畑の花の見頃 平成30年3月22日
畑の花の見頃 平成30年3月22日
仲春の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
秋に数種類の葉物野菜の種を播き、冬にそれらを収穫する予定でしたが、今年の冬の寒さは例年以上に厳しくて小松菜などはほとんど大きくならず、全く収穫できませんでした。3月に入って暖かくなるとみぶ菜などが新たに新芽を生やして見た目が若返りましたので、あまり大きくはならず小ぶりのままではありますが、ようやく収穫してみました。
これらの葉物野菜が出荷できる期間も、間もなく終わります。葉物野菜は暖かくなるこの頃になるとつぼみを膨らませて花を咲かせ、葉は固くなって食用に向かなくなります。
今、葉物野菜の株元から「薹(とう)」と呼ばれる一本の太い茎が高く伸び出し、そのてっぺんにつぼみをつけています。この姿を「とうがたつ」と呼び、「薹が立つ」と書きますが、まるで高い塔が建ったような姿なので、「搭が建つ」と書いた方が分かりやすいかも。
でも、薹が立った後にもお楽しみがあります。薹とつぼみの部分にはほどよい甘味と苦味がありおいしく食べられ、「菜の花」として出荷しています。花を咲かせるための養分がぎっしりと詰まっていて、花粉症の症状を改善する効用もあるという噂もよく耳にします。
大きく育たなくて収穫するのに手間がかかる小松菜や油菜を、収穫せずにそのまま畑に残していました。今、それらから薹が伸びてきています。ただ、やはり元の体が小さいままなので、そこから伸びてくる薹も細くて、収量は良くありません。「菜の花」は春を感じさせる食材ですので、なんとかかき集めてできるだけ多くのご家庭にお届けしたいです。
ほうれん草の薹やつぼみの味はおいしくないので、薹が立つ前に急いで出荷しています。ほうれん草だけはこの厳しい冬にも大きく育ち、その抜きんでた耐寒性をまざまざと示してくれました。そのほうれん草も薹を立たせ始めて、間もなく出荷が終了いたします。
冬の間は土に埋めて保存してきた人参や大根からも薹が伸びてきています。食用部の根は薹に養分を渡して縮んでゆき、間もなくおいしく食べられなくなるでしょう。
小松菜などの多くの葉物野菜はアブラナ科の植物で、他にはカブもアブラナ科に属しています。それらは花びらが十字形に並んだ、よく似た姿の花を咲かせます。外見上、カブは小松菜とは全く違う野菜ですが、花が咲くと同じ家族であることが分かります。害虫は植物の科によって選り好みをしますが、確かに小松菜とカブは同じ種類の害虫に狙われます。
同じ葉物野菜でもほうれん草はアカザ科の植物です。小松菜などの花とは全く違う地味な花を咲かせ、これらが違う家族であることが分かります。確かに、ほうれん草は小松菜と違って、あまり虫に食べられることがありません。アカザ科は虫の好物ではないようです。
ほうれん草には雄花しかつけない「オス」と雌花しかつけない「メス」があります。動物にはオスとメスがいるのは当たり前ですが、植物では珍しいことです。ほうれん草の花が咲いて初めて、それが「オス」なのか「メス」なのか見分けをつけることができます。
花が咲いて初めてその野菜の生態に気づくこともあります。今は梅や桜だけではなく、畑では野菜の花も楽しめる季節です。
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