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2017年5月

2017年5月31日 (水)

平成29年5月29日、30日の野菜セット(料理方法をお伝えする重要性について)

今回の野菜セットの内容です。

玉ねぎ、紫首カブ、二十日大根、レタス、サニーレタス、ブロッコリー、ほうれん草、小松菜、春菊、キヌサヤエンドウ、スナップエンドウ、ソラマメ

「食べきれないので野菜の量を少なくしてほしい」「その野菜は好物なのでもっとほしい」

「特定の野菜にアレルギー反応があるので、その野菜を除いてほしい」など  

野菜セットについてのみなさんからのご要望を個別に承ります。ご要望のある方は、電話やメールで農場まで、または、小林に直接にお伝えください。

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5月28日の日曜日、青空の元、地元の市貝町で「SATOYAMAヘルシーマーケット」が開催され、小林農場も野菜や加工品を出店いたしました。会場までお越しくださった皆さん、どうもありがとうございました。

会場では「人参の葉」を持参して販売してみました。「人参の葉」はあまり食べ方が知られていないので、試食品を作って会場にお越しくださったお客さんに試食していただきました。

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人参の葉で作ったチヂミ。小林農場産の小麦粉を合わせて作りました。人参の葉は小麦粉との相性はとても良いと思います。私は揚げ物が苦手ですが、かき揚げや天ぷらの具材として人参の葉を利用する人もいます。

料理方法を説明しながら試食していただくと、多くのお客さんが人参の葉を「おいしい」と褒めてくださり、人参の葉を購入してくださいました。青空市場のような対面販売では、「説明」と「試食」ができるので、人参の葉のような馴染みの薄い品目でも、お客さんに購入していただくことができます。

野菜セットを皆さんのお宅にお届けする時、野菜といっしょに「農場通信」もいっしょにお届けして、「料理方法が分からない」と皆さんがお困りにならないように、その野菜の食べ方や保存方法をできるだけお伝えするようにしています。

現在、ソラマメを野菜セットの中に入れていますが、複数の方々より、ソラマメの茹で方についてのご質問をいただきましたので、農場通信にも簡単に茹で方をお伝えしています。私がソラマメの料理方法について参考にしたページはこちら

小林農場のソラマメは、豆が柔らかいようなので、茹で時間は1分くらいでよいかもしれません。

2017年5月30日 (火)

栽培暦 平成29年5月下旬

以下は5月21日~5月27日に行った仕事です。

収穫・出荷  片づけ  育苗  定植(キュウリ、ズッキーニ、里芋、カボチャ、ナス、ピーマン、トマトなど)  定植した苗の管理(支柱に固定、モミガラでマルチ、ネットを張る、施肥) ジャガイモの土寄せ、除草  大根の間引き  キャベツの追肥  ビニール資材の片付け  事務仕事

以下は5月28日~6月3日の仕事の予定

  28日(日)  SATOYAMAヘルシーマーケット

  29日(月)  野菜セットの出荷・配送

  30日(火)  大根、カブ、人参の間引き、除草  ラッカセイ、ショウガ、ヤマイモ、オクラを植える  トラクター耕  ジャガイモの土寄せ、やり直し

  31日(水)  いろいろと片づけ、除草

  1日(木)  露地トマトに雨除け、ナスやピーマンやトマトを支柱に固定

  2日(金)  野菜セットの出荷・配送

  3日(土)  施肥(ナス、ピーマン、カボチャ、ズッキーニ)  モミガラをマルチ(カボチャ)  ネットを張る(サヤインゲン、キュウリ)  サツマイモを定植

・仕事が忙しくなってきて、今すぐにやらなくてはいけない仕事が山積みになってきました。どの仕事を優先するべきか、優先順位をしっかりと頭の中でまとめておくことが肝心です。

優先順位の上位は、草の管理です。草がうっそうと生やしてしまっている畑の中では、いかなる畑仕事も、作業効率が悪くなるし、気持ち良く仕事ができません。

雑草は小さいうちなら簡単に退治できますが、大きくなってしまうと手に負えなくなります。他の仕事は後回しにしてよいから、草の管理を優先すること。

どんなにやらなくてはいけない畑仕事が山積みされても、畑を草だらけにせずにすっきりと管理できていれば、「まあ、なんとかなるだろう」と前向きな気分になりやすいです。

また、住まいや出荷場や仕事場も整理整頓しておくと、どんなに忙しくてもやはり、「なんとかなるだろう」という気分になれます。物を使ったらすぐに元の場所に片づける習慣をつけ、さらに、1週間に半日くらいは、散らかっている部分を片づける時間に費やそうと思います。

それと、毎日、作業日誌と収出は忘れずに記録しておくこと。忙しくても、私の趣味の小林農場のブログの更新はマメに行い、自分の頭の中も整理してゆきたいと思います。(ブログで文章を書いていると、自然と自分の考えがすっきりとまとまったりしますよ)

2017年5月27日 (土)

平成29年5月26日の野菜セット(SATOYAMAヘルシーマーケット、明後日開催)

今回の野菜セットの内容です。

玉ねぎ、カブ、紫首カブ、レタス、サニーレタス、ブロッコリー、ほうれん草、シュンギク、小松菜、キヌサヤエンドウ、スナップエンドウ、ソラマメ

「食べきれないので野菜の量を少なくしてほしい」「その野菜は好物なのでもっとほしい」

「特定の野菜にアレルギー反応があるので、その野菜を除いてほしい」など  

野菜セットについてのみなさんからのご要望を個別に承ります。ご要望のある方は、電話やメールで農場まで、または、小林に直接にお伝えください。

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明後日の28日の日曜日に、市貝町で手作り青空市場「SATOYAMAヘルシーマーケット」が開催されます。小林農場も野菜や加工品を持参して出店いたします。

詳細は以下をクリックしてご覧ください。出店者の情報なども掲載されています。

「SATOYAMAヘルシーマーケット」

今回は、出店している農家の農産物を使って飲食店が料理してくれるようです。地元の農家と料理人の協力によるおいしい料理をお楽しみできるかと思います。

小林農場からもカブやスナップエンドウを料理の食材として使ってもらうことになりました。料理人さんにどんな料理になるのかお聞きすると、私が今まで食べたことのないような手の込んだ料理をお考えのよう。私も早く、食べてみたいです。

小林農場が会場に持参する予定の品目は以下のとおり。

玉ねぎ、紫首カブ、二十日大根、レタス、サニーレタス、キヌサヤエンドウ、スナップエンドウ、人参の葉(間引き菜)、大根の葉(間引き菜)、乾麺、小麦粉、人参ジャム、カボチャジャム、押し麦、青シソなどの苗

前回までの青空市場では、販売品の他にも、試食品、写真、折り紙、看板、パンチ、けん玉などを持参してみたりしてけれども、今回は何を持参しようかな?

みなさん、よろしければ、市貝町まで遊びにいらしてください。

2017年5月25日 (木)

実りの弥生    平成29年3月23日

実りの弥生    平成29年3月23日

春分の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  小松菜や油菜や水菜などの葉物野菜は、秋の10月頃に種が播かれて、冬に収穫時期を迎えて出荷されてゆき、3月に入って暖かくなる頃にはつぼみをつけ始めて茎葉は固くなって食用としてはむかなくなり、出荷が終了。これが例年の葉物野菜栽培の流れです。

ところが今年の3月の葉物野菜はいつもとは違いました。3月に入っても多くの葉物野菜がつぼみをつける様子も見せず、葉は柔らかなままで食用として十分に通用する状態を保っていました。今年は2月に引き続き3月にも水菜やみぶ菜を野菜セットに入れましたが、これらの葉物野菜を3月に出荷したことは今までに記憶がありません。

最も寒さの厳しかった1月、2月の頃は、葉物野菜も冷気の直撃を受けて枯れ葉が増え、収穫した後にこれらの枯れ葉を取り除いて出荷するのに、ずいぶん手間がかかりました。それが3月に入った後、暖かくなって生きの良い新葉が新たに伸びてきたからでしょうか、葉物野菜全体が青々として若返ったようになりました。2月頃には寒さで縮こまってしまいそのまま消えてなくなりそうだった水菜も再び葉を広げなおして、すっかり蘇生してしまいました。

よって、2月よりも3月に入ってからのほうが、良質な葉物野菜を収穫できました。秋まきの葉物野菜の出荷は2月までと考えていた私には、嬉しい想定外でした。3月に入って暖かくなれば、低温によって長期間貯蔵できた大根やカボチャなどの貯蔵野菜が傷んでしまい、出荷できる野菜が減ってゆきます。この3月は、葉物野菜がその穴を埋めてくれています。

今までは私が「下畑」と呼んでいる畑で秋作の葉物野菜を栽培することが多かったのですが、今回は「新畑」と呼んでいる畑で栽培してみました。「下畑」で栽培される作物と比べて「新畑」で栽培される作物は良い状態で収穫できる期間が長くなると、前々から薄々と感じてはいましたが、今回の葉物野菜栽培を通じて、「新畑」は「長寿の畑」だと確信を持って言えるようになりました。次の秋にも「新畑」で葉物野菜を育ててみたいと思います。

初めて「しろ菜」という葉物野菜も栽培しています。チンゲンサイに似た姿の葉物野菜ですが、他の多くの葉物野菜と同じように秋に種まきするのですが、他の葉物野菜よりもつぼみがつけるのが遅く、春が始まってしばらく経ってもおいしく食べられます。また、やはりつぼみをつけるのが遅い小松菜の品種も、今回初めて栽培してみました。これらの新顔が期待に応えて、今の時期に良い状態で収穫時期を迎えてくれています。

出荷できる野菜が少なくなりやすい3月にもできるだけ多くの種類の野菜を出荷できるように工夫したいと思っています。今回の葉物野菜の栽培は、収穫期間が長くて実りが多かったですが、3月にも収穫を増やせる手掛かりを得られたという意味でも実りが多かったです。

2017年5月24日 (水)

小満・蚕起食桑 の風景  

次々と作物の苗が植えられてゆき、畑がにぎやかになってきました。ついでに畑のまわりの草も元気に草丈を伸ばし、ますます畑がにぎやかになってきています。

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大根畑では、大根が茎を高く伸ばして、その先に白くて十字形の花を咲かせています。

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去年、土に埋め戻した採種用の人参からも、茎が高く伸びて、その先に大花傘を咲かせています。何千もの小さな花が所狭しと集まって、花の傘を形成しています。

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玉ねぎ畑の中には、収穫される前に茎を高く伸ばしてしまう、せっかちで困った玉ねぎも稀にあります。

茎の先には、丸いつぼみができます。薄い膜に覆われていて、この姿が僧侶に似ていることから、「ねぎ坊主」と呼ばれています。

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くさふじ。紫色の花が、樹の藤に似ています。

麦畑の中にまぎれて、ツルを伸ばして麦にからみついている姿をよくみかけます。ナタネ畑ではナタネよりもくさふじのほうが元気に育ち、ナタネが負けてしまっている箇所もありました。

2017年5月23日 (火)

平成29年5月22日、23日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

玉ねぎ、大根、カブ、紫首カブ、二十日大根、レタス、サニーレタス、ほうれん草、シュンギク、スナップエンドウ、キヌサヤエンドウ、ソラマメ

「食べきれないので野菜の量を少なくしてほしい」「その野菜は好物なのでもっとほしい」

「特定の野菜にアレルギー反応があるので、その野菜を除いてほしい」など  

野菜セットについてのみなさんからのご要望を個別に承ります。ご要望のある方は、電話やメールで農場まで、または、小林に直接にお伝えください。

・先週は収穫時期を迎えてから日が経って少し大きくなりすぎたホウレンソウをお届けしていましたが、今回の野菜セットには収穫時期を迎えたばかりの初々しいホウレンソウをお届けできました。

シュンギクも新たに収穫され始めています。

・2月に種まきして育てているキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、白菜などが、おそらく、来週あたりから収穫が開始されるかと思います。お楽しみに。

小松菜などの葉物野菜も再び、来週から出荷できるかと思います。

大根、カブの出荷は少しの間だけ、お休みになるかも。4月に種まきされた大根やカブが、間もなく収穫されると思います。

・今年はサヤエンドウやソラマメなどの豆類が調子良く生育してくれました。現在は豆が豊富な野菜セットの内容となっています。

これらは小林農場が種を採って育成した作物です。種も小林農場で生産された作物です。自家採種の習慣が、少しずつ小林農場の中にも浸透してきました。

・それにしても、今、栃木県は真夏のような暑さです。早くも夏バテ気味で、フラフラしながらの出荷作業。そのうち体も暑さに馴れてゆくでしょう。収穫物の管理に、今までよりも気を遣わないと。

2017年5月21日 (日)

栽培暦 平成29年5月下旬(苗のマルチについて)

5月14日~5月20日に行った仕事です。

収穫、出荷  片づけ  育苗  定植(モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ、ナス、ピーマン、トマト、サヤインゲンなど)  播種(オクラなど)  草刈り  除草

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5月21日~5月27日の仕事の予定

21日(日) 定植(ズッキーニ、キュウリ)  土寄せ(ジャガイモ)  間引き(大根など)  追肥(キャベツなど)

22日(月) 野菜セットの出荷・配送

23日(火) 温床を崩す  定植(サトイモ、トマト)  人参、カブの除草・間引き  

24日(水) 定植(カボチャ、ラッカセイ)  人参、カブの除草・間引き

25日(木) 定植(サツマイモ)  播種(ゴボウ)  定植した苗の支柱建て、マルチ    極早生玉ねぎを全部収穫・乾燥

26日(金) 野菜セットの出荷・配送

27日(土) ビニールトンネルの片付け  床土の切り返し  その他いろいろと片づけ

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上の写真はサヤインゲンの苗。苗のまわりにはモミガラを散布しています。そうすると、苗のまわりに草が生えにくくなり、苗の根を風雨による土の乾燥や浸食を防ぐことができます。

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上の写真はピーマンの苗。まだモミガラは散布しませんでした。ピーマンの苗は高温が好きなので、直射日光を表土に当てて、地温が上がりやすいようにしてみました。モミガラを散布してしまうと、地温が上がりにくくなります。

もうしばらくしてさらに気温が上がったら、カルチという小型の機械で苗のまわりに生えてきた雑草を一網打尽にしてから、モミガラを散布しようと思います。

高い畝を作ってからそこに苗を植えると、作物の生育が良くなることがあるようです。でも、高い畝の上にモミガラを散布すると、モミガラが風で飛ばされてしまいやすくなってしまいます。小林農場では、トマトやサツマイモなど以外は、畝を作らずに作物を育てています。

トマトやサツマイモは必ず高い畝を作ってから栽培したほうが良さそうです。それらの苗のまわりには、モミガラの代わりに、風に飛ばされにくい麦わらなどを敷きたいと思います。

キュウリやカボチャは根が浅く張るので、根を風雨から守ってあげるために、苗を畑に定植したらできるだけ早くモミガラを散布したほうが良さそうです。

カボチャやサツマイモなどのように広い面積にツルを伸ばして生育する作物の場合、苗のまわりだけでなく、畑全面にモミガラを散布して雑草を抑えたいと思います。もしモミガラが足りなければ、これから収穫する小麦や大麦のワラを畑に敷いてゆきたいと思います。

多くの農家は、モミガラやワラなどを使わず、苗のまわりにビニール資材を張って栽培します。ビニール資材を使ったほうが楽に栽培できるとは思うのですが、なぜか私はモミガラが大好きで、どうしてもモミガラを利用してみたくなるのです。

 

2017年5月20日 (土)

平成29年5月19日の野菜セット(春作のカブについて)

今回の野菜セットの内容です。

玉ねぎ、大根、カブ、二十日大根、紫首カブ、キャベツ、レタス、サニーレタス、ほうれん草、シュンギク、キヌサヤエンドウ、スナップエンドウ、ソラマメ

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今回の野菜セットに入れたカブです。品種は「スワン(タキイ交配)」。味に甘味があり、肉質は柔らかで、皆さんから好評をいただいております。私もよく、サラダでおいしく生食しています。

カブは収穫時期を迎えてから時間が経って大きくなると、中身がガサガサと筋っぽくなって品質が落ちてゆく傾向がありますが、この「スワン」は大きくなっても中身の品質が落ちないようです。収穫時期を迎えて20日ほど経ってけっこう大きくなっていますが、まだおいしく食べられます。

2月の上旬と2月の中旬の2回に分けてこの品種のカブの種まきを行いました。上旬に種まきしたカブは生育がもたついて収穫までに時間がかかり、その後も縮こまったまま大きくならず、小さいまま中身も固くなってしまいました。中旬に種まきしたカブは、順調に生育して、そのまま大きくなって、中身も柔らかいまま良い状態で収穫されています。

種まきの時期を少しずらしただけで、また、種まきする場所を少しずらしただけで、その後の生育の具合がずいぶん違うものです。種まきはマメに何回にも分けていろんな場所で行うと、途切れることなく収穫を楽しみやすくなります。

3月に種まきしたカブが虫害にあってしまい、収穫が厳しい状況になってしまいました。4月に種まきして育ったカブが収穫されるまで、なんとかこのスワンの収穫を引き伸ばしたいです。

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きれいな紫色に染まった紫首カブ。品種は「すみれかぶ・藤のまい(トーホク交配)」。これも肉質がち密で柔らかく、サラダや漬物などにしてその美しい色を楽しみながらおいしく食べられ、少し大きくなっても中身の品質は落ちない品種のようです。もう少し収穫を引き伸ばしたいです。

現在は出荷できる根菜類の種類が少ない時期ですが、二十日大根が少し多めに収穫できるようになってきました。わずかな量ですが、大根も出荷しています。

2017年5月18日 (木)

堆肥の生産者と、消費者としての私   平成29年3月15日

堆肥の生産者と、消費者としての私   平成29年3月15日

仲春の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  人の体が健康を維持するために食べ物を取り込む必要があるのと同じように、作物が健全に生育するために畑に堆肥を与えてあげる必要があります。自家製の堆肥を自分で作っていますが、それだけでは量が足りず、良質な堆肥を購入できる購入先も探しています。

  昔の日本の農家は、少数の牛や鶏などの家畜を飼い、それらから排出される家畜フンをかき集めて堆肥の材料として有効に利用していたようです。現在は畜産農家がたくさんの家畜を飼育するようになり、毎日排出される大量の家畜フンを処理してゆくために堆肥化して販売しています。家畜フン由来の堆肥は、比較的安い値段で大量に入手しやすいです。

  草をたくさん食べる牛が排出されるフンには繊維がたくさん含まれているので、牛フンで作った堆肥を与えると、土がフカフカと柔らかくなる効果があると言われています。土が粘土質でゴロゴロと固い小林農場の畑には、牛フン堆肥が有効かもしれません。

  小林農場の周辺は牛の畜産が盛んで、農場は広い牛の放牧場や飼料栽培地などに囲まれていて、雄大な北海道の大地の雰囲気にちょっとだけ似ています。牛フン堆肥を入手しやすい環境なのですが、堆肥の安全性に少し不安がありましたので、それらの堆肥の使用を敬遠してきました。先日、農場の近くの牛舎にうかがって、そちらで生産して販売している牛ふん堆肥について、いろいろと質問させていただきました。

  牛フンによって作られる堆肥の質は、牛に与えられる飼料によっても影響を受けます。牛の飼料の原料は、海外で栽培された牧草などを輸入して入手することが多いようです。

海外では牧草の栽培に農薬を散布するようですが、最近、国内で、牛フン堆肥の中に残留していた農薬によって、その堆肥を散布した畑で作物が生育障害を起こしてしまった事例が報告されました。そのことについて牛舎さんにたずねると、堆肥の生体検査を行い、残留農薬の悪影響がほぼないことを確認してから堆肥を販売しているとのことでした。

  牛フンは、地域から手に入るおがくずと混ぜて水分調整しながら堆肥化されるのですが、6年前の福島第一原発事故で栃木県にまで飛散した放射性物質によって、県内で排出されるおがくずも人体に有害な放射性物質に汚染されている危険性が指摘されています。そのことも牛舎さんに質問してみると、放射能検査を施して安全性を確認した上で堆肥を販売しているとのことでした。

私が投げかける疑問にいちいち丁寧に答えてくださった牛舎の方の対応には好感が持てました。近所で作られた堆肥をいただくとき、その堆肥を作成している生産者の人柄や生産現場の雰囲気などを、自分の目で見ることができます。だから、安心感の高い堆肥を入手できます。農場で扱う堆肥は、地元の顔の見える生産者から入手することを重視したいです。

  私も皆さんと直接会ってお話ししたり、電話やメールでやりとりしたり、農場通信を書いて農場の考え方をお伝えしたりして、「消費者に顔の見える生産者」になれるように心掛けてきました。それが食材への安心感を少しでも高めてゆくと思っています。

2017年5月17日 (水)

栽培暦 5月7日~5月13日(果菜類の施肥方法について)

この週の仕事の内容です。

収穫、出荷   片づけ  育苗  ジャガイモに追肥、土寄せ  トラクター耕  除草(人参など)  サヤインゲンの支柱を建てて定植  ヤマイモの植え付け  移植(赤トウガラシ、アスパラガスなど)

ナスなどの苗を畑に植えてゆく時期を迎えています。

ナスやピーマンなどの、実を収穫してゆく果菜類は、6月から10月までの長い期間、実をならして収穫されてゆきます。この長期間、土の中の肥料を切らさないことが大事だと考え、畑の準備をしてみました。

・溝施肥と全層施肥

肥料を畑全体に散布してトラクターで拡散するのが「全層施肥」。畑の表面に肥料が馴染んで早く分解されてゆき、そこに作付けされた作物に早い段階で効き目があります。

少し深く溝を掘ってそこに肥料を散布して土を埋め戻して、その上に作物を作付けするのが、「溝施肥」。深くに施された肥料はすぐに分解せずに長い間、ゆっくりと分解するので、じっくりと長く、肥料が効きます。

溝を掘ってそれを埋め戻すのは手間なので、今年の小林農場の果菜類の栽培では「全面施肥」を採用。でも、収穫時期の長い果菜類には、本当は「溝施肥」のほうが良さそうです。

今年は、苗の植え付けの1か月前に肥料を全面施肥して、1か月間、肥料を土に馴染ませておきました。

そして、「くらつき」と呼ばれている施肥方法ですが、苗を植え付ける時に、植穴を少し深く掘って、さらに肥料を2握りほど入れてから苗を植えてゆこうと思います。そうすると、植穴の環境が良くなって、植えられたばかりの苗が根を張りやすくなるようです。肥料が少量でも効き目があり、肥料の節約にもなります。

・肥料の種類

今回、全層施肥に使った肥料は、落ち葉を主体にして鶏ふんなどを混ぜて、4か月間ほど発酵させたもの。落ち葉はすぐに分解されずじっくりと分解されてゆくので、長い間、土の状態を良好に保ってくれる能力があります。

「くらつき」に使用する肥料は、米ぬかやおからなどを混ぜて発酵させたもの。落ち葉と違ってすぐに分解してすぐに作物に吸収されやすい肥料で、「ボカシ肥」ともよばれています。植えられたばかりの苗が自立できるようになるまで、ボカシ肥が肥料に栄養を与えてくれるのではないかと思います。

植えられたばかり苗のすぐ下に施すので、「くらつき」を採用する場合は、本当だったら、苗が植えられる数日前に施しておいてあらかじめ土と馴染ませておいたほうが安全だと思います。

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果菜類の栽培の施肥方法について、どのやり方が自分にやりやすいのか、いろいろと暗中模索しています。苗の植え付けの1か月前に全面施肥して、植え付けの直前に溝施肥するのが最善なやり方ではないかと、今は考えています。来年は全面施肥と溝施肥を組み合わせたやり方を段取りしてみたいと思っています。

もう少し勉強してみたいキーワード:「全面施肥」「溝施肥」「穴施肥(くらつき)」「ボカシ肥」「落ち葉堆肥」

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試しにいくつかのナスの苗にボカシ肥を施して育ててみました。写真の左は施肥した苗、右は施肥していない苗。

こうやって並べて比較してみると、ちゃんとボカシ肥が苗に効いていることが確認できます。写真ではちょっと、その違いが分かりづらいかもしれないけれども、ボカシ肥を施した苗のほうが葉が広く開き、葉色が爽やかです。

2017年5月16日 (火)

平成29年春 大根の栽培

「大根は根だけでなく、葉もいっしょに届けてほしい」というご要望をよくいただきます。

意外に人気のある「大根の葉」は、害虫の被害にあいやすく、あまりにボロボロに穴だらけにされてしまったら切り捨てていますが、そんなに被害が酷くなければ、根と葉を丸ごとお届けするようにしています。

今回出荷している大根は、葉もそんなに虫に食われていなくてきれいなので、丸ごとお届けしています。ちょうど他に出荷できる葉物野菜が少ない時期なので、大根の葉に少しの間、活躍してもらおうと思います。

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大根畑の様子。写真の左に地面に葉を広げているのが大根の葉。写真の右の背が高い葉はシュンギク。

シュンギクには独特の香りがあり、虫は寄ってきません。大根のすぐ隣にシュンギクを育てておくと、大根も虫害を受けにくくなると言われています。今回、大根の葉がそんなに虫害を受けていないのも、シュンギクのおかげかも知れません。

もちろん、このシュンギクも収穫して出荷しています。シュンギクは害虫の被害にあいにくい、無農薬栽培で簡単に育てられる野菜です。

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大根が花茎を伸ばして花を咲かせている様子。

このように、高く花茎が伸びて、まるで塔が建ったような姿になることを「とうがたつ」と言います。養分が根から花の方へ吸い取られてゆくので、このような状態になってしまうと、食用部の根部の品質が落ちてしまいます。

大根は、種が発芽してから収穫時期を迎える間に、5℃くらいの低温にさらされると、とうがたちやすくなる性格があります。寒い時期に種まきして栽培すると、収穫時期を迎える前にとうがたってしまって、まったく出荷ができなくなってしまうこともあります。

現在、野菜セットに入れて出荷している大根は、2月のまだ寒い時期に種まきして、ビニール資材で保温しながら育てたものです。ビニール資材で保温しても、4月まではどうしても5℃くらいまで気温は下がる日が多いです。そこで、この時期に栽培する大根は、低温を感じにくいように改良された鈍感な品種を選んで栽培しています。

今回も複数の品種を試してみました。上の写真のようにとうがたってしまって出荷できない大根も多かったですが、「春大根・春の都(トーホク交配)」という品種はとうがたたず、無事に収穫できました。

桜が満開を迎えた頃から大根の種をまけば、もう低温の心配はあまりせずに無事に収穫しやすくなります。小林農場でも、4月に入ってから大根の種をたくさん播いています。

平成29年5月15日、16日お野菜セット(大根の抽だいについて)

今回の野菜セットの内容です。

玉ねぎ、大根、紫首カブ、二十日大根、葉玉ねぎ、キャベツ、レタス、サニーレタス、ほうれん草、小松菜、キヌサヤエンドウ、スナップエンドウ

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大根が花茎を伸ばして花を咲かせている様子。

このように、高く花茎が伸びて、まるで塔が建ったような姿になることを「とうがたつ」と言います。養分が根から花の方へ吸い取られてゆくので、このような状態になってしまうと、食用部の根部の品質が落ちてしまいます。

大根は、種が発芽してから収穫時期を迎える間に、5℃くらいの低温にさらされると、とうがたちやすくなる性格があります。寒い時期に種まきして栽培すると、収穫時期を迎える前にとうがたってしまって、まったく出荷ができなくなってしまうこともあります。

現在、野菜セットに入れて出荷している大根は、2月のまだ寒い時期に種まきして、ビニール資材で保温しながら育てたものです。ビニール資材で保温しても、4月まではどうしても5℃くらいまで気温は下がる日が多いです。そこで、この時期に栽培する大根は、低温を感じにくいように改良された鈍感な品種を選んで栽培しています。

今回も複数の品種を試してみました。上の写真のようにとうがたってしまって出荷できない大根も多かったですが、「春大根・春の都(トーホク交配)」という品種はとうがたたず、無事に収穫できました。

桜が満開を迎えた頃から大根の種をまけば、もう低温の心配はあまりせずに無事に収穫しやすくなります。小林農場でも、4月に入ってから大根の種をたくさん播いています。

2017年5月14日 (日)

立夏の風景

暦の上では季節は夏に入りました。

あちらこちらの田んぼに水が入れられ、カエル達の歓喜の歌声が鳴り響いています。

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風薫る新緑の見頃を迎えていました。ご近所さんの敷地に植えられているイロハモミジも、爽やかな若葉色でした。紅葉が美しい秋の名物として知られていますが、新緑も美しいです。

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農場の畑を取り囲んでいる雑木林の新緑も見事でした。上の写真は、おそらくミズキだと思われる樹の新緑。花の時期も実の時期も、そして、紅葉の時期も、趣のある樹らしいので、1年を通して注目をして見てゆきたい樹です。

雑木林には山桜や藤の花も見られます。案外、畑にいると、足元の作物ばかりを見ていて周りの雑木林の風景はほとんど目に入らないことが多いので、雑木林の四季を楽しむくらいの心のゆとりは持っていたいものです。

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現在栽培している、サヤエンドウの花です。妖艶な赤紫に無垢な白色。観賞して楽しむこともできます。開花してから15日ほど経つと、サヤを収穫できます。

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畑の様子。手前の大麦は、穂を膨らませてきました。

奥の黄色の帯はナタネ畑。間もなく花の時期を終えて、サヤを膨らませて種が結実してゆきます。

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小麦畑も盛んに穂を膨らませ始めています。

この季節の歌  茶摘み(文部省唱歌) 試聴はこちらをクリック。 

1.夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘みぢやないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠

2.日和(ひより)つづきの今日このごろを
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本(にほん)の茶にならぬ

「平成29年度 日本の歌百選 ~私ならばこの100曲を選ぶ~」を作成しています。多くの日本人に共有され、世代を超えて歌い継がれてきた童謡・唱歌・歌謡曲などの「日本の歌」を100曲選んでみて、このネット上に保存しています。

この中に、皆さんのお好きな歌も含まれているでしょうか?

2017年5月13日 (土)

5月12日、13日の野菜セット(採種暦)

今回の野菜セットの内容です。

玉ねぎ、大根、カブ、二十日大根、キャベツ、レタス、サニーレタス、ほうれん草、小松菜、キヌサヤエンドウ、スナップエンドウ

Dscf6241_2サヤエンドウが収穫最盛期を迎えています。たくさん実をならして、これらを全部収穫するのに、1時間以上かかってしまいました。

小林農場では、サヤエンドウの種は購入せず、実ったサヤエンドウから自分で種を採っています。自分が育てた作物が無事に収穫時期を迎えてくれるといつでも嬉しいものですが、自分で採種して育成してきた作物が立派に実って皆さんに出荷されてゆくのは、特別な感慨があります。

作物の種は今まで、お店で購入することが多かったのですが、今後は自家採種のやり方を勉強して、できるだけ自分で種を採種してゆきたいと思います。

自家採種が簡単な作物と難しい作物があります。難しい作物は今までどおりにお店から種を購入し、簡単な作物から確実に自家採種してゆけるようにしてゆきたいです。

自家採種が比較的に簡単な作物

  果菜類、根菜類(アブラナ科以外の)、鱗茎類、豆類、穀物

自家採種が比較的に難しい作物

  アブラナ科の作物、ほうれん草などの葉菜類、結球作物

今年、小林農場が自家採種したい作物

小麦、大麦、トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモ、キュウリ、カボチャ、ニガウリ、ハヤトウリ、オクラ、ニンジン、大豆、インゲン、ソラマメ、エンドウ、小豆、ラッカセイ、サツマイモ、サトイモ、ヤマイモ、ネギ、玉ねぎ、ニンニク

本などで調べた「採種暦」をまとめてみました。

3月

 ネギの母本選抜、定植

 カボチャの母本選抜、種子採り

 サツマイモの伏せこみ

 里芋のの母本選抜

5月

 ソラマメの母本選抜

 エンドウの母本選抜

 玉ねぎ(極早生種)の母本選抜

6月

 ソラマメの種子採り

 インゲンの母本選抜

 エンドウの種子採り 

 ネギの種子採り

 玉ねぎの種子採り

 大麦の種子採り

 小麦の種子採り

 ニンニクの種子採り、母本選抜

7月 

 人参の種子採り

 トマト(大玉、中玉、ミニ)の母本選抜、種子採り

 キュウリの母本選抜、種子採り

8月

 インゲンの種子採り

 ナスの母本選抜

 オクラの母本選抜

9月

 ニガウリの母本選抜、種子採り

 ピーマン類の母本選抜

 トマト(マイクロ)の母本選抜、種採り

10月

 ナスの種子採り

 ピーマン類の種子採り

 オクラの種子採り 

 ハヤトウリの母本選抜、種子採り

 ラッカセイの種子採り(莢ごと保存)

 サツマイモの母本選抜

 玉ねぎ(晩生種)の母本選抜

11月

 大豆の種子採り

 小豆の種子採り

 玉ねぎの母本定植

12月

 人参の母本選抜、定植

 ヤマイモの母本選抜、切り分けキュアリング

2017年5月11日 (木)

3・11は食の安心を考える日  平成29年3月9日

3・11は食の安心を考える日  平成29年3月9日

春雪の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  6年前の3月11日、東日本大震災に伴って福島第一原発が爆発して大量の放射能物質が飛散し、福島県やその周辺の海も農地も汚染されました。食の安全性は脅かされ、東北・関東地方の魚介類、農産物は多くの消費者に敬遠され、漁民や農家は苦しい想いをしました。

  小林農場は堆肥の材料として米ぬかやモミガラなどの有機物を利用していますが、原発事故直後はこれらの有機物も放射性物質で汚染されている危険があると考えられていました。行政が行っていた放射能検査の結果を見ながら安全性を確認した上で、使用しました。

  落ち葉は堆肥の材料として必要な有機物ですが、特に放射能汚染の影響を受けやすい有機物は落ち葉だとも言われています。私は農場のまわりを取り囲んでいる雑木林より落ち葉をかき集めていますが、放射性物質は雑木林のような場所で吹き溜まりとなって居残っている可能性があり、数十年間消えることなく、人体に有害な放射線を発し続けます。

私は毎年、落ち葉で作った堆肥を検査機関に送って放射能検査をしてもらい、堆肥の安全性を確認してから利用するようにしています。ただ、検査で得られる情報の正確さにも限界があると思っています。あまり雑木林の奥には入らず、雑木林の手前に落ちている落ち葉のみを収集するなど、採取場所を注意して選ぶなどして、より安全な管理を心掛けています。

  現在は放射性物質の他にも、農薬や遺伝子組み換え物質など、人体や地球環境に有害かもしれないと推測されている物質が、空、海、陸に拡散してしまっています。私が利用している堆肥の中にも、それらが混ざっているかもしれません。

今の時代に安心できる農産物を栽培するのは難しいです。小林農場では、「できるだけ安心な野菜をお届けします」と宣伝していますが、この「できるだけ」の部分を省いて「安心な野菜をお届けします」と言い切ってしまうと、私はウソつきになってしまうでしょう。

  利便性を求めて様々な得体の知れない人工物を生み出して拡散してきた私達の社会が、美しい自然環境を損ねてきました。消費者は生産者に安全な食材を提供するように求めますが、努力するのは生産者だけではなく、消費者もいっしょになって、社会全体で自然環境の改善に取り組まなければ、食の安全性は守れません。

  原発が存続するかぎり、私達はこれからも原発事故や放射能汚染の恐怖に怯えて暮らしていかなくてはなりません。福島第一原発事故の後、東日本では原発は稼働していませんが、それでも人々は問題なく生活しています。原発は私達の生活に必要ありません。

  西日本では原発が再稼働されて、日本は原発を捨てることができていませんが、それは技術の問題ではなく、政治の問題だと思います。次の国政選挙では、「脱原発」を真剣に取り組んでくれる政治家に投票するように、多くの国民の皆さんにお願いしたいです。

私は自分が育てて皆さんにお届けしている野菜の安全性について、どの部分に不安を感じているのか、皆さんに正直にお伝えしてゆきます。それを叩き台にして、食の安全性を守ってゆくにはどうすればよいのか、皆さんもいっしょに考えていただければ嬉しいです。

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後記  以上は2か月前に書いた農場通信を、少し訂正して今回のブログに載せました。農場通信では「安全」という言葉を使っていましたが、それをこのブログでは「安心」という言葉に置き換えてみました。

 「安全」と「安心」という言葉は、同じように見えて実は微妙に違います。私もこの2つの言葉を意識的に使い分けたほうが良いと思いました。この2つの言葉の違いについて、いずれこのブログで私なりの考えを書いてみたいと思います。

2017年5月10日 (水)

栽培暦 4月30日~5月6日(4月の育苗について) 

この週に行った仕事です。

収穫・出荷  片づけ  育苗  除草(ネギ苗など)  播種(オクラなど)  小麦粉の袋詰め  仮植え(里芋、ナガイモなど)  移植(カボチャ、キュウリ、ズッキーニなど)  緑肥を粉砕、鋤きこみ  サヤエンドウの誘引  播種(小松菜、カブなど)

春作の苗作りも終盤。間もなく、育苗ハウスで育てた苗が、次々と畑に植えられてゆきます。

今回の育苗でも、いろいろと新たな学びがありました。

今年はネズミによる被害がひどく、私がいろいろと苗を防御してあげても、いったいどうやってその防御を突破するのかわかりませんが、ネズミにたくさん苗を食べられてしまいました。

春は温床の中で暖めながら苗を育ててきましたが、温床から苗を外に出すと、どういうわけだかネズミは苗に手を出さなくなります。4月下旬に夏の葉物野菜やウリ類の作物の種播きを行いましたが、温床を使うのをやめて、温床の外で始めから苗を育てることにしました。

4月の下旬でも、まだ早朝は育苗ハウスの中でも5℃くらいにまで気温が下がりますので、夜間はさらにトンネル状にビニールをかぶせて種まきされた育苗箱を保温しました。だいたいこの時期に種まきされる作物の発芽適温は25℃とか30℃とかで、けっこう高温が必要です。

温床なしで種が発芽してくれるかどうか心配しましたが、モロヘイヤなどの葉物野菜は種まきしてから3日後には何の問題もなく発芽して、カボチャも種まきして10日ほどした頃に、だいたいの種の発芽が揃いました。(発芽するまでの床土の地温は、昼は20度から35度くらいを推移し、夜間は10℃くらいまで低くなることもありました。)

4月になれば昼に日が出るとハウスの中はたちまち30℃や40℃くらいまで上がってしまうので、しっかりと換気しながらハウス内の気温を下げるのに神経を使います。むしろ、温床を使うと温度が高くなりすぎて、育苗が難しくなる場合もあります。4月下旬は温床なしでも作物の種を発芽させて育てることができるということを確認できたのは、今年の育苗の収穫でした。

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現在の育苗ハウスの様子。

2017年5月 9日 (火)

平成29年5月8日、9日の野菜セット(第8回SATOYAMAヘルシーマーケットについて)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、大根、カブ、紫首カブ、分けつネギ、キャベツ、レタス、サニーレタス、小松菜、ほうれん草、サヤエンドウ

月曜日は夏のような暑い一日となりました。朝の七時にはすでに暑く、葉物野菜を収穫するとすぐに葉がしおれてしまう感じ。昨日、雨が降って葉がしっかりと湿っていたこともあり、出荷作業が少し大変でした。これから暑くなるので、葉物野菜などを収穫する場合は、日が出たらすぐに、まだ涼しいうちに収穫したほうがよさそうです。

小林農場の野菜セットを定期購入してくださっている芳賀郡や宇都宮市にお住まいの皆さんには、野菜セットといっしょに「SATOYAMA ヘルシーマーケット」のチラシもお配りしています。市貝町での春と秋の恒例行事となりました手作り青空市場です。小林農場も野菜や加工品を持参して出店いたします。

一般的な売り場では手に入らないようなこだわりの手作りの商品が並びます。どうぞ皆さん、会場までおこしくださいませ。

第八回 SATOYAMA ヘルシーマーケット

  日時 5月28日(日) 10:00~15:00

  場所 市貝町 観音山梅の里

「SATOYAMA ヘルシーマーケットのページ(FB)」にて詳細が掲載されるようなので、ご覧下さい。過去に開催されたイベントの様子もご覧できます。

2017年5月 6日 (土)

平成29年5月5日の野菜セット(5月から収穫されている新顔について)

今回の野菜セットの内容です。

玉ねぎ、人参、里芋、カブ、紫首カブ、分けつネギ、キャベツ、レタス、サニーレタス、ほうれん草、小松菜、水菜

こどもの日の野菜セットの内容は、収穫時期を迎えたばかりの新顔の作物を複数入れることができて、季節が一歩進んだような内容となりました。

本当は収穫時期を迎えた大根も今回のセットの中に入れられたのですが、他にも出荷できる作物がたくさんあったので、今回は大根の出荷を控えました。去年の9月から不作が続き、セットに入れる野菜の種類数を確保するのに苦労してきたので、「収穫できる野菜がありすぎて、どれをセットの中に入れてよいのか迷ってしまう」という感覚をものすごく久しぶりに味わいました。

今まで野菜セットの中に入れてきた人参、ジャガイモ、里芋は在庫がなくなり、来週から姿を消します。また少しだけ出荷できる野菜の種類が減るかもしれませんが、再来週にはまた種類数が増えてゆくでしょう。

去年の秋の不作から始まった苦しい状況から抜け出そうとしています。我ながら、よく乗り切ったと思います。

Dscf6219今年度の玉ねぎが、まずは極早生の品種(ジェットボール・ナント育成)から少しずつ収穫されています。

Dscf6212去年の秋の遅い時期に苗を植えたキャベツが収穫され始めています。

10月はまだ害虫がたくさん畑にいるので、11月の寒い時期になるのを待ってから苗を畑に植えて育てました。ちょっと苗を植える時期が遅すぎるかと思って心配していましたが、5月に入る頃にはいくつかのキャベツが結球してくれました。この後も遅れて、他のキャベツが結球してくれると思います。

でも、11月まで苗を植えるのを待ったのに、それでも害虫のネキリムシに1割ほどの苗が切られてしまいました。

Dscf6216ホウレンソウが野菜セットに帰ってきました。品種は「晩抽パルク(サカタ交配)」。2月に種まきしたホウレンソウはみんな、トウが立ってしまって出荷できませんでしたが、3月に種まきしたホウレンソウは無事に収穫時期を迎えました。

春作のホウレンソウ栽培は小林農場の課題でした。この春は、春作に向くホウレンソウの品種を発掘したいと思っています。

2017年5月 4日 (木)

下畑、新畑   平成29年3月2日

下畑、新畑   平成29年3月2日

寒さもだいぶゆるんできた今日この頃です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  まだ早朝は霜が降りて畑は白く見えますが、日中の日差しは力強さを増して、ジャケットを脱ぎ捨てる日も増えてまいりました。季節は確実に春に向かっているようです。

  冬の間は作物が新たに畑に作付けされることがなく、畑で育っている作物は少ないのですが、3月に入ると新たに作物が作付けされてゆきます。ジャガイモの種イモが、キャベツやレタスの苗が、葉物野菜や人参やカブやネギの種が次々に畑へ送りだされてゆきます。

  小林農場には、それぞれ、「下畑」と「新畑」と呼ばれている2枚の畑があります。「下畑」は土が肥沃でどの作物も良く育ちますが、ただ、面積がそんなに広くないです。

「新畑」は見渡すかぎりに耕地が広がる大きな畑ですが、土作りの年数は浅く、肥沃ではない土が多いです。「下畑」と比べて「新畑」は害虫による被害も多いです。

キャベツやブロッコリーなど、生育中に肥料を好み、虫害を受けやすい作物は、「下畑」に作付けする予定です。今年の冬は、肥沃な「下畑」にさらに堆肥を施し、万全の準備をいたしました。いっぽう、肥沃でない土でも良く育ち、害虫にほとんど食べられることのないジャガイモは、「新畑」の広い面積にたくさん種イモを植えて育てる予定です。

小松菜などの葉物野菜も、肥沃でない土で育つことができますので、3月になったら「新畑」に種を播こうと思います。ほうれん草は他の葉物野菜とは性格が違い、土が肥沃でないとうまく育ちません。ほうれん草は葉物野菜の中で最も人気が高いので、この春は他の葉物野菜とは別にして、「下畑」でほうれん草の栽培に力を入れて取り組む予定です。

「下畑」は先代の農家の方が数十年間、堆肥を散布し続けて土を作った後、私に譲られました。同じような土作りをすれば、「新畑」も数十年後には肥沃になってゆくでしょう。

  ただ、堆肥の確保には大変な労力が必要で、「新畑」の広い面積を全て、肥沃な土に変えてゆくことは難しいでしょう。土を肥沃にするために多大な労力と金をかけているようなやり方では、長く続きません。土を肥沃にしてゆく方法を学ぶと同時に、「肥沃な土でなくても作物を栽培できる知恵」を身につけることも必要です。「新畑」ではそのような知恵を得るための実験がいろいろとできそうです。今は、堆肥を散布するのではなく、「緑肥」と呼ばれる草を畑に生やして土の物理性を改善してゆく実験をおこなっています。

  ジャガイモ、ネギ、人参など、肥料が少なくても育ち、虫害を受けにくい作物は、意外に多いです。だからこそ小林農場のように化学肥料や農薬を使わなくても、野菜栽培が成り立ちます。今までこれらの作物は「新畑」で良好に生育してくれていました。

虫害に遭いやすい作物とそうではない作物。肥料を必要とする作物とそうではない作物。その作物の性格を熟知して適所に作付けしてあげれば、労力が減ります。よって、それぞれ性格の違う複数の畑を管理するのは、多品目の野菜を栽培する時に都合が良いです。

土が肥沃で手触りが気持ちの良い、頼り甲斐のある「下畑」。図体は大きくて粗削りの「新畑」。性格の違う2枚の畑がしばしの冬眠から目覚め、活動し始めようとしています。

2017年5月 3日 (水)

平成29年5月1日、2日の野菜セット(予冷について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、里芋、カブ、紫首カブ、分けつネギ、キャベツ、サニーレタス、サンチュ、小松菜、水菜、からし菜

立春から数えて88日がすぎ、季節は春から夏へと変わりました。

気温は高くなり、収穫する葉物野菜の管理に少し気をつけたほうが良さそうです。最近は収穫した後、葉がしおれやすくなってきているように思います。

収穫した野菜をすぐに冷蔵してあげると、鮮度が落ちにくくなるようです。この気遣いを「予冷」と言います。

小林農場も新たに保冷庫を購入する予定ですが、予冷技術について勉強して、暑い時期にもより良い状態で皆さんに野菜をお届けしてゆけるように努めたいと思います。

予冷について私が参考にしたページは、こちら。

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