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2019年5月 4日 (土)

身近なイノシシ  平成31年1月3日

野菜セットでは、野菜といっしょに「農場通信」もお配りして、野菜栽培の様子や農場の考え方などをお伝えしてしております。このブログでは、数か月前の過去の農場通信を公開してまいりたいと思います。

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身近なイノシシ   平成31年1月3日

新年のごあいさつを申し上げます。皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

  今年は亥年ですが、山林から里山に下りてきては田畑を荒らしてしまう現在のイノシシは、害獣として農家に嫌われています。手間をかけてようやく収穫直前まで育て上げた作物がイノシシに食べられてしまったという農家たちの悲痛な悲鳴が全国できかれています。

  小林農場の地元の栃木県市貝町も例外ではありません。小林農場では数年前の夏に少しだけトウモロコシを育ててみたことがありましたが、ある日、背を高く伸ばしていたはずのトウモロコシが地べたに横倒しにされていて、膨らみ始めて収穫期を迎えようとしていた実は食いちぎられて地面に散乱していました。直感的にイノシシの仕業だと思いました。

  その日、畑で仕事をしているとき、「今後もイノシシは畑にやってくるのだろうか・・・」と思いながらなんとなく後ろを振り向いてみると、私のすぐ後ろにイノシシが3頭、じっと立っていました。お互いにそのまま10秒ほど、声もたてずに見つめ合っていましたが、イノシシたちのほうから踵を返して、畑に隣接している雑木林へ走り去ってゆきました。

  ある日の昼、私が住まいの敷地で洗濯物を干しているとき、すぐお隣の牧草地の端から端へ、1匹のイノシシが疾走している姿が見えました。その後ろのほうからは「バーン!」という銃声が響きわたり、猟銃を手にした猟師の人達がイノシシの後から牧草地に入ってきました。私が暮らしている住まいのこんな近くで狩猟が行われているのかと、驚きました。

数分後に猟師さん達が運転する軽トラックが住まいの前を通り過ぎてゆきましたが、その荷台には、血まみれになったイノシシが横たわっていました。狩猟が完遂されたのでしょう。

  ある日の夜には、私が軽トラックを山道で運転しているとき、突然、道路脇の草むらからイノシシが飛び出してきて、車と衝突。私も急ブレーキをかけて寸前のところで減速したので、イノシシも車体も損傷はなく、イノシシは慌ててまた道路脇の草むらへ戻りました。

  こんな経験をしてきているので、今では私も、イノシシとばったり遭遇しても、いちいち驚かなくなりました。これだけ身近にイノシシが生息しているにも関わらず、小林農場では少しトウモロコシがいたずらされたぐらいで、奇跡的にイノシシによる大きな被害を今まで受けておりません。でも、いつ被害を受けてもおかしくはなく、戦々恐々としています。

  通常、イノシシは人を恐れ、人の気配がする場所には近づきません。昔の農村のまわりの雑木林は、人々が薪をとったりするなどして管理していたため、イノシシは警戒して雑木林に近づかず、山奥で暮らしていました。今は薪をとることもなくなったので人々が雑木林を管理しなくなり、イノシシは農村のすぐ近くの雑木林まで移動してきました。

さらに農村では農家の数が減ってゆき、誰も管理しなくなって背の高い草に覆われてしまった耕作放棄地が増えて、イノシシが身を隠しながら農村の中に潜入しやすくなりました。そして、農村の田畑に行けばおいしい農産物を食べられることを学んでしまいました。

イノシシの動向は、農村の人々の暮らしの変化と連動しています。自分たちの暮らし方を見直しながら地域ぐるみで住民がいっしょになって対策してゆくことが求められます。

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