておくことが薦められています。ただし「肥毒」を除去するまでにはかなりの時間がかかり、無肥料栽培でまともに作物が生育できるくらいに土が出来上がるまでには5年も10年もかかるようです。

  農家は常に販売先に作物を出荷し続けていかないと販売先との信頼関係を築いてゆけませんので、作物がまともに育つようになるまでに5年も10年も待っていられない事情があります。肥料を与えると手っ取り早く作物の体を大きくさせて収量を増やすことができるので、多くの農家は目先の出荷のために肥料を施して作物を栽培しています。

そこで無肥料栽培実践者は、自分の畑の全部ではなく、一部のみを無肥料栽培に転換してゆき、年月をかけて少しずつ無肥料栽培ができる畑を広げてゆくことを提案しています。小林農場の畑の一部の土ではどうしても作物がうまく育たたないので、その区域は5年間ほどイネ科の植物を生やしておくことにしました。もしも5年後に本当に無肥料栽培でも作物が元気に育つ土に生まれ変わっていたら、同じやり方を他の畑にも試してゆきます。

小林農場の畑には、今までずっと肥料を与えずに「肥毒」のない区域もありますが、そこでも作物が育ちません。作物は人類によって改良されてきた植物であり、そもそもは自然のままの植物ではないので自然のままの土では育たない場合もあり、土に肥料を加えることが必要な場合もあると私は思います。肥料を「肥毒」と呼んで徹底的に拒絶する考え方は私には馴染みません。ただ、栄養を摂りすぎて肥満症に罹る現代人のように、肥料を与えられすぎて田畑の土が病んでいることが現代の農業で問題となっています。年月がかかっても構わないので、無肥料栽培が小林農場の畑でも可能なのか探ってゆく価値はあります。

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