命名 平成29年12月14日
命名 平成29年12月14日
歳晩の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。
空気が冷たくさえわたり、夜空の星が美しく見える季節となりました。昔の人々は夜空に散らばる無数の星にそれぞれ名前を与えて判別し、星の独特な並び方にも「オリオン座」とか「北斗七星」とか名前をつけて呼び、現代人に天体観測の楽しみ方を与えてくれました。
一見すると同じようにしか見えない夜空の星にもそれぞれ名前があるように、ものにはそれぞれ名前があります。私は「人」ですが、「小林武」という名前を持っています。「カエル」も「アマガエル」とか「トノサマガエル」とかいろんな名前を持っています。
「雑草」と一言で言っても、星の数ほどのたくさんの種類の雑草があります。「ハコベ」や「ヒメオドリコソウ」などは肥えている土を好んで生育し、これらの草が生えている畑では作物が元気に育ちます。「スギナ」はやせている土を好んで繁殖し、スギナで覆われているような畑では、作物を栽培する前に土を改良する必要があります。雑草の顔と名前を覚えながら畑を観察すれば、雑草の種類から土の状態を推察してゆくことができます。このようにいちいち名前を与えて呼んであげれば、「雑草」をもっと深く観察できるようになります。
犬や猫を飼っている人は、自分の大切なペットを「犬」とか「猫」とか呼んだりせず、「ポチ」とか「たま」とか名前をつけて呼びます。「野菜セット」は小林農場が全身全霊で作り上げてきた大切な商品ですので、もう少し洒落た呼称をつけたいと思っていました。季節感を大切にしてその季節の旬の野菜を詰め合わせてお届けしてまいりましたので、小林農場の野菜セットを「旬野菜詰め合わせ」と命名させていただくことになりました。この呼び名が馴染むまで少し時間がかかるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
ちなみに、小林農場の屋号は「風家(かざいえ)」ですが、この名前の由来は、私が農家として独立する前に農業のやり方を学ばせてくださった、栃木県市貝町の「ウインドファミリー農場」から来ています。すてきな農場名だと思っていましたが、「ウインド」を「風」に、「ファミリー」を「家」に、それぞれ横文字を和訳して組み合わせると「かざいえ」というとても親しみやすい響きが生まれたので、これを屋号とさせていただきました。
ウインドファミリー農場では、かつての私のような新規就農を目指す若者を研修生としてたくさん受け入れ、研修生たちは力を身につけて巣立ち、全国各地で就農しています。「種(想い)は風に乗り、各地に散らばり、根を生やし結実し、やがて種を結び、また風に乗っていってほしい」という願いが農場名の由来になったようです。
小林農場風家(かざいえ)も、ウインドファミリー農場によって播かれた一粒の種です。私には人を育てて巣立たたせるような能力はありませんが、長い下積み生活で学びながら熟していった種(想い)ならたくさん持っています。農場で栽培した野菜を多くのご家庭にお届けしてゆくことによって、その種(想い)を広く散らばせてゆきたいと思います。
「風」は、野菜を出荷することによって生み出すことができます。では「家」はどのようにして生み出されるものなのか?「風家」の名前の意味を、今また、問い直しております。
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