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2020年6月15日 (月)

物語の力       令和1年10月24日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、数か月前の過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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物語の力       令和1年10月24日

幕秋の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  畑仕事の合間に図書館から借りてきたマンガを読むのが、私のささやかな楽しみです。マンガは他のどの国よりも日本で発展し、日本に暮らしていればマンガの名作にたくさん出会えます。マンガ好きの私は、日本に生まれきて良かったと思わずにはいられません。

  学校で教わる歴史の授業では年号や人名や地名など暗記しなくてはいけないことがたくさんありすぎて、歴史が嫌いになってしまう人も多いです。歴史が好きな人は「カムイ伝」や「ベルサイユのばら」などの歴史を題材にしたマンガを読んでいる場合が多く、「暗記」からではなく「物語」から歴史に触れ、歴史を人間ドラマとして楽しんでいます。

  「農」や「食」を題材にしたマンガには、何があるかでしょうか。最近では「銀の匙」や「もやしもん」などが読まれているようですが、少し前には「夏子の酒」などもよく読まれていました。料理の奥深さを描いたグルメマンガも多く、「美味しんぼ」などが有名です。

マンガ以外では宮沢賢治の小説や映画の「となりのトトロ」やTV番組の「ザ!鉄腕!DASH!!」などで田舎の豊かな暮らしがを伝えられています。これらは農業や食や田舎暮らしを単なる情報としてではなく物語として人々に伝え、そしてこれらの物語に感動して実際に田舎に移り住んで農業を始める若者達も現れました。これが物語の力というものです。

  農家が多くの人々に農業を伝えるのに、農場での出来事を物語にして語ってゆければよいです。人々の頭に向けて情報を届けるのではなく、人々の心に物語を届けるのです。

  マンガでは登場人物の魅力が重要で、キャラクターの魅力的な個性を際立たせながら描いてゆくことを「キャラを立たせる」と言います。農場での主役は、作物です。それぞれの作物のキャラを立たせながら作物が生育してゆく様子を物語にして皆さんにお伝えしてゆけるように、それぞれの作物をしっかりと観察し、その個性を把握したいと思います。

  マンガの魅力的な登場人物には読者も感情移入しやすく、登場人物といっしょに笑ったり泣いたりできます。作物と人間は全く違う生き物なので、作物は何を思っているのかよく分からず作物には感情移入しにくそうですが、どの作物も種を産み出すことを目的としていることは明らかで、子孫の繁栄を必死に願う作物の姿には私達も共感できます。作物の共感できる部分を見つけて作物を魅力的に擬人化できれば、おもしろい物語が描けます。

  巧みな画力で描かれる登場人物の表情や仕草から、登場人物の言葉にはしにくい心象をもマンガ独特の技法によって表現されてゆきます。言葉を発っしない作物の気持ちはマンガ的な絵で表現してゆくのが有効かもしれないので、自分で絵を描く癖をつけたいです。

  日本では800年以上も前から絵巻が作られて、浮世絵なども多く描かれていて、この国でマンガやアニメが発達する素地はすでにずっと前から築かれていました。人間は衣食住が足りているだけでは満足できないようで、大昔から自分達のまわりの世界を芸術や物語にして表現することによって心を満たしてきました。人間が生きてゆく上で芸術や物語は衣食住と同じくらいに必要不可欠なものなのではないかと思いたくなるときもあります。

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