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2021年4月28日 (水)

ビニール資材を見直す   令和2年10月22日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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ビニール資材を見直す   令和2年10月22日

山々に秋霧が立つこの頃、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  来年の5月より収穫される玉ねぎの苗の周りに雑草が勝手に生えて、苗を取り囲んでいます。四つ這いになって苗の周りの雑草を必死に手で取り除いていますが、時間がかかりそうです。時間が経てば経つほど雑草はさらに大きくなり、除草はさらに大変になります。人参畑でも同じように雑草が茂り、時間をかけて人参の周りの雑草を取り除いてきました。

  「太陽光除草」という技術があります。玉ねぎや人参の種を播く畝に、種を播く数週間前に透明のビニールシートを張っておくと、ビニールで覆われた畝は太陽光にさらされて高温になり、その熱で畝の表面にある雑草の種は死滅します。それからビニールシートをはがして作物の種を播けば、しばらくは雑草が発芽しなくなり、除草作業を省略できます。

以前に私も太陽光除草を試してみてうまく雑草を抑えることができましたが、最近はビニールシートを使用していません。近年はビニールのゴミの増加が自然環境に問題を生じさせているらしいので、使用後にゴミとなるビニール資材を使わないようにしています。

  体力のあった30代の頃の私は、朝から晩まで無心に雑草を取り除き続けることができました。今年で私は45歳になりますが、確実に体力は低下していて、除草作業中に疲れて集中力が続かなくなり、その場でゴロリと横たわって休息をとることが増えました。除草作業が思うように進まず、日が沈んで一日が終わってしまうのがとても早く感じます。

  今の私の除草作業の速度では、雑草の生育する速度に負けてしまい、作物が雑草に飲み込まれてしまう危険があります。ビニールシートを使用して太陽光除草を実施してあらかじめ雑草を生やさないようにしておけばこのような心配をしなくてもすむでしょう。

  これより来年の春に収穫されるキャベツやサニーレタスの苗を畑に植えてゆきますが、今回はビニールシートを畝に張ってから、苗を植える部分だけビニールを破きながら苗を植えてゆこうと思います。畝の表面全体をビニールシートで覆うことによって雑草は伸びなくなりますし、冬の厳寒期には畝の表面を防寒して苗を寒さから防ぐこともできます。

  この夏は小林農場では、ナスやピーマンが不作でした。多くの農家はこれらの夏野菜の樹の株元にビニールシートを張り、樹の周りに雑草が生えてくるのを抑えたり、樹の周りの地温を上げたりして、樹の生育環境を良くしています。私はビニールの代わりに草や落ち葉などの有機物を樹の周りに敷いてゆくつもりでいましたが、これらを大量にかき集めて樹の株元まで持ち運ぶのに大変な時間と労力が費やされてしまい、やりきれませんでした。 

 ビニール資材の使用を控えてビニールのゴミの排出量を減らしてゆくことは自然環境には良いことだと思います。しかし、それで生産量が落ちて皆さんにお届けできる野菜の量を確保してゆくのが困難になるのであれば、やはりビニール資材を使用するべきでしょう。ビニールのゴミが自然環境に放出すると問題が生じますが、ちゃんと焼却所で焼却すれば問題は少ないでしょう。またはビニール資材を使う代わりに、一時的に人を雇って複数の人の手で雑草を取り除いてゆく「人海戦術」を取り入れてゆくことも検討してゆきたいです。

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