ちっちゃな野菜 平成29年11月15日
ちっちゃな野菜 平成29年11月15日
初冬の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
最近、大根や白菜などで、小さな形で成熟して収穫される品種を目にします。「食べきりやすい」「冷蔵庫にしまいやすい」などの理由で、「ミニ野菜」は消費者に受け入れられているようです。トマトを小型化したミニトマトは、今ではすっかりおなじみの野菜です。
秋から冬にかけて出荷する大根。小林農場でも、現在は通常の青首大根をお届けしていますが、他にもあまり長く伸びない短形の大根や、大カブのような丸い形をした京都発の京野菜「聖護院大根」など、小ぶりな形で収穫される大根も例年より多く栽培してみました。
畑から収穫される人参はどれも個性豊かで、大きいものもあれば小さいものもあります。一般流通では規格外として除かれる小さな人参も、野菜セットでは極端に小さすぎなければ、除かずに大切に出荷しています。料理する前に人参の外皮を切り除く人もいますが、形の小さな人参の外皮をむくのは面倒です。小林農場の人参や小カブは外皮もおいしく食べられるので、そのまま切り分けて料理していただくことをおすすめしています。外皮の周辺にたくさんの栄養が蓄積されている場合もあるので、外皮も食べると、健康に良いです。
現在お届けしているキャベツは小さすぎますが、これはおそらく、私が良い苗を育てられなかったのが原因だと思います。苗を育てる技術を改善してゆくのが今後の課題です。
野菜の体を大きくするには、肥料をたくさん作物に与えてあげると良いです。近年になって登場した化学肥料は、野菜の体を大きくし、収量増加に貢献してきました。しかし、野菜の中身の栄養素は昔と比べて減っていることが報告されています。化学肥料などで急速に体を太らせると、中身が追い付かずに空っぽになってしまいやすいと推測されます。
作物の外見を大きくさせることばかりに夢中になって中身を充実させてゆくことを忘れてしまってはいけません。小林農場では化学肥料は使用せず、天然の肥料も与えすぎないように注意して、できるだけ作物が自分の力でじっくりとたくましく育つように見守っています。そうしたほうがおいしくて栄養も多い良質な作物が収穫できると考えています。よって、小林農場の畑では大きな体をした野菜は多くないですが、それで良いと思っています。
皆さんから「野菜セットに入っている野菜が多すぎて、食べきれずに無駄にしてしまう」というご感想をいただくことがあります。お届けする野菜は、大きければ大きいほど、多ければ多いほど喜ばれるというわけではなさそうです。
野菜セットという形で出荷する場合は、「大きな野菜」よりも「食べきりやすい大きさの野菜」を、「たっぷりと」よりも「少しずつ」に野菜の量を調整してゆくと、皆さんが受け取りやすい内容になるように思います。その上で、皆さんのご家庭でもっとたくさんの量がほしい野菜があれば、そのご要望に個別にお応えいたします。
現在の日本では、以前のように3,4世代がいっしょに暮らしている「大家族」が少なくなり、少子化も進み、一世帯の家族の人数が少なくなりつつあります。野菜セットの内容も、そんな時代の流れに沿いながら作られてゆくことになります。
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