天候に手のひらを返されながら 令和2年8月13日
野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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天候に手のひらを返されながら 令和2年8月13日
酷暑の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
今年の梅雨は長く、7月は毎日、雨が降り続き、関東地方では8月1日にようやく気象庁から梅雨明け宣言がされました。すると手のひらをかえしたように強い日差しが降り注ぎ続け、梅雨寒が一変して、猛暑が怒涛のように押し寄せてきました。
梅雨の間はわずかな晴れ間すら与えてくれない感じで、畑の土が水分を貯め込んで全く乾く様子がありませんでした。この状態で畑にトラクターを入れて耕すと土がグチャグチャに練られてしまって、フワフワとした柔らかな土には戻らなくなってしまう恐れがあるので、耕すことを極力、控えました。雑草が好き放題に背丈を伸ばして畑を覆いました。
梅雨が明けると、強い日差しにさらされた畑の土はひび割れするほどガチガチに乾いてゆきました。まずは畑で大きくなった雑草を草刈り機できれいに粉砕しました。そしてその後、トラクターで畑を耕そうとしましたが、あまりにガチガチに土が固くなっていてトラクターの刃がはじき返されてしまい、まともに耕すことができませんでした。雨が続くとグチャグチャになって、乾くとすぐにガチガチに固まる。小林農場の畑の土はまるで粘土です。
種を播くにも苗を植えつけるにも、まずは畑を耕さないといけませんが、現在は土が固すぎて耕すのが困難です。たぶん梅雨が明けてから3日後くらいに畑はちょうど良く乾いていて、その時にトラクターを入れていれば良い具合に耕すことができたのかもしれません。今回は雑草をきれいに粉砕するのに時間がかかり、トラクターを入れるのが遅れました。
この粘土質の畑の他に、小林農場には私の師匠が私に譲ってくださった小さな畑があります。この小さな畑では梅雨明け後に日にさらされても土は固まらず、耕すとフカフカと柔らかくなり、種まきなどの作業がすぐにできます。師匠が30年間かけて土作りをしてきた畑の土はどんな環境でも柔らかな状態を保ち、土作りの模範をこの畑は見せてくれます。
冬に収穫される人参は8月上旬に種を播いて育てるのですが、今年も師匠からいただいた畑に種を播きました。種を発芽させるには雨が必要なのですが、梅雨明け後はしばらく雨が降りにくくなり、今年も梅雨が明けてから2週間、まとまった雨が降りませんでした。
今までは梅雨が明けた後もときどき夕立が発生していましたが、最近の数年間は夕立がずいぶん少なくなったように感じます。梅雨は本当に雨ばかりで、梅雨明け後は本当にずっと雨が降らず、この時期の降水量の高低がかなり極端になっているように感じます。ちょうどこの頃に種まきを行う人参などを栽培するのが難しく感じるようになりました。
8月13日に、梅雨明け後に初めて、小林農場にもまとまった雨が降りました。これで人参の種も発芽するでしょう。そしてガチガチに乾いていた粘土質の畑の土もこの雨で緩んで、今耕せばちょうど良く土がほぐれるでしょう。今度はこの好機を逃しはしません。早くトラクターを畑に入れたいと思います。耕すのが遅れるとまた土が固まってしまいます。
ほぐれた畑には大根やカブなどの秋野菜の種を播いてゆこうと思います。酷暑の時期は短く、9月に入る頃には適度に雨が降って畑は潤い、種も楽に発芽するようになります。
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