実りの弥生 平成29年3月23日
実りの弥生 平成29年3月23日
春分の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
小松菜や油菜や水菜などの葉物野菜は、秋の10月頃に種が播かれて、冬に収穫時期を迎えて出荷されてゆき、3月に入って暖かくなる頃にはつぼみをつけ始めて茎葉は固くなって食用としてはむかなくなり、出荷が終了。これが例年の葉物野菜栽培の流れです。
ところが今年の3月の葉物野菜はいつもとは違いました。3月に入っても多くの葉物野菜がつぼみをつける様子も見せず、葉は柔らかなままで食用として十分に通用する状態を保っていました。今年は2月に引き続き3月にも水菜やみぶ菜を野菜セットに入れましたが、これらの葉物野菜を3月に出荷したことは今までに記憶がありません。
最も寒さの厳しかった1月、2月の頃は、葉物野菜も冷気の直撃を受けて枯れ葉が増え、収穫した後にこれらの枯れ葉を取り除いて出荷するのに、ずいぶん手間がかかりました。それが3月に入った後、暖かくなって生きの良い新葉が新たに伸びてきたからでしょうか、葉物野菜全体が青々として若返ったようになりました。2月頃には寒さで縮こまってしまいそのまま消えてなくなりそうだった水菜も再び葉を広げなおして、すっかり蘇生してしまいました。
よって、2月よりも3月に入ってからのほうが、良質な葉物野菜を収穫できました。秋まきの葉物野菜の出荷は2月までと考えていた私には、嬉しい想定外でした。3月に入って暖かくなれば、低温によって長期間貯蔵できた大根やカボチャなどの貯蔵野菜が傷んでしまい、出荷できる野菜が減ってゆきます。この3月は、葉物野菜がその穴を埋めてくれています。
今までは私が「下畑」と呼んでいる畑で秋作の葉物野菜を栽培することが多かったのですが、今回は「新畑」と呼んでいる畑で栽培してみました。「下畑」で栽培される作物と比べて「新畑」で栽培される作物は良い状態で収穫できる期間が長くなると、前々から薄々と感じてはいましたが、今回の葉物野菜栽培を通じて、「新畑」は「長寿の畑」だと確信を持って言えるようになりました。次の秋にも「新畑」で葉物野菜を育ててみたいと思います。
初めて「しろ菜」という葉物野菜も栽培しています。チンゲンサイに似た姿の葉物野菜ですが、他の多くの葉物野菜と同じように秋に種まきするのですが、他の葉物野菜よりもつぼみがつけるのが遅く、春が始まってしばらく経ってもおいしく食べられます。また、やはりつぼみをつけるのが遅い小松菜の品種も、今回初めて栽培してみました。これらの新顔が期待に応えて、今の時期に良い状態で収穫時期を迎えてくれています。
出荷できる野菜が少なくなりやすい3月にもできるだけ多くの種類の野菜を出荷できるように工夫したいと思っています。今回の葉物野菜の栽培は、収穫期間が長くて実りが多かったですが、3月にも収穫を増やせる手掛かりを得られたという意味でも実りが多かったです。
« 小満・蚕起食桑 の風景 | トップページ | 平成29年5月26日の野菜セット(SATOYAMAヘルシーマーケット、明後日開催) »
「農場通信」カテゴリの記事
- 令和6年1月以降に新たに公開される記事(2024.01.03)
- 生き物の表情 令和5年6月1日(2023.12.28)
- 多忙を極めてゆく畑 令和5年6月19日(2023.12.23)
- どこに向かうのか、農業 令和5年6月12日(2023.12.14)
- 顔を見せるのが苦手な農家による顔の見える農場 令和5年6月8日(2023.12.09)
この記事へのコメントは終了しました。
« 小満・蚕起食桑 の風景 | トップページ | 平成29年5月26日の野菜セット(SATOYAMAヘルシーマーケット、明後日開催) »
コメント