野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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過剰に恐れることを慎む訓練 令和2年8月6日
梅雨明けの暑さはまたひとしおに感じられます。皆さま、いかがおすごしでしょうか。
トマトは湿った環境に弱い作物で、雨に当たると病気にかかりやすいです。今年の梅雨は長く、露地で栽培していたミニトマトの樹に疫病や青枯れ病が発生して、葉が茶色に変色して枯れたり、青いまましおれたりしていました。最初に数個のミニトマトの樹の下葉の辺りにはっきりと症状が現れ、その後、症状は樹の全体に広がり、同時に隣の樹から隣の樹へと順番に同じ症状が現れました。病原菌が発生源より増殖して感染していったのでしょう。
畑で病気が発生した場合は、それ以上に感染を広げないために症状が出た樹を引っこ抜いて畑の外に持ち去ることが、一般的な病害対策です。しかし、今まではキュウリなどの作物では症状が現れても回復する場合が多かったので、今回は症状が出たミニトマトの樹を引っこ抜かず、そのまま様子を見てみました。日が経つごと発症したミニトマトの樹の数が増えてゆき、そして、多くの樹がそのまま回復せずに枯れてしまいました。トマトは特に病害に弱く、発症したトマトの樹は素早く除去して感染拡大を防ぐべきだと思いました。
私達の社会でも新型コロナウイルスが感染症を引き起こしている最中で、連日、「日本の各地で感染者の数が拡大している」と報じられています。感染しているのかどうかを判定するための検査が全国で行われていますが、検査で「陽性」と判定された人を「感染者」として数えられています。すでに多くの日本人が新型コロナウイルスに感染していますが、そのほとんどは症状が出ませんので感染していることに気付かず、検査も受けていません。現在、日本で「感染者」の数が増えているのは、ただ単に以前よりも検査数が大幅に増えているのが原因である可能性が高く、ウイルスの勢力が増しているわけではないと思います。
私は「感染者数」よりも「死亡者数」に注目していますが、1日に新型コロナウイルスで死亡する人の数は1桁で、少ないです。感染者のほとんどが無事に回復しています。
「感染者は他の人にウイルスをうつしてしまう危険があるので、できるだけ多くの人を検査して、陽性の人は、例え症状が全く出ていなくても医療施設に隔離するべきだ」という意見を聞きますが、その意見はウイルス感染に対して過剰に反応しすぎていると私は感じます。そうすれば大勢の陽性者が見つかって医療施設はすぐに陽性者で満員になって病床が不足し、医療従事者にも負担がかかりすぎて医療現場は崩壊するかもしれません。医療崩壊は、ウイルスを過剰に恐れた人間が判断を誤ることによって生じるかもしれません。
病原体は目には見えずどこにいるのか分からないので、私達はこれらを過剰に恐れてしまいやすいです。農家が病原体に過剰に反応して、過剰な量の農薬を畑に散布して畑に生息している他の生き物もいっしょに殺してしまい、「生態系崩壊」を起こす場合もあります。
小林農場では雨除けができるハウスの中でもトマトを栽培していますが、こちらは病気にならずに、今は収穫の真っ最中です。農薬を使わなくても、雨除けで病害を回避することができます。無農薬栽培では、病原菌を含めた全ての生き物と共存してゆくことを目指します。無農薬栽培を行うことで、病原体を過剰に恐れることを慎む訓練をしております。
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後記(2月9日記入)
毎日、新型コロナウイルス感染症の患者数・死亡者数を確認することが私の習慣となりました。
1月以降は新型コロナウイルス感染症の死亡者数が増加しています。冬は感染症の予防に気をつける必要があります。
人は寿命を迎えると免疫力が下がって病気に罹って亡くなってゆくのが自然です。毎日、寿命を迎えた人々が癌や肺炎などの病気に罹って天寿を全うしてゆきますが、冬になると寿命を迎えた人々が感染症に罹って天寿を全うしてゆくことが増えます。冬になると感染症による死亡者が増えるのは自然なことです。
今までも冬になればインフルエンザなどの感染症で亡くなる人が増えていましたし、今年の冬も新型コロナウイルス感染症で亡くなる人が増加することはずいぶん前から予想されていました。
今まで私達はインフルエンザによる死亡者が増える冬にも落ち着いて感染症に対処してきました。今年の冬も落ち着いて感染症に対処してゆきたいところですが・・・。
この冬は、日本の医療が逼迫しています。今まで1日に数十万人のインフルエンザの患者数が発生しても崩壊することがなかった日本の医療が、なぜ今は、1日に発生する新型コロナウイルス感染者がわずか数千人しかいないのに逼迫してしまっているのか?その解消策は?
以下のサイトなどから情報を集めてみましたので、皆さんもよろしければご覧ください。
・VIDEO NEWS (ジャーナリスト・神保哲夫が開設しているサイト)
・週刊クライテリオン 藤井聡のあるがままラジオ
日本で医療が逼迫している問題は医療体制を改善することによって解決してゆく問題であり、私達が外出を自粛して人との接触を避ければ解決できるような問題ではありません。
私達は政府からの外出自粛の要請にそのまま従うのではなく、早く医療体制を改善してゆくように政府へ訴えてゆくべきです。
私達の社会が新型コロナウイルスを過剰に恐れると判断汚を誤って医療を逼迫させてしまいます。新型コロナウイルスを正しく恐れることを心掛けて、過剰に恐れることを慎みたいです。
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