秋は種まきが1日遅れると収穫が3日遅れる 令和2年9月25日
野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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秋は種まきが1日遅れると収穫が3日遅れる 令和2年9月25日
涼風の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
それぞれの野菜の種には発芽するのに適した気温があります。春と秋はほぼ同じ気温ですので、春に種を播く野菜と秋に種を播く野菜は似ています。ただ、春は次第に気温が上昇していって発芽した作物の生育速度もぐんぐんと増してゆきますが、逆に秋は次第に気温が下がっていって発芽した作物の生育速度がゆっくりになってゆきます。
「春は種まきが3日遅れても収穫は1日遅れるだけだが、秋は種まきが1日遅れただけでも収穫が3日遅れる」と以前に教わったことがあります。この言葉をそのまま当てはめると、もしも秋に1週間ほど種を播くのが遅れれば、20日以上も収穫が遅れることになります。春ならば種まきが遅れても気温上昇によってその遅れを取り戻せますが、秋は種まきが遅れると、作物は収穫を迎える前に寒くなって生育が止まってしまう恐れもあります。
秋の大根の種まきの適期は、この地域では8月下旬から9月20日頃までだと思います。秋の遅い時期から収穫時期を迎え、長い冬の間も土をかぶせて防寒すればずっと収穫できます。先月から少しずつ種を播き始めていましたが、9月20日すぎた後にもっとたくさん種を播いておかないといけないことに気付き、少し遅れて種を播いて追加しました。
玉ねぎは、この地域では9月の中旬頃に種を播き、翌年の5月以降に収穫されます。特に玉ねぎの場合は、種を早く播きすぎても遅く播きすぎてもうまく育たず、種まきの適期がとても狭い作物です。今年は9月19日に玉ねぎの種を播きました。小林農場では小さな玉ねぎがたくさん収穫される傾向があり、玉ねぎを大きく生育させるには9月10日頃には種を播いておいたほうがよかったかもしれません。そんなことを今頃になって思いました。
どうも最近の私は除草作業などを優先して、種を播く作業を後回しにしてしまう悪い癖がついてしまっているようです。「秋は種まきが1日遅れると・・・」の言葉を思い出して気を引き締め直し、10月に種を播く作物やその時期、播く場所などを再確認しました。
10月に種を播く作物は、来年の4月に収穫されるものも含まれています。4月は1年で最も収穫できる野菜が減る「端境期(はざかいき)」であり、この10月に種を播いて育てる作物は、必ず適期に種を播いて確実に端境期に収穫できるようにしておきたいです。
最近の冬は暖かいので、あまり寒さに強くないキャベツやサニーレタスなども、10月に種を播いて防寒しながら育てれば、4月頃にはたくさん収穫できるかもしれません。玉ねぎと同様、「冬越し春採り」のキャベツは種まきの適期が狭いらしいのですが、適期はいつなのか、まだよく分からないので、時期をずらしながら何回にも分けて種を播いてみて、どの時期に種を播いたキャベツが良く育つのか観察しながら、適期を探りたいと思います。
10月からホウレンソウの種まきが本番を迎え、11月上旬まで時期をずらしながら種を何回も播いてゆきます。本来、ホウレンソウは主に冬に収穫される作物ですが、4月まで収穫できるように改良された品種も開発されて、小林農場でも冬だけでなく4月にもホウレンソウを多く収穫できるようになりました。来年の春まで見据えながらの種まきです。
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