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2018年11月18日 (日)

それぞれの生き残り戦略    平成30年8月2日

それぞれの生き残り戦略    平成3082

花火の音が聞こえる季節となりました。皆さま、いかがおすごしでしょうか。

動物の場合は雄と雌がはっきりと分かれていますが、植物はたいてい、同じ株に雄花と雌花を咲かせます。雄花で作られた花粉が雌花に受け渡されて受粉して、果実ができて、種が生み出されます。夏に採れる野菜の多くは、その作物の果実の部分を収穫して食べます。

トマトもピーマンも果実の部分で、料理する時に包丁で切れば、はっきりと種の姿を見ることができます。トウモロコシも果実の部分が出荷され、黄色の粒々の種を食べます。余談ですが、トウモロコシは虫に食べられやすくて無農薬栽培で育てるのが難しい作物ですが、人気のある野菜なので、小林農場でも8月、9月に出荷できるよう、がんばってみます。

ナスなどの花の場合は両性で、一つの花に雄しべと雌しべがあり、その花の中で受粉が行われます。1本の長い雌しべの周りを数本の短い雄しべが取り囲み、風でも吹いて花が揺れれば雄しべからこぼれた花粉がすぐに雌しべにくっつくようになっています。

いっぽう、キュウリなどの花の場合は、花粉を作り出す雄花と、その花粉を受け取って種を生み出す雌花の2種類に分かれています。1本のキュウリの株から複数の雄花も雌花も咲きますが、おもしろいことに、同じ株で咲いている雄花と雌花の間では受粉は行われず、雄花から飛び出した花粉は別の株で咲いている雌株に渡されたときに、受粉が行われます。

よってキュウリの場合は、少し離れた場所まで花粉を運んでくれる虫の存在が必要となります。花の蜜を吸いにやってくるハチがその役割を果たしてくれます。ハチの体にくっついた花粉は、ハチが花から花へと飛び回る間に、他の株の花へ渡されてゆきます。

なぜキュウリは同じ株の雄花と雌花の間では受粉しようとしないのか?同じような遺伝子を持っている者同士で受粉をすると、子孫が繁栄してゆくのに都合が悪いと判断したからだと思います。人間社会でも、同じ親から生まれて血縁が近すぎる兄と妹、または姉と弟などの男女が結婚して子供を作るということは滅多にありませんが、それと似ています。

同じ株で受粉を行うナスのような植物と、違う株の間で受粉を行うキュウリのような植物。前者は自分の長所を有した遺伝子を維持しながら子孫に遺そうとし、後者は多様な遺伝子を取り入れながら子孫が環境の変化に合わせて柔軟に変化してゆけるようにします。それぞれの受粉方法の違いに、それぞれの作物の戦略、または生き様の違いが見られます。

専門用語でナスなどの受粉を「自家受粉」と呼び、キュウリなどの受粉を「他家受粉」と呼びます。種を店から購入して作物を栽培する場合はこの知識はあまり必要ありませんが、作物から自分で種を採る場合は、自家受粉と他家受粉では種を採る方法が違ってきます。

種を採る場合は、同じ品種のものの間で受粉させることが基本です。違う品種の間で受粉をしてしまうと、いろんな遺伝子が無作為に混じってしまい良質な種が採りにくいです。 よって、積極的にいろんな遺伝子を取り組もうとする他家受粉の作物の種を採る場合は、他の品種の作物をその周りで栽培しないようにするなどの注意が必要です。いろいろと自家採種について学んでいる最中ですが、それは作物の生き様に触れることにもなります。

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