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2020年9月13日 (日)

野菜が花を咲かせぬように  令和2年2月20日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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野菜が花を咲かせぬように  令和2年2月20日

春の気配に心躍る季節となりました。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  梅も桜も、多くの植物は種を遺すために花を咲かせます。暑すぎたり寒すぎたりすると花はすぐに枯れてしまうので、ちょうど良い気温の春に花を咲かせます。その準備を冬の頃に始める必要があります。冬の低温を受けると植物の体にスイッチが入り、花の元となる花芽を形成し始めます。この生理を「春化」と呼びます。花芽は春の暖かな陽気を感じると大きくなって花を咲かせます。花が咲くには冬の寒さも春の暖かさも、どちらも必要です。

「春化」は多くの野菜にも起こります。秋に種が播かれて生育して冬を越してきた大根や人参などの根菜類、またはほうれん草や水菜などの葉物野菜は、冬の寒さに当たることによって花芽を作り始め、そして暖かくなってきた今、花芽を大きく伸ばして花を咲かそうとしています。花芽に養分が吸収されてゆくため、食用部の根や葉は筋っぽくなってしまっておいしく食べられなくなり出荷できなくなります。梅や桜が花を咲かすのは嬉しいことですが、野菜が花を咲かすのは農家にとっては困ります。野菜の花もきれいだけれども。

これよりカブ、人参、大根、白菜、水菜などの根菜類、葉菜類が次々に花を咲かせます。このままだと出荷できる野菜が極端に減ってしまうので、冬の終わりが見えてくる2月上旬頃より新たに根菜類、葉菜類の種を播き始め、4月頃から新たに収穫できるようにします。

2月はまだ寒さが厳しい時期で、種を播いた後、発芽した作物は寒さに当たって花芽を形成してしまい、収穫時期を迎える前に花を咲かせてしまうこともあります。2月に種を播いた後はその上にビニール資材を張ってビニールの中で防寒しながら作物を育てていますが、それでも日が沈んで夜になるとビニールの中も氷点下まで冷え込み、春化が起こります。

しかし、夜が明けて日差しを受けるとビニール内は急激に高温になりますが、作物が季節を勘違いして、作った花芽を消滅させることがあります。これを「脱春化」と呼びますが、ビニール資材には脱春化を起こして作物が花を咲かせてしまうのを防ぐ効果があります。

ビニール資材を利用しても作物が花を咲かせてしまうこともあり、この時期の作物栽培はなかなか難しいです。近年は寒さを感じるのが鈍感で花芽を形成しにくい品種も開発されています。ただ、畑によって適する品種が違い、どの品種が自分の畑に適するのかは実際に栽培してみないと分かりません。今まで様々な野菜の様々な品種を試し、早々と花を咲かせて全く収穫できなかった品種もありましたが、優良な品種も徐々に見つかりました。ほうれん草も本来は3月になれば花を咲かせる作物ですが、3月に入っても花を咲かさない品種を見つけることができたので、小林農場では3月にもほうれん草を出荷しています。

去年は5月にも安定して収穫できる品種も見つけることができましたが、4月に安定して収穫できるほうれん草の品種がまだ見つかっていません。この冬、種を販売している売り場を歩き回り、4月にも収穫できそうだと直感的に感じた品種の種を手当たり次第に10種類以上、購入してみて、この2月にそれらを畑に播いてみました。これらの品種の成績を比較しながら、4月に収穫できるほうれん草の品種を発掘したいと思います。

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