端境期はなくせる 平成30年5月3日
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端境期はなくせる 平成30年5月3日
晩春の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
季節の変わり目で収穫できる野菜が少なくなる時期を「端境期(はざかいき)」と呼び、一年で最も少なくなる端境期が冬から春へと移り変わる頃の三月と四月です。特に今年の三月、四月は厳しい冬の寒さをうまく越せなかった作物が多く、本当に旬野菜詰め合わせに入れられる野菜がなくなるのではないかと思っていました。でもフタを開けてみたらけっこう出荷できて、三月と四月も詰め合わせは充実した内容だったかと思います。
二月から四月にかけて、毎週一回ずつ、春野菜を少しずつ小分けして種まきしてきました。 通常は早く種が播かれた作物から順番に収穫時期を迎えてゆきますが、ときどき後に種まきされた作物が前に種まきされた作物を追い越して生育し先に収穫時期を迎えることもあります。種まきされた時の気候条件によって、作物の生育速度も変わるようです。
同じ日に種まきしても、畑が違えばずいぶん土の状態が違うので、種まきされた畑によっても生育の様子が違います。同じ作物でも品種によって生育の様子が違いますので、私はいろんな品種の種を播いています。こうしてそれぞれの作物がバラバラな速度で育ってゆきますので、一度に収穫できる収量はそんなに多くありませんが、どの時期にも必ずいくつかの作物が収穫時期を迎え、どの時期にも詰め合わせを出荷することができます。
同じ日に同じ畑に種まきされた同じ品種のカブでも、それぞれ生育の速度が違います。まずは生育が早くて先に大きくなったカブのみを狙って収穫し、まだ小さなカブは残しておきます。やがて小さかったカブが、空いた空間に伸び伸びと葉を伸ばして生育を早めて、数週間後に大きくなって収穫されてゆきます。このように大きくなったカブから間引くようにして順番に収穫してゆくと、長い間、収穫時期を迎えたばかりのカブを食べられます。
小松菜などは虫に食べられやすく、収穫時期を迎える前に消えてしまうこともあります。シュンギクの独特な香りは虫に苦手とされているようなので、小松菜のすぐ近くにシュンギクを育て、虫を寄せ付けないようにしてみました。けっきょく小松菜は虫に食べられて消えてなくなることもありましたが、シュンギクは虫に食べられず、虫除け用に育てたシュンギクも大事に出荷しました。その畑から採れる野菜がゼロにはなりませんでした。
根部を食用とするカブや人参の栽培では、一つ一つの根を太らせるために、葉が込み合っている部分を間引きます。間引かれた葉もおいしく食べられます。人参の葉はスープの香り付けやかき揚げにするとおいしいです。間引き作業は端境期に行われることが多く、間引かれた葉をそのまま捨てずにかき集めておけば、端境期の希少な一品として出荷できます。
畑全体の作物の生育が不調で、「もしかしたら出荷できる野菜がなくなってしまうかもしれない」と不安に思う時が、年に何回もあります。私の先の予測は、いつも悲観的です。
でも実際には、出荷できる野菜がなくなって旬野菜詰め合わせの出荷をお休みしなくてはいけなくなることは、今までに一度もありませんでした。少し手間をかけながら工夫すれば端境期をなくしてゆけるのだと、今年の3月、4月を乗り越えながら改めて思います。
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