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2019年6月29日 (土)

冬野菜の長期貯蔵を振り返って   平成31年2月28日

野菜セットには、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、数か月前の過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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冬野菜の長期貯蔵を振り返って   平成31年228

木々の芽もすっかり春支度をととのえたようです。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  霜の降りる日も減ってゆき、今年の春は早くやって来そうな感じの今日この頃です。カボチャや白菜などの冬野菜の出荷が終了いたします。これらは冬の低温の中では安定して貯蔵できるのですが、3月に入る頃には気温が上昇してきて、貯蔵が効かなくなります。

  白菜は前年の秋に畑より全部収穫して、倉庫に移して並べてまとめて置き、長期間貯蔵します。冬には倉庫の中も氷点下まで気温が下がりますので、貯蔵している白菜が凍ってしまわぬように布団をかぶせて防寒します。ところが長く布団をかぶせていると白菜は蒸れてしまって傷みやすく、貯蔵に失敗して大量に廃棄しなくてはいけないこともありました。

  そこで収穫して倉庫に移した白菜を一つ一つ新聞紙で丁寧に包んでから並べるようにしてみました。すると、ほとんどの白菜が良い貯蔵状態で冬を越せるようになり、貯蔵環境がずいぶん改善されました。収穫された数百個の白菜を全部、新聞紙に包んでゆく作業には手間がかかりますが、この手間はかける価値のある手間だと思っています。

  新聞紙は、水分が多い環境では吸水し、逆に乾燥しすぎている環境では保湿してくれます。野菜のまわりの湿度を常に適度に保ってくれる不思議な力を秘めている新聞紙は、私にとっての「魔法の紙」です。すっかり新聞紙を気に入ったので、他の野菜の鮮度維持にも多用しています。ちなみに、皆さんのお宅に野菜セットを配達する時に、皆さんからたくさんの古新聞をいただいてまいりました。改めて感謝をもうしあげます。皆さんも、冷蔵庫の中で保存している野菜を新聞紙で包んでおくと、鮮度をさらに長く維持できるかと思います。

サツマイモはジャガイモやサトイモなどと比べると寒さに極端に弱く、冬に貯蔵するのが難しい野菜です。小林農場では秋のうちにサツマイモの出荷を終えていましたが、冬も無事にサツマイモを貯蔵して出荷している農家も多いので、小林農場でもサツマイモの長期貯蔵に挑戦してみました。サツマイモは収穫されてから時間が経つとますます甘くなってゆくので、収穫されたばかりの秋より冬のほうが甘いイモを楽しめます。

ビニールハウスの中に深い溝を掘って、そこに収穫したサツマイモを入れて、その上にはたっぷりとワラと布団をかぶせて防寒してみました。年を越してもイモは無事に貯蔵されていたのですが、2月に入る頃には全部、傷んでしまっていました。私の自己流の貯蔵方法ではダメなようなので、他の農家からちゃんと教わりたいと思います。

  去年の秋に収穫時期を迎えて、土をたっぷりとかぶせて防寒しながら出荷してきた大根やカブも、暖かくなるにつれて保存が効かなくなり、間もなく出荷が終了いたします。この2月には新たに大根やカブの種を播き、すっかり春めいた頃に収穫を迎えるでしょう。

  寒くて作物の生育が止まって長期間貯蔵できる冬は出荷をのんびりとできますが、暖かな春では作物は収穫時期を迎えた後もどんどん生育が進んでしまい、早く収穫・出荷しないと老化してしまいます。でもその頃には、寒さで縮こまっていた私の体も暖かくなって動きやすくなるので、急ぎ足の作物たちとまた賑やかに付き合ってまいりたいと思います。

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