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2020年10月 1日 (木)

暖冬を振り返って   令和2年3月30日

野菜セットには野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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暖冬を振り返って   令和2年3月30日

桜花爛漫の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  小林農場の周辺の桜が花を咲かせ始めました。今年は早春の頃にはずいぶんと気温が暖かくなっていたので、多くの地域で桜が観測史上最も早く開花しました。通常ならば温暖な九州地方から寒冷な北海道へと「桜開花前線」が北上してゆくのですが、今年は例外で、栃木県では九州地方南部よりも早く桜が開花しています。桜が花を咲かせるには「春の暖かさ」が必要ですが、その前に花芽を形成するには「冬の寒さ」が必要です。この冬は暖かすぎて、特に九州地方では「寒さ」が足りず、桜の花芽が形成されるのが遅れたようです。

  思い返せば、暖かな冬でした。例年では雪が積もる地域も、今年は極端に雪が少なく、小林農場でもこの冬に雪が降り積もることがありませんでした。雪が畑に降り積もると、どこにホウレンソウが生育していて、どこに人参が埋めてあるのか全く分からなくなる「ホワイトアウト状態」になり、畑仕事が通常の数倍、手間がかかります。雪はけっこう重たく、小林農場のビニールハウスも何度か、降り積もった雪によってグニャグニャにつぶされてしまったこともありました。そのような苦い経験は、この冬にはいっさいありませんでした。

  私のような冷え性の人にとっては暖冬は体に優しいです。しかし、「冬が暖かくなって楽になった」と喜ぶ声よりも、「冬がこんなに暖かいなんて、なんだかおかしい」と心配する声のほうを多く耳にしたような気がします。この冬には山地に雪がたっぷりと積もらなかったので夏には水不足になるかもしれないと、さっそく懸念されています。

温暖化していることは誰もが感じていることで、この冬はまさにそれを象徴していました。温暖化によって自然災害が激甚化することが予測されて、世界中の人々が心配しています。畑では害虫がなかなか冬眠せず、以前よりも長く活動できるようになっています。

  桜が満開を迎えた3月末、まさかの名残の雪が降って畑は真っ白に染まり、菜の花や桜の花にも雪が積もりました。本当に変な天候です。でも、久しぶりに雪化粧が見られてほっとしました。1年に1回くらいは雪化粧を見ておかないと気分は落ち着かないようです。

この3月には去年の秋に畑に苗を植えて育てたキャベツやサニーレタスを少しだけ収穫できて、2000円セットに入れてみました。3月は出荷できる野菜が少なくなる時期ですので、この時期にキャベツやサニーレタスが新たに収穫できれば助かります。数年前まで冬はもっと寒く、栃木県でキャベツやレタスを露地で冬越しさせるのは難しかったですが、今は冬も温暖化していて、もう少し丁寧に防寒すればうまく冬越しできそうな気がします。気候が温暖化することによって悪いことばかりではなく、少しくらいは得することもあるでしょう。せっかくですから温暖化をうまく利用できる栽培方法も探ってみたいです。

サツマイモは低温に弱い作物で、寒い冬に長期間貯蔵することが難しく、今まで小林農場では冬にはサツマイモを出荷していませんでした。この冬はいろいろと工夫をしてみながら貯蔵穴に埋め、去年の秋から今年の3月まで、良い状態でサツマイモを出荷し続けることができました。サツマイモを無事に貯蔵できたのも、暖冬のおかげだったかもしれません。

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