猛暑の中での食と住 平成30年7月19日
猛暑の中での食と住 平成30年7月19日
酷暑の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
昔と比べて日本の夏は暑くなっていると、多くの人々が感じています。最近は「猛暑」も人の命を奪いかねない自然災害だと認識されつつあり、実際に猛暑の年には千人以上の方々が熱中症で亡くなっています。この夏も多くの市町村が猛暑の被災地と化しています。
昔から夏の暑さをしのぐのにご先祖様達も試行錯誤してきたようです。土用の丑の日には「う」のつく食べ物を食べると夏バテしにくいといって、「う」なぎや「う」めぼしがよく食べられていました。現代の栄養学でもそれらは夏バテ防止に良いとされています。
夏バテして食欲が落ちる時は、のどごしが良くて食べやすい「う」どんが良いです。小林農場の小麦から作ったうどんはとても細いので、ひやむぎのようにして食べられます。
キュウリやスイカなどの「う」り類の野菜も水分が多くて体を潤してくれる食材です。毎年夏にはキュウリをたくさん出荷してきましたが、この夏は試しに少しだけスイカも栽培しています。うまく育ってたくさん収穫できれば、皆さんにもお届けいたします。
暑い夏にはこまめに水分を補給することが大事ですが、あまりガブガブと飲みすぎてしまうと却ってバテやすくなるようです。トマトにはたくさん水分が含まれているので、私もついつい畑から採ってきたトマトをつまみ食いしすぎてしまい、お腹が水膨れして調子を悪くしてしまいます。トマトは生で食べるだけでなく、他の食材と合わせて煮込んで食べてもおいしいです。熱を通すことによって、腹を冷やしすぎてしまうこともなくなります。
多くの夏野菜には人の体を冷やしてくれる効用があります。旬に採れる野菜を食べることにはちゃんと意味があります。夏の作物は自分自身の体も冷やす力があるのでしょうか、どんなに猛暑になってもしおれてしまわず、たくましく花を咲かせて実を実らせます。
現代はエアコンが必需品となっていますが、エアコンで冷やされた室内と室外の温度の差があまりに大きすぎて体の調子が狂ってしまい、さらに夏バテしてしまうこともあるようです。私の住まいにはエアコンがありません。窓から入って来る風だけで、暑さをしのげます。夜も暑くて寝苦しくなることがなく、布団に横たわるとすぐに熟睡できています。
私の住まいの周りは畑に囲まれていて、あまりアスファルトで舗装されていません。アスファルトの地面と違って土は温度の上昇を抑えてくれるようです。土からは草が盛んに生えてきて何度も草刈りをしなくてはいけませんが、そんな土が私を猛暑から守ってくれているようです。猛暑でもエアコンを必要としないこの生活を、とても贅沢に感じています。
日本の夏が昔よりも暑く感じられるようになったのは、土からアスファルトに変わり、ビルが乱立して風通しを悪くなり、あちらこちらで都市化されたことが原因の一つとされています。アスファルトより土を増やしてゆくのが効果的な防暑対策かもしれません。
畑の土ではいつもどおりに雑草が繁茂していて、夏バテしてしおれることはなさそうです。畑の夏野菜もいつもどおりに元気に育っていますし、暑い、暑いと嘆いているのは人間たちだけかもしれません。強烈な日差しが降る中、土の広がる畑で育つ植物が逞しいです。