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2020年12月24日 (木)

地力再生   令和2年6月25日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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地力再生   令和2年6月25日

長雨のみぎり、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  気候も高温で多湿になってゆき、間もなくキャベツなどの春野菜の収穫が終了します。キャベツは特に肥料を必要とする作物で、肥料が不足すると如実に生育が停滞し、品質が低下します。この春、一部の畑ではキャベツが結球しなかったり、葉が筋っぽくなって食べにくくなったりして、まともに出荷できませんでした。白菜、ブロッコリーなどもなかなか収穫時期を迎えてくれず、ホウレン草も小さなままで大きくならないことが多かったです。

  いっぽうで、春野菜に代わってこの時期から収穫される予定だったナスなどの夏野菜が今年はまだ収穫を迎えていません。生育がやたらとのんびりしていて、勢いがありません。  

今までも作物の生育の様子から、小林農場の畑の地力が落ちてきているとは薄々と感じていましたが、今はそれが確信へと変わりました。この数年間は畑の土を栄養過剰にさせないように散布する堆肥の量を控えてきましたが、量を控えすぎていたかもしれません。または、今まで散布してきた堆肥が小林農場の畑には合っていなかったのかもしれません。

私の農業の師匠は養鶏をされていますが、鶏舎の床にはオガクズが分厚く敷き詰められていて、その上で鶏が大量に糞尿を排出しても床はベタベタに湿ることがなく、鶏にとってフカフカとした居心地の良い住環境を維持しています。そのオガクズと鶏ふんはその場で発酵して堆肥となり、鶏舎より取り出せば堆肥として畑に散布することができます。

師匠は養鶏の規模を縮小するためにいくつかの鶏舎を解体することになり、私に鶏舎に溜まっている鶏ふん堆肥を持ち出してもよいとおっしゃってくださいました。鶏ふん堆肥を散布して土作りをされている師匠の畑を拝見させていただくと、いつも惚れ惚れするほど作物が元気に育っています。師匠の畑に豊作をもたらしてきた実績のある堆肥です。全部持ち出すのに手間はかかりますが、小林農場の畑にたっぷりと散布させていただきます。

いくら栄養のある堆肥を散布しても土が固ければ作物は根を伸ばせず、順調に生育できません。「土に栄養を与えたいのであれば動物由来の原料で作った堆肥が効果的で、土を柔らかくしたいのであれば植物由来の原料で作った堆肥が効果的」とよく言われています。落ち葉などを発酵させて作った植物由来の堆肥には土を柔らかくする効用があります。

小林農場の畑の土は粘土質で、固いです。農場の周辺で入手できる落ち葉やモミガラなどをかき集めて発酵させて堆肥化してきましたが、まだまだその量は少ないので、作物栽培が忙しくなくなる冬になったらもっと「落ち葉堆肥」などを作るのに時間を費やしたいです。

化学肥料と違って堆肥は効果が現れるまで時間がかかり、今から堆肥を散布しても気象条件によってはそれが効くのは来年以降になるかもしれません。地力が回復するまでの間、野菜の収量が低いままの状態が続くことを覚悟したほうがよいです。それでも1年を通して野菜セットを出荷し続けられるくらいの収量はなんとか確保してゆけると思っています。畑にはすでに作物の生育を手助けしてくれる無数の微生物が生息していて、畑に堆肥が少なくても収量がゼロになることはありません。堆肥を必要としない作物もあります。

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