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2019年12月22日 (日)

グローバル化する種子をめぐる攻防  平成30年11月22日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、数か月前の過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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グローバル化する種子をめぐる攻防  平成30年11月22日

吹く風に冬の到来を感じるこの頃です。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  誰もが皆、生きてゆくには絶対に食料が必要で、その食料は種子から生産されます。「世界中の種子を支配できれば世界を支配できる」とも言われ、今、種子をめぐって世界の情勢が静かに揺れています。そのような内容の講演会が行われたので、私も勉強してみました。

  海外では国境を越えて種子を生産している巨大な多国籍種苗会社が勢力を強めているようです。それらについての悪い噂が日本にもたくさん飛び込んできています。

  ある多国籍種苗会社は世界中を探索して、有益な遺伝子を含んでいる種子を見つける度にその種子の特許を取得し、自分たちの所有物にしてしまっているようです。もともとはその土地の農家によって代々、大事に採り続けられてきた品種の種なのに、後からやって来た多国籍種苗会社はその土地の農家にその品種の種を自由に使用することを禁じ、それに従わない農家に対しては訴訟を起こして法的にねじふせてきました。世界中の農家に自分達が開発した種子を無理矢理に購入させて支配してゆこうとしているようです。

  現在、日本政府は世界の国々と「自由貿易」ができるように準備し、国境を越えて物や人が出入りしやすい環境を整えています。そうなると、おそらく多国籍種苗会社も日本国内に進出しやすくなるでしょう。日本の農業関係者はそれに対して警戒を強めています。

「自由貿易を推進させれば世界の人々が交流できる機会が増えて、世界中が仲良くなれる」と考えている人が多いようですが、私は逆だと思います。多国籍企業を中心とした弱肉強食型の競争が世界中に広まり、世界の人々は対立を深めてゆくのではないでしょうか。

  日本国内では「種苗法」が強化されました。今までは農家は自分が気に入った品種から自分で種を採ることをわりと自由にできましたが、今後は種苗会社の開発した品種から農家が種を採ることが規制されることになります。農家が自分で種採りすると種苗会社から種を購入しなくなりますので、そんな種苗会社側の懸念に寄り添う形で法が修正されました。この修正によって、さらに多国籍種苗会社が日本で活動しやすくなるかもしれません。

  小林農場のように自分で種を採ることに力を入れてゆきたい農家にとっては困った話です。ただ、種苗法の対象は主に一般に流通されている品種の種です。私は仲間の農家からおもしろそうな品種の種を分けてもらうこともありますが、このように一般流通から外れた場で入手した品種からならば、問題なく自由に種を採ることができます。一般流通から外れた所に多国籍種苗会社の影響が及びにくい場がまだ残されています。

  農家を支配するために農家が自分で種を採ることを規制しようとする多国籍種苗会社。多国籍種苗会社に支配されぬように自分で種を採ることを維持しようとする農家。食の根源である種子をめぐる攻防が今、目の離せぬ状況になりつつあります。

  農家が自分で種を採ってゆくことを応援しながら、自家採種がしやすい品種の種を生産している良心的な種苗会社も稀にあります。種苗会社は命の根源である種子を扱う誇りの高い仕事を担っています。その種子をつまらない金儲けの道具にしないでほしいいです。

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