農業は原発とは共存できない 平成31年3月7日
野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、数か月前の過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。
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農業は原発とは共存できない 平成31年3月7日
東日本大震災から8年が経とうとしています。皆さま、いかがおすごしでしょうか。
8年前、東日本大震災によって、福島第一原発が事故を起こして有害な放射性物質が大量に東北・関東地方に飛散されました。農作物からも放射性物質が検出されて売れなくなり、農家は苦しみました。多くの農家は、全ての原発をなくしてゆくことを強く望んでいます。
自然災害の多い日本列島では、原発が災害で事故を起こして放射能汚染が生じる危険があります。そのことを8年前に思い知ったはずなのに、日本政府は「原発がなければ国民に電力を安定的に供給できなくなる」と説明して、今後も原発を稼働してゆく方針です。
福島第一原発事故以来、東日本では原発の稼働は停止しています。それでも電力の供給は十分に足りています。私達の日常生活に原発は必要ないことがすでに証明されています。
「原発は発電時に温暖化効果ガスの排出量が少ないので、地球温暖化対策に有効」と政府は言います。しかし、原発が事故を起こせば放射能汚染という究極の環境破壊が生じます。さらに発電後には有害な放射性廃棄物も蓄積され続けてゆきます。地球環境問題を真剣に考えている人ならば、「温暖化対策のために原発を稼働しよう」とは思わないでしょう。
政府が原発を稼働させたい真の理由は、「原発利権」を保持していたいからだと私は思っています。原発のような大きな施設の周辺では大きなお金も動きますので、利権が生じやすいです。その利権から政府は大きな恩恵を受けていると考えられています。
よって原発廃止を実現できるかどうかは技術の問題ではなく、政治の問題だと思います。「原発利権」を投げ捨てて原発廃止を真剣に実行してくれる国会議員が増えれば、日本の政治は原発廃止に向けて舵を切ることでしょう。今年の夏には参議院選挙が行われます。私も原発廃止を目指している立候補者や政党に1票を投じたいと思います。
原発事故を起こした東京電力は、今でも他の原発を再稼働させようとしていますが、私には理解できません。新たに原発を再稼働することに労力を費やすのなら、それよりも先に、東日本全体に飛散してしまった放射性物質を回収して処理することに全ての労力を費やすべきでしょう。私が暮らしている地域では今でもキノコや山菜や獣肉から基準を超える放射性物質が検出されて、出荷制限の対象になっています。これらを安心して食べられるように山林を完璧に除染するべきなのに、「それは無理だ」とほったらかしにされたままです。
数年前に電力自由化が始まり、東京電力以外の電気会社から電力を購入することができるようになりましたので、私はすぐに東京電力から電力を購入することをやめました。電力自由化について私もまだまだ勉強不足ですが、もし原発に頼らない発電方法で生産された電力を供給してゆくことに力を注いでいる電力会社があれば、応援したいと思います。
私のような一般人には原発政策をすぐに止められるような巨大な権力はありません。原発廃止のために私にできることは「選挙で投票する」「電力会社を選択する」などといったことしかありません。本当に微力なのですが、数十万人、数千万人の日本人が同じようにその「微力」を着実に行使すれば、この社会から原発がなくなってゆくのでしょう。
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