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2020年4月 4日 (土)

販売先ならば、ある     令和1年9月26日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、数か月前の過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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販売先ならば、ある     令和1年9月26日

秋色の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  私が農家として独立した当時、私にはあまり貯金も収入もなかったので、父と母から経済的に支援してもらいながら小林農場を設立いたしました。農場は順調に販売先を拡大して収入を増やしてゆき、経済的にも私は専業農家として独立できるようになりました。

  去年から農場の生産量が落ちてゆき収入が減って経営が赤字となり、貯金が減ってゆきました。出費を抑えながら経営を黒字に戻そうとしましたが、残念ながらここまで赤字が続いてしまっています。このままではいずれ、農場の貯金は底をついてしまいます。

  地元の学校給食に野菜を出荷している生産者団体に私も入れていただいていますが、学校給食では特にジャガイモの需要は高く、数年前までは小林農場からもたくさんのジャガイモを出荷させていただきました。しかし最近は3年連続でジャガイモが不作となり、学校給食に出荷する回数が減り、地元の学校との縁がすっかり遠のいてしまいました。

玉ねぎも学校給食で需要が高いので、来年は玉ねぎをたくさん出荷してみようと思います。9月には来年収穫される玉ねぎの種を播きましたが、いつもよりも多く種を播きました。ジャガイモ栽培も改善して、再びジャガイモをたくさん出荷できるようにしたいです。

  地元の直売所は店内の野菜がすぐに売り切れてしまうので、地元の農家にもっと野菜を出荷してほしいと呼びかけています。小林農場の収入が減っているのは収量が減っているからであり、販売先が見つからないからではありません。販売先ならば、あります。

しっかりと野菜栽培を改善して収量を増やせば、農場の経営も黒字に戻るでしょう。全ての作物の収量を上げてゆくのは難しいですが、ジャガイモや玉ねぎなど、たくさん出荷できる見込みのある作物の栽培に特に力を集中させれば効率良く収入を増やせるでしょう。

先日、知り合いの農家の方が結成した生産者団体が、お得意の出荷先より大量のほうれん草の注文を受けたようで、小林農場もほうれん草をたくさん出荷してみないかと声をかけてくださいました。それにしてもものすごい量の注文量で、これだけの量のほうれん草を栽培して出荷するには、かなり広い栽培面積とかなりの労働時間が必要となります。

はたして私の実力でこの注文量に対応してゆけるのかどうか。簡単に注文を引き受けてしまって、もしもほうれん草が不作でお約束通りに出荷することができなくなったりすれば出荷先の信頼を損ねてしまい、生産者団体の皆さんにもご迷惑をおかけすることになります。この話をいただいた時は思わずためらいましたが、農場の収入を増やさなくてはいけない時期ですので、ありがたく今回のほうれん草の出荷に参加させていただくことにいたしました。十月には広い畑の隅から隅まで、ほうれん草の種を大量に播いてゆく予定です。

  農業で生計を成り立たせてゆけるだけの収入を得るには、無理をしなくてはいけない時もあります。野菜セットは、その時の自分の畑の状況に合わせながら出荷できますので、無理をすることなく楽しく出荷できます。野菜セットを定期購入してくださるご家庭を増やすことができれば、無理なく楽しく農業で生計を成り立たせてゆけるようになります。

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