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2021年2月22日 (月)

日本の夏、日本の野菜   令和2年8月20日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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日本の夏、日本の野菜   令和2年8月20日

暑さ厳しく、降るような蝉しぐれです。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  今はトマトの収穫期ですが、最近は赤く熟したトマトの実が、収穫される前に外皮が割れてしまうことが多くなりました。梅雨が明けてから猛暑が続いていますが、高温で強烈な日差しを浴び続けているとトマトの実の皮は固くなって割れやすくなるようです。皮が割れてもおいしく食べられるのですが、見た目が悪いので商品としては出荷しにくいです。

  トマトは冷涼で乾燥したアンデスの高地で誕生した作物です。本当は高温で多湿な日本列島の自然環境にはあまり適さない作物で、日本で栽培する場合は手間がかかります。日本でトマトが一般的に食べられるようになったのは昭和に入ってからで、歴史は浅いです。

  「夏バテを防止するにはビタミンB₁を多く含んでいるウナギや豚肉や豆類を食べると良い」「夏バテによる疲労を回復するには、クエン酸を多く含んだ梅干しを食べると良い」など、健康食に関する情報がいろいろと飛び交っていますが、私は単純に、自分が暮らしている土地で採れる旬の食材を食べていれば健康を維持してゆけると考えています。日本列島の自然環境でよく育ち、日本人が昔からずっと食べ続けてきたような「日本の野菜」を選んで食べると良いと思います。日本人は昔から夏になるとキュウリやナスなどの水分を多く含んだ夏野菜を食べて、体内にたまった熱を冷ましながら、暑い夏を乗り切ってきました。

  夏の小林農場の畑では、モロヘイヤが猛暑の中でもしおれることなく旺盛に葉を茂らせています。モロヘイヤはエジプトなどで古くから食べられてきた葉物野菜で、最近になって日本でも栽培されるようになりました。周りの雑草も追いつけぬほどの勢いで生育するたくましい姿は、日本の夏の風景にすっかり溶け込んでいます。醤油と鰹節との相性も良く、おひたしにして食べてもおいしいです。「日本の野菜」として新たに加えてもよいでしょう。

  トマトは多湿の環境に弱いので、今年の長かった梅雨の最中には多くのミニトマトが病気にかかって枯れてしまいました。そんな中でも、「ブラジル・ミニ」というミニトマトの品種だけが、厳しかった梅雨を生き残ってくれました。名前のとおりにブラジルで栽培されてきた品種ですが、病害にたいしてめっぽう強く、日本列島の梅雨を乗り越えられる能力があります。この品種によってトマトも「日本の野菜」と呼べるようになるかもしれません。

  キュウリもナスも玉ねぎもシソも、私達が食べているほとんどの「日本の野菜」は、もともとは海外で誕生して、海を渡って日本にやって来た外国人によって運ばれてきた外来の野菜でした。日本のご先祖様たちは海外からやって来た野菜を柔軟に取り入れて、その中から自分達の地域に合う野菜を見つけて、「日本の野菜」として栽培して食べてきました。

  最近の日本の夏の暑さは厳しさを増し、私が子供だった頃の日本の夏とはもはや同じではありません。自然環境が変われば栽培できる野菜も変わってゆき、「日本の野菜」も変わってゆくかもしれません。ただし、日本人がその時代に栽培される「日本の野菜」を食べていれば健康を維持しやすいということは、どの時代でも変わらないと思います。どの作物が自分の畑で良く生育するのか確かめながら、「日本の野菜」とは何か、追求したいです。

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