噛みしめたくなる野菜 平成30年8月16日
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噛みしめたくなる野菜 平成30年8月16日
秋暑の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
トマトは真っ赤に熟してから収穫したほうが実は甘いのですが、赤くなるまで待っていたら先に害虫に食べられてしまうので、実が少し青いうちから収穫する場合もあります。どの程度赤ければ実はおいしく食べられるのかは、実際に食べてみないと分かりません。
栽培方法や収穫時期によってトマトの味がどう変わるのかを確認するため、収穫しながらいくつかのトマトを食べ比べて味見しています。最近は曇天が続き、収穫されるトマトの味が薄くなってきているように感じます。トマトを炒めたり煮たりすると甘味や酸味が濃縮されておいしくなるので、今は他の野菜と合わせて火を通して食べるのがお勧めです。
トマトを自分の舌で試食することは大事な作業ですが、おいしそうに赤く熟したトマトを目にしているとついつい必要以上に試食しすぎてしまい、収穫作業を終えた頃にはお腹が膨れて体が重くなり、ついでに頭も働かなくなって、その後の仕事が冴えなくなります。
「腹八分」という言葉がありますが、食べ物は腹いっぱいに食べるよりも少し物足りないくらいの量、「八分」に留めておいた方が健康に良いらしいです。適度に空腹を感じている状態のほうが人間の心身は冴えるらしく、私自身の経験からもその通りだなと思います。
「空腹は最高の調味料」という言葉がありますが、空腹の状態ならどんな食事もおいしく感じられます。おいしく食事をしたいなら間食を控え、食事前に空腹にしておきたいです。
そうは言っても、これだけおいしいものが世に溢れていれば、「食べすぎるな」と言われてもついつい食べすぎてしまいます。おいしい食べ物がたくさん入手しやすくなった現代の日本では、食べすぎて栄養過多になり、糖尿病などの病気に罹る人が増加しています。
それで食事の量を制限したりするのですが、食べたいのに食べるのを我慢していれば心にストレスを溜め込んでしまい、その我慢が限界に達すると、何かの拍子で暴食暴飲をやらかしてしまいます。我慢するくらいなら食べたいものを食べたいだけ食べたほうが良いと思います。我慢しなくても無理なく「腹八分」を達成できる心の持ち方を考えてみました。
夏の間はトマトやキュウリなどそのまま生食できる野菜が売り切れないほどたくさん採れるので、私もついついそれらの野菜を収穫しながらたくさんつまみ食いしてしまいます。でも、秋に入ればこれらの野菜もわずかにしか採れなくなり、夏の頃のように無駄につまみ食いをしようとする気が起きなくなり、一つ一つを大事に食べようとします。
貴重な食材は、噛みしめながら大事に味わいたくなるものです。「食事をする時はよく噛んでゆっくりと食べると良い」と言われますが、それは消化が良くなるだけでなく、よく噛むことによって満腹感を得られやすくなり、たくさん食べなくても満足できるからです。
手元に食材がたっぷりとあると、「食べきらないともったいない」と思ってがんばって食べきろうとしてしまいます。小林農場の野菜セットには、皆さんが食べきりやすい量の野菜を詰めるように心掛けています。たっぷりと野菜を詰め込むよりも、「大事に噛みしめたい」と皆さんに思っていただけるような野菜をお届けしてゆくことを心掛けています。
追記 野菜セットに入れている野菜の量は多くなりすぎないように気をつけていますが、少なくなりすぎないようにも気をつけています。「野菜セットに入っている野菜の量では少なすぎるので、この野菜をもう少し増やして届けてほしい」というご要望があれば、個別に対応させていただきます。ご相談ください。
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