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2021年3月11日 (木)

令和3年3月9日の野菜セット・3月11日は食の安全を考える日~福島第一原発事故から10年~

Photo_20210311071801 畑にやって来た鳥。

おそらく、タカの仲間だと思います。大きさはカラスと同じくらいでした。

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今回の内容です。

ジャガイモ、人参、赤大根、サツマイモ、ネギ、キクイモ、ほうれん草(2袋)、小松菜、切り干し大根

「食べきれないので野菜の量を少なくしてほしい」「その野菜は好物なのでもっとほしい」「特定の野菜にアレルギー反応があるので、その野菜を除いてほしい」など、

野菜セットについてのご要望を個別に承ります。ご要望のある方は、ご連絡ください。

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今年の3月11日に、福島第一原発事故から10年目を迎えます。

小林農場では3月11日は「食の安全を考える日」と定めております。

原発事故によって東日本全体に有害な放射能物質が飛散しましたが、改めて放射能物質の危険性について、以下にまとめてみました。

・放射能物質に触れたり体内に取り入れたりして被ばくすると、癌や白血病などの病気に罹りやすくなる。

・被ばくしてから発症するまで時間がかかる場合もあり、被ばくしてから10年経った後に発症する場合もあるし、20年経った後に発症する場合もある。

(よって被ばくした後は長い期間、「病気になるかもしれない」という不安を抱え続けることになる)

・放射性物質が分解して消滅するまで、数万年以上もかかる。

(消滅するまでは、自然環境を汚染し続ける)

・放射性物質は人の目には見えず、どこに居るのか分からない。自然界に飛散してしまうと、回収するのは難しい。

・子供達は放射線への感度が高く、大人達よりも子供達のほうが被ばくによる健康被害を受けやすい。体が変化してゆく妊婦も被害が表面化しやすい。

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原発事故の記憶が風化してゆくことが問題視されていますが、この小林農場のブログでは原発事故の記憶が風化されることはありません。3月11日がやってくる度に、何度でも記憶を蒸し返してゆこうと思います。

原発事故について書いた過去の農場通信を再公開いたします。

3.11は安全を考える日~信頼の中にこそ~ 平成26年3月10日

日ごとに春めいてまいりました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  今から3年前に発生した東日本大震災と福島第一原発事故。原発事故の記憶が生々しく残りまだ東北・関東地方の農作物の安全性をめぐって混乱が収まらないでいた頃に、中年の女性の方から小林農場に電話で野菜セットについてのお問い合わせをいただきました。

  「食材への放射能汚染について心配しています。安全に食べられる野菜を探しています。そちらで作っている野菜は絶対に安全ですか?」とたずねる女性。

  「出荷する野菜は定期的に放射能検査をしていこうと思っています。それで、国が定めた規制値を下回るようであれば、出荷していこうと考えています。」と応じる私。

  「私たちの家族の中には幼い子もいます。絶対に安全だと生産者の方が言っていただけないような野菜を買うことはできません。」と女性。

  「放射能汚染の危険性についてはまだはっきりと分からないことがたくさんあります。とりあえず国が定めた規制値に基づいて、その数値を下回るようであればそれほど大きな危険はないと判断して出荷していきたいと考えています。」と同じことを繰り返す私。

  けっきょく女性は野菜セットを注文することをあきらめて電話をきりました。彼女に対して他に対応の仕方がなかったのだろうかと、今でもその時のやりとりを思い出します。

あの頃はどれくらいの被ばく量が安全なのか危険なのか、国の定めた規制値が適切なのかどうか、私の頭の中でも整理しきれずにいました。はっきりと「絶対に安全なので全く心配しなくてもいいですよ。」などと軽々しく言う気にはなれませんでした。

農薬や食品添加物や遺伝子組み換えや食品偽装など、他にもたくさん食品にまつわる深刻な問題があるのに、放射能汚染のことばかりが注目されて、福島県や東北・関東地方の農産物ばかりが危険視される風潮に、違和感を感じずにはいられませんでした。

放射能汚染を避けるために国内産の農産物を買うことを避けて外国産の農作物を買えば、放射能の心配は減るかもしれません。でも、国内産では滅多に見られないような残留農薬を多く含む食材や遺伝子組み換え食品、あらゆる偽装がされた食品などが日本の市場に侵入するようになり、新たな危険性を抱えることになるかもしれません。

さまざまな環境汚染が全世界に広がっています。どの食材にもなにかしらの危険性があります。世界中、どこを探しても「絶対に安全な食材」を見つけるのは困難でしょう。どんなに生産者が努力しても、「絶対に安全な食材」を作れないのが現実です。

しかし、生産者も消費者も努力すれば、食品の安全性を高めていくことはできます。東日本に暮らしている消費者の方々が顔の見える地元の生産者と共に、放射能汚染の中でどのようにして食品の安全性を高めていくか対策を練る。そうすることによって、どこか遠くの正体の分からぬ食品を入手するよりも、食の安全を確保していけると思います。

生産者と消費者が顔の見える信頼関係を築く中で作り出される食材こそがこの世で一番安全な食材なのだと、私は思います。生産者のみが努力するのではなく、消費者もいっしょになって社会全体で自然環境の保護に取り組まなければ、食の安全は守れません。

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