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2019年2月10日 (日)

秋は防虫の季節    平成30年10月11日

 

秋は防虫の季節    平成301011

 

秋の夜長、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

 

  ナス、ピーマン、トマト、キュウリなどの夏野菜の収穫が間もなく終了します。代わって大根、カブ、小松菜などのいろんな葉物野菜を出荷する予定でしたが、これらの作物は害虫に食べられて全滅し、しばらく出荷できません。この秋は出荷できる野菜が少なくなります。大根やカブなどの根菜類や、小松菜やチンゲンサイやキャベツなどのほとんどの葉物野菜はアブラナ科に分類されていますが、アブラナ科の植物を好む虫がたくさんいます。

 

  年が経つにつれて害虫の種類が違ってきます。現在この地域で猛威をふるっているのは、ダイコンハムシという、人の指の爪の先ほどの小さな甲虫です。この虫が畑に大発生すると、大根やカブの葉は集中砲火を浴びたように穴だらけにされて、消えてなくなります。

 

  畑の全てで大発生するわけではないようで、大発生しない畑もあります。ダイコンハムシの被害が酷かった畑とは違う畑に改めて大根やカブの種を播きましたが、どうやら害虫の被害を受けずに生育してくれているので、冬に入る頃からこれらを出荷できそうです。

 

  種を播く時期によっても違ってきます。まだ気温が高い9月には害虫が活発に動いているので、さらに涼しくなる10月を待ってから葉物野菜の種を畑に播いてゆきました。ただ、去年は10月中旬以降に種まきした葉物野菜は、大きく育つ前に気候が寒くなってしまい、生育が停滞してまともに収穫できませんでした。今年は10月上旬のうちに種播きをすまえておくように心掛けています。害虫の被害を受けなければ、年内に収穫開始です。

 

  また、水菜やターサイなどの葉物野菜の種をポットに播いて、育苗ハウスの中で苗を育ててみました。ハウスの中では常に防虫用のネットを苗の上にかぶせているので、ある程度は害虫を防げます。畑から害虫が少なくなる10月に苗を畑に植えてゆく予定です。

 

  全ての作物が害虫の被害を受けるわけではありません。アブラナ科ではなくアカザ科に属しているほうれん草は虫に食べられにくい作物です。ほうれん草は気温が低い時期に生育する作物なのですが、今年は高い気温でも生育できるように改良されたほうれん草の品種を導入して、8月から種を播いてみました。順調に育てば今頃から収穫できるのですが、今年は残念ながらうまく育ちませんでした。今後もいろんな品種を試しに育てて、小林農場の畑で8月、9月にも生育できるほうれん草の品種を探し当ててゆきたいと思います。

 

ここ数年、畑に植えたばかりの苗がネキリムシによって茎を切り倒されてしまう被害に苦しめられてきました。ネキリムシは草に卵を産んで繁殖するので、今年は何度もトラクターで畑を耕して草を生やさないようにしてみました。そのおかげか、今年はネキリムシによる被害は減ったように思います。ただ、何度も耕しすぎたためでしょうか、強い雨が降る度に畑の表土が雨水に流されて流失していっているように見えるのが気になりました。

 

農薬を散布すれば害虫を防げるかもしれませんが、他の生き物も死んでしまい、畑の豊かな生態系が崩れます。また、害虫もすぐに農薬に慣れて耐性を身につけるので、いずれは今まで使用していた農薬も効かなくなります。防虫は農家にとっての永遠の課題です。

 

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