ネズミと猫と人間 令和2年1月2日
野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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ネズミと猫と人間 令和2年1月2日
新年のごあいさつをもうしあげます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年は子(ネズミ)年となります。ネズミは倉庫などに潜り込んで、保管している穀物などを食い荒らしてしまったりするので、農家にとっては害獣として見られています。
小林農場でも以前はよく、収穫して倉庫に貯蔵していたジャガイモがネズミに食い荒らされていました。ジャガイモを保管するコンテナを隙間なくピッタリと重ねられるものに替えてみた後はネズミもコンテナの中に侵入できなくなって、問題は解決されました。
また、作物の苗を育てている時に、いつの間にかに苗の頭が丸ごとネズミに食べられてしまったこともありました。被害の様子を観察しながら推測してみると、ネズミが活発に活動している場所とそうではない場所があるようでしたので、苗が被害を受けにくい場所を見つけながら、苗の置き場所を移動したりしました。
作物栽培が始まったばかりのかなり古い時代から、世界中の人類がネズミによる食害に悩まされていたようです。そこで、ネズミを捕まえる習性のある猫が人々に飼われるようになりました。今も田舎では、ネズミ対策に猫を飼う人は多いです。
小林農場でも現在は猫を1匹、飼っています。メスの黒猫で、名前はミヤコ。8年前くらいにどこからか農場の敷地にフラフラとやって来たのですが、その頃は生まれたばかりの赤ちゃんのように体が小さく、私が拾って飼うことになりました。
ミヤコの一日は、昼には野外のどこか暖かい場所を見つけて居眠りしながら暮らし、夜には私の住まいに戻って私の寝ている布団に潜り込んで飼い主に身を寄せながら眠りにつきます。なんとものんびりとしている毎日ですが、ネズミを見つけると野生の本能が蘇るようで、目にも止まらぬ素早い動きでネズミを捕らえます。
よくミヤコは捕まえてきたネズミをくわえて、飼い主の私に自慢気味に見せにやって来ていました。ネズミを放し、逃げるネズミをまた捕まえて、それを何度も繰り返してすっかりネズミが疲れて動かなくなってから、ぼりぼりと音をたてながらネズミを丸ごと食べます。残忍にも思える、猫の不思議なネズミの食べ方です。
おとぎ話の中では、ネズミが猫にウソの情報を教えてだましたため、猫は十二支の中に入れなくなってしまい、それで怒った猫はネズミを見ると追い回すようになったとされています。これだけ人に身近な動物であり、特に農家には貢献してきた猫なのに、十二支の中に入れてもらえないとはかわいそうです。ネズミと言えば猫なのだから、「ネズミ年」を「ネコ年」とも呼んであげてもいいような気がします。
飼い猫を野外に放しながら飼う場合は、付近の野良猫との不慮の交尾・出産を避けるために、去勢手術や避妊手術を施しておくのが一般的です。ミヤコにも手術を施しましたが、異性と結ばれて子孫を遺すという動物としての幸せを、ミヤコは味わうことはできません。様々な野良猫が小林農場の敷地内に出没していますが、いろいろな猫と出会いながら、猫と人との関わり方について考えたりします。
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