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2020年8月 3日 (月)

小林農場での自家採種の現状   令和1年12月12日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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小林農場での自家採種の現状   令和1年12月12日

忙月の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  玉ねぎは一般家庭でよく料理に使われる食材なので、できるだけ長く出荷できれば皆さんに喜んでもらえます。6月に収穫された玉ねぎを貯蔵して現在も出荷していますが、いくつかの玉ねぎからは緑色の新芽が出始めてきました。新芽の部分も問題なく食べられるのですが、新芽に養分が吸い取られてしまうので、玉ねぎ全体の品質が低下してゆきます。新芽が出てくるのが遅い玉ねぎが長く貯蔵できて貯蔵性の良い玉ねぎと言えます。

  新芽が出てくるのが遅い玉ねぎを選んで土に埋め戻せば、来年の春には地上に新芽を伸ばして、夏には花を咲かせて種が実り、その種を採ることができます。それらの種を畑に播いて新たに玉ねぎを育てれば、次の年はもっとたくさん貯蔵性の良い玉ねぎが収穫できるかもしれません。親の貯蔵性が良ければ、次の世代もその遺伝子を受け継いで貯蔵性が良くなりやすいです。玉ねぎの種を自家採種する方法について勉強しているところです。

  小林農場では他の作物栽培でもできるだけ自分の畑から自家採種するように心掛けていますが、今まで種を種苗会社から購入することが多く、自家採種の技術がまだ身についていません。夏には種苗会社から購入した人参の種と、自分の畑から自家採種した人参の種をどちらとも播いてみて生育の様子を比較してみましたが、種苗会社の種から育てた人参は良く育ち、自家採種の種から育てた人参は大きくならず、はっきりとその差が見られました。

  去年に自家採種したサヤエンドウの種を播いて育ててみたら病気が発生して、全滅してしまいました。種に病原菌がくっついていて、それが原因で病気が発生したのではないかと推測しています。種苗会社から販売されている種は病原菌が発生しないようにしっかりと消毒してあります。自家採種する場合も、自分でできる病害対策を考えないといけません。

  種苗会社が最先端の技術を駆使して生産している種と、私が片手間で採っている種とでは、比較してみるとやはりその種の品質の差は歴然としています。作物栽培では、まず良質な種を選ぶことが肝心です。現代のプロの専業農家は農場経営を安定させるために、自分で種を採る手間を省いて種苗会社から優秀な品種の種を購入するのが当たり前です。でも私は、農家が自家採種の技術をこのまま忘れてしまうのは危険なことだと感じています。

  専業農家として安定的に生計を成り立たせてゆくには、しばらくは種苗会社から優良な品種の種を購入して栽培してゆくのが無難です。その傍ら、少しずつ種を自分でも採ってゆき、自家採種した種から育てた品種と種苗会社から購入した種から育てた品種の成績を比較しながら、長い年月をかけて自家採種の種から優良な品種を育成してゆきたいと思います。それぞれの作物の種を採れる機会は年に1回のみ。私が自分で良質な種をたくさん採れる技術を身に付けるまであと10年くらいかかると思いますが、気長にがんばります。

  今年は自家採種の種から育てたニンニクの生育がとても良く、種苗会社の種から育てたニンニクと比べてみても遜色ありませんでした。自家採種している大麦や小麦はいつも良く生育していますので、これらの種はわざわざ購入する必要はないと思っています。

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