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2020年3月17日 (火)

「畑の土」ができるまでの長い道のり    令和1年8月29日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、数か月前の過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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「畑の土」ができるまでの長い道のり    令和1年8月29日

晩暑の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  先日、地元の市貝町にて畑の土作りについての見学会・勉強会が行われて、私も参加させてもらいました。まず、数件の農家の方の畑を見学させていただき、実際にスコップで土を掘り返してみたりしてその土の状態を確認して、いろいろと意見が交わされました。

  見学した畑は中山間地に位置していて、土の色は赤くて、一目見ただけでも土が粘土質で固いことが分かりました。小林農場の畑の土とそっくりだと思いました。

  参加者からは、「このような固い土で野菜を栽培するのは大変でしょう」とその畑を管理されている農家をねぎらう声や、「このような固い土ならば、野菜を育てるよりも果樹を植えて果物を育てるとよい」という意見なども出されましたが、それらの意見はまるで小林農場の畑に対しても向けられているように聞こえました。「ここは山の土であって、まだ畑の土にはなっていない」という意見を聞きながら、私の畑も「山の土」なのだと思いました。

  「畑の土」では土が柔らかくてよくほぐれて、農家は畑仕事がやりやすくて、作物も根を伸ばしやすいです。雨がたくさん降っても排水が良く、逆に雨が全く降らなくても土中の水分を逃さずに保水して、スポンジのように常に水分が適量に保たれています。

  いっぽう「山の土」の小林農場の畑は粘土のようで、雨が降るとグチャグチャに練られ、乾くとカチカチに固まり、土がほぐれにくいです。梅雨が明けてから1か月間ほどはほとんど雨が降らずに土が乾いて固まり、トラクターで耕そうとしても固すぎて刃がはね返されてしまい、先週、久しぶりに雨が降って土が潤うまでは耕せませんでした。小林農場の畑は中山間地を新たに開墾して作られ、畑としての歴史が浅く、「畑の土」になっていません。

  小林農場での「土作り」とは、「山の土」を「畑の土」へ、「固い粘土」を「柔らかなスポンジ」へ変えてゆくことを意味します。堆肥を散布するのが基本的な土を作るやり方で、とりあえず空いている畑に堆肥を散布してきましたが、それで土が柔らかくなる時もありますが、また固くなったりもしました。小林農場の広い畑の全てに堆肥を散布してゆくのも大変です。まだ小林農場では、これでいいと思えるような土作り方法が確立されていません。

今回の勉強会では、家畜の飼料として栽培される牧草を土作りに利用してゆくやり方を学びました。牧草は固い山の土でも背丈を伸ばして旺盛に生育し、その根も地中深くまで伸びて固い土をほぐします。茎葉が枯れた後に土の中に鋤きこめば、さらに土がほぐれます。

  私も何度か畑に牧草の種を播いて生やしてみたことがありますが、その後の土は固いままの場合が多かったです。たった1年や2年くらい牧草を生やしているだけでは意味がないようです。土作りには長い年月を費やす必要があり、今回の勉強会でも最低5年間は牧草を生やし続けて、その間は作物を栽培しないで土作りに専念するように教わりました。  

私も試しに、畑の1部を長い年月をかけて牧草で土作りをしてみたいと思います。「山の土」が「畑の土」に生まれ変わる頃には、私の年齢も40代から50代へと変わっているでしょう。土が生まれ変わるには年月がかかるものなのだと、腹を据えたいと思います。

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