参加の入り口は開かれている 平成29年11月9日
参加の入り口は開かれている 平成29年11月9日
落ち葉が風に舞う季節となりました。みなさま、いかがおすごしでしょうか。
先月、突然に衆議院解散総選挙が行われ、その投票率は50%くらいで、半分の国民が投票しなかったようです。政治に参加しようとしない人が多いことが問題視されています。
政治が間違えば社会の秩序が乱れます。今の日本は概ね平和ですが、この平和がこの先も永遠に続くなんて、誰が保証できるでしょうか?平和は国民が努力を支払うことによって保たれるもので、国民が政治に参加することを怠れば平和も崩れやすくなるでしょう。どんなに忙しい生活を送っている人でも、選挙では自分の住まいの近くの投票所まで足を運んで投票するだけで、手間と時間をかけず簡単に政治に参加することができます。
政治と同じように、人の命に不可欠な食料を生み出す産業である農業も、全ての人々が関心を持つべきことだと思います。それゆえに、政治と同じように農業にも、生産者だけでなく消費者を含めた全ての人々が簡単に参加できる仕組みがすでに出来上がっています。
消費者が安全性を考慮して無農薬栽培の野菜を選んで購入してくれれば、無農薬栽培を行う農家が増えていくことでしょう。消費者の普段の買い物が農家の意識に影響を与え、生産方法を変えさせ、農業の形を変えてゆきます。消費者も農業の重要な参加者なのです。
虫を苦手とする消費者は多く、虫に食われた跡がある野菜は一般流通では販売できないので、多くの農家は農薬を使って虫を退治しています。小林農場が無農薬栽培を行うことができるのは、虫害の跡がある野菜でも受け取ってくださる寛容な皆さんのおかげです。
私も虫害の酷い野菜を出荷してしまわないように一生懸命に検品していますが、検品できることにも限界があり、時々見逃した虫がくっついたままの野菜を、皆さんのお宅にお届けしてしまうこともあります。ある方は、「届けられた野菜からアマガエルが飛び出してきて驚いたけれど、子供にカエルを見せてあげられて良い教育ができました。」と笑いながら私にご報告してくださいました。
届けられた葉物野菜にくっついていたアオムシをわざわざ虫かごに移して、蝶になるまでの様子を観察しながら飼育されたご家庭もありました。優しい方に見つけられて、幸せなアオムシだと思います。先に小林に見つけられていたら即座につぶされていただろうに。
「野菜に虫が棲みついているのを見ると、農薬を使用していない証拠だから、安心します。」とお気遣いのお言葉をくださる皆さんの寛容な対応に支えられながら、私は野菜の安全性と味質を向上させることに専念できました。皆さんからのお言葉に甘えてしまうことなく、できるだけ虫害の少ないきれいな野菜をお届けできるよう、努力を続けてまいります。
消費者は農業の形を変えてゆく力を有しています。選挙戦では候補者が足を運んで多くの有権者に向かって演説しますが、農家も販売している農産物に多くの消費者から1票をいただけるように、自分の考えや想いを消費者に伝えてゆく努力が必要です。今月、市貝町で青空市が開かれ、小林農場も出店いたします。多くの来場者とお話しができるでしょう。栃木県の方々には青空市のご案内をお配りしていますが、どうぞ遊びにいらしてください。