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2017年6月15日 (木)

野菜の晩年  平成29年4月6日

野菜の晩年  平成29年4月6日

うららかな春日和になりました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  5月に入る頃より、収穫時期を迎えたばかりの初々しい野菜を皆さんにたくさんお届けできるでしょう。それまでの間は、去年の秋や冬に収穫時期を迎えてから日が経っている葉物野菜や根菜類を、もうしばらく、野菜セットに入れてゆきたいと思います。

  今の時期になると、「葉物野菜の葉が黄色く変色してしまうのが早い」というご報告を皆さんよりいただくことがあります。野菜セットの配送日の当日か前日に葉物野菜を収穫しているので鮮度は悪くないのですが、この時期に出荷される葉物野菜はあまり長く良い状態で保存されにくいようです。できるだけ早く料理して食べていただくか、下茹でして冷凍保存することをおすすめします。

  去年の夏に収穫されて半年以上も長期間貯蔵されてきたジャガイモ。人と同じように、ジャガイモも年をとると、肌に潤いがなくなり、シワが目立ち始めます。中身が傷んでしまっていることが増えてきましたので、出荷する前に、イモを一つ一つ手に取って、以前よりも注意深く検品しています。

  現在お届けしている人参もゴボウも里芋も、良い状態で貯蔵するのが難しくなってきています。暖かくなると人参は収穫してから常温に数日間置いておくと根から新芽が出てきて食用部の根が萎んでしまうので、冷蔵庫に入れて冷蔵保存したほうが無難です。

  植物にとって、暖かな春は種を作るのに良い時期です。冬を越してきた野菜たちも、花を咲かして種を作る準備に入っています。残り少ない生涯のうちに子孫を遺そうと活動して、もう私達のためにおとなしく食用のままの状態には留まってはくれません。

  晩年を迎えた野菜を相手にするこの時期の出荷には神経を使います。野菜を受け取ってくださる皆さんにも、野菜の保存方法を工夫していただくようにお願いしています。

  スーパーの野菜売り場では、ちょうど食べ頃の若々しさにあふれた野菜が並び、鮮やかな感じが演出されています。シワシワのジャガイモが店頭に置かれることはありません。

  年をとっても若々しさを保てる人はとても幸せだと思いますが、若いことが最も幸せな状態と考えるのであれば、年をとればとるほど人は不幸になってゆくということになります。誰でもいずれは必ず老いて病気にもかかりやすくなります。老いや病を恐れたりせずに受け入れられる心境に達することが、人としての究極の幸せなのではないでしょうか。

  私も年をとって、いずれは病気にかかり、体が思うように動かせなくなる日がくるでしょう。健康でなくなって初めて気づけることは多いと思います。そんな時に、生きている意味をより深く気付き、この世に生まれてきたことに深く感謝できる自分でありたいです。

  野菜も生き物で、初々しい時期だけでなく晩年期もあることを理解して、私達のほうが野菜の状態に合わせてあげて上手に利用できれば、私達の食生活も深く豊かになります。

  水分が抜けてシワが目立ってきたジャガイモは、逆に体内の糖分の濃度が増して甘くなります。晩年を迎えた野菜に味わいがあることを、お伝えしてゆきたいと思います。

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