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2017年12月12日 (火)

命を守る行動    平成29年9月21日

命を守る行動    平成29年9月21日

仲秋の候、皆さま、いかがおすごしでしょうか。

  先週末には栃木県は台風の影響で強風が吹き荒れ、小林農場の畑では、オクラなどの背の高い作物がなぎ倒されてしまいました。台風が日本列島に上陸することが最も多い9月は「防災月間」とされ、各地で自然災害に対する防災についての啓発活動が行われています。日本列島は自然災害多発地帯で、毎年多くの方々が自然災害で大きな損害を受けています。

  6年前の東日本大震災では、栃木県は震度6強の強震に襲われ、その後数日間は電気や水道は使えませんでした。数週間は地元のガソリンスタンドのガソリンが供給不足に陥ってしまったので、なるべく外出を控えて自動車の燃料を節約していました。コンビニエンスストアに寄っても食品が棚からすっかり消えてしまい、食品も入手しづらい状況でした。

  日本で暮らしてゆくには日頃から災害時の備えをしておくことが大事です。私は、農業を営むことがそのまま防災になると考えています。畑には常に食べられる野菜が育っています。倉庫にはジャガイモやカボチャや玉ねぎなどが保管され、棚には小麦を加工して作った小麦粉や乾麺が並び、これらは非常食としても長期保存できます。我が家は飲み水とカセットコンロと簡単な調理器具を常備していれば、非常時に食べ物で困ることがありません。

  大地震を受けても作物の生育にはあまり影響がないので、大震災後も車の燃料さえ確保できれば、皆さんのお宅に野菜セットを配送できるでしょう。震災後には食品売り場からは野菜を購入しにくくなるから、切実に野菜を欲しがるご家庭も増えることでしょう。日頃からガソリンを余分に備蓄して、震災直後にも車で野菜を配送できるようにしています。

  東日本大震災の発生後、私の周りの農家の方々が大津波による甚大な被害を受けた被災地の被災者へ野菜などを届ける奉仕活動を熱心にされていたので、私もマネして自分の畑から採れた野菜を被災地へお届けしました。被災直後の被災地では食料不足に陥ることが多いので、お互いに近隣の農家が食料を救援し合えるような仕組みが築ければ良いです。

  最近は海の向こうから台風だけではなくミサイルも飛んでくるようになり、天災だけでなく人災にも気をつけなくてはいけなくなりました。先週の野菜セットの配送日には、早朝に野菜の収穫をしていると、静かな畑に突然、防災無線からサイレンが鳴り響き、ミサイルが上空を飛んでいるので屋内に避難するように呼び掛けていました。

天災や人災から国民の生命を守るのが政府の役目のはずです。天災や人災を防ぐ対策をたてることに専念しなくてはいけないこの時期に呑気に衆議院の解散総選挙を始めようとしている今の日本政府は、かなり防災意識が低いと批判されてもしかたがないでしょう。

  いざ災害が発生した時、必ずしも政府が助けてくれるとはかぎりません。防災においては、政府や行政が助けてくれるのを期待するのではなく、自らが自分自身や自分の家族の命を守ろうとする姿勢が大切だと、防災の専門家が語っていました。その通りだと思います。  

自らの手で自分の暮らしに最低限必要なものを生産してゆく農村で蓄えられた知恵は、非常時に役に立つかもしれません。農業を防災の観点から見直してみたいです。

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