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2017年2月

2017年2月26日 (日)

「自然」という言葉を問う    平成28年12月22日

「自然」という言葉を問う    平成28年12月22日

今年もいよいよ残りわずかとなってしまいました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  現在、一般的に行われている近代農業では、人工的に生産された農薬や化学肥料を農地に投入して作物を栽培してゆきます。自然界から離れた栽培方法によって自然環境を悪化させてしまったことにより、自然の力をそのまま生かした栽培方法が見直されています。

  その流れの中で、人が肥料をいっさい与えずに作物を育てる「無肥料栽培」が最近、脚光を浴び始めています。土の力のみで育てたほうが作物はたくましく生育して、その味もおいしくなると考えられ、「無肥料栽培」は「自然栽培」とも呼ばれています。

  「自然栽培」で育てた人参を希望する消費者の方々からご注文をいただき、一部の人参を、肥料を散布した経歴のない畑で栽培してみました。結果は悪く、収量はわずかでした。

  肥料を散布したことのない畑は土が固く、人参の栽培には不向きでした。「無肥料」にこだわりすぎてわざわざ人参が不得意とする固い土を選んで育ててみた今回の人参栽培は、「自然栽培」ではなくて、「不自然栽培」だったと思います。本当に人参がすくすくと自然に生育してくれていたのなら、こんなに収量が悪くなったりしないでしょう。

  できるだけ人が余計な手出しをせずに自然界の力に委ねて作物を栽培してゆくのが、小林農場の基本姿勢です。ただ、人参にしろジャガイモにしろ、これらの野菜は長い年月をかけて人間によって人間の都合の良いように改良されてきた、もともと自然界にはない植物です。野山に自生している野草とは違い、野菜は人の手助けを必要とする場面が多いです。

  人が肥料を施してあげたほうが作物は本来の力を発揮して自然に育ってくれる場合もあります。肥料を与えないほうが自然なのか、それとも肥料を与えたほうが自然なのか、作物をじっくりと観察して、作物と会話しながら判断できるようになれればよいです。

  自然環境が悪化してゆく時代に生まれた私は、「自然な暮らし」を求めて農業を始めてみました。でも畑では、自分達が食べたい作物のみを繁殖させて、他の植物を「雑草」と呼んで排除してしまいます。農業も自然界から外れた営みだと思うようになりました。

  本気の本気で「自然な暮らし」をしたいのであれば、農業をやめて、大昔のご先祖様達のように、その土地で自生している生き物を食料とする狩猟採取生活をするべきでしょう。しかし、現代文明の中で生まれ育った私が、突然、大昔と同じような狩猟採取生活を始めることは、とても「不自然」な話だと思います。

  私はどうしても、「自然」という言葉にこだわってしまいます。何が「自然」で、何が「不自然」なのか?考えれば考えるほど分からなくなってきて答えを出せないからこそ奥の深いこの問いを、哲学者のマネをして哲学的に問い続けることは、楽しいものです。

来年も「自然な野菜」を皆さんにお届けしてゆけるように精進してゆきたいと思っています。「自然な野菜とはこういうものだ」と簡単に答えを固定しようとするよりも、「自然な野菜とは何か?」という深い問いかけをさらに掘り下げてゆき、常に思考し続けてゆくことの楽しさを味わってゆきたいと思います。みなさん、良いお年をお迎えください。

2017年2月25日 (土)

平成29年2月24日の野菜セット(水洗いについて)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、里芋、ゴボウ、カボチャ、ほうれん草、油菜、水菜、京菜

「食べきれないので野菜の量を少なくしてほしい」「その野菜は好物なのでもっとほしい」「特定の野菜にアレルギー反応があるので、その野菜を除いてほしい」など、野菜セットについてのみなさんからのご要望を個別に承ります。ご要望のある方は、電話やメールで農場まで、または、小林に直接にお伝えください。

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里芋や人参など、土から取り出した後は泥だらけなので、簡単に水洗いしてから出荷しています。

海水浴場などで人が込み合っている様子を「イモの子を洗うようにこんでいる」と表現したりしますが、里芋の子芋をまとめて水で満たした桶の中に入れてガシャガシャとかき混ぜれば、泥を簡単に落とせます。

表面に傷のある里芋は傷みやすく、出荷する前には傷のある里芋を取り除くようにしています。以前は里芋は泥をつけたまま出荷することが多かったですが、簡単に水洗いしてから出荷するようになってからは、出荷する前に傷を見つけやすくなって、傷んでいる里芋をお届けしてしまうことが以前と比べてずいぶん少なくなったと思います。

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Dscf0956水洗いしてから出荷された人参。

野菜の表面には雑菌が侵入するのを防ぐ層があり、あまりゴシゴシと水で洗い流すと泥だけでなく層も落ちてしまい、野菜の鮮度が悪くなるという話を聞いたことがあります。それで「泥付き野菜」のほうを好んで購入する消費者もいます。

確かに、ピカピカに泥を洗い落としてみると、野菜の表面がフニャリとしてきて肌に張りがなくなり、いかにも鮮度が落ちたような感じになる傾向はあります。

最近は、私の住まいの近くに引っ越してきたご近所さんが出荷作業のお手伝いをしてくれています。人参を1本1本、とても丁寧に水洗いして泥を落としてくれたので、「もう少し手間をかけずに雑に水洗いをして、人参の表面にテキトーに土を残して」と、少し難しい注文をしてみました。

2017年2月23日 (木)

平成29年2月20日、21日の野菜セット(乾麺について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、里芋、カボチャ、ほうれん草、油菜、みぶ菜、京菜、乾麺

 

「食べきれないので野菜の量を少なくしてほしい」「その野菜は好物なのでもっとほしい」「特定の野菜にアレルギー反応があるので、その野菜を除いてほしい」など、野菜セットについてのみなさんからのご要望を個別に承ります。ご要望のある方は、電話やメールで農場まで、または、小林に直接にお伝えください。

 

今回の野菜セットには乾麺を加えてみました。小林農場が栽培した小麦を、地元の製麺所で製麺しました。

市販で販売されている乾麺と比べて色が黒いのが小林農場の乾麺の特徴です。粉の風味が香る麺に仕上がっています。

通常はご購入をご希望される方のみにお届けしている商品ですが、現在のように出荷できる生野菜が少ない時期は、期間限定で野菜セットの1品として加えています。

小麦の品種は「農林61号」を使用。太い麺にして製麺。冬の寒い時期に煮込んで食べると、おいしいです。

いっぽう、小林農場が小麦粉に加工している小麦の品種は「南部」です。南部を太麺に加工してみると、煮込んだ時に食感がモサモサとして食べにくいというご感想をいただきました。乾麺に加工する小麦には「農林61号」を利用すようにした以降、おかげさまで、好評をいただけるようになりました。

しかし、南部を太麺ではなく細麺に加工して、さっとゆでてざるそばやサラダにして食べると、南部のすばらしい香りを堪能することができます。「農林61号の太麺」だけでなく、「南部の細麺」もレシピをつけてお届けすれば、乾麺のいろんな楽しみ方をお伝えできると思います。

でもやっぱり、「南部」は乾麺にするよりも小麦粉にしたほうがよく売れるかな。

2017年2月22日 (水)

栽培暦 平成29年2月5日~2月11日(冬の土の団粒の様子)

この週の仕事の内容です。

収穫・出荷  片づけ  育苗  ビニールトンネルを張る  サヤエンドウの支柱を作る  有機物の入手、畑に散布  播種(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、レタス類など)

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冬の間の畑の表面の様子です。粘土が練られたような「ゴロゴロ」とした感じでもなく、全く粒が見られない砂のように「サラサラ」とした感じでもなく、ちっちゃな塊がたくさんくっついているような「ホロホロ」とした優しい感じの土です。

この「ホロホロ」としている土のことを、専門用語で「団粒」と呼びます。土が団粒になっていると、作物も気持ちよく根を伸ばして健全に育つようです。

小林農場の畑の多くは、土が粘土質で、耕すとゴロゴロとしてしまいやすく、種まきなどの畑仕事がやりにくいです。それが、冬の間だけは、ゴロゴロとしていた土がホロホロとした土に変わり、一面が覆われていました。おそらく、数カ月間、トラクターで土を耕さなかったからだと思います。

土の中に手を突っ込んでみると、ホロホロトしている土は表面だけで、そのすぐ下は固かったです。先週、トラクターで土を深く耕してみたら、下の写真のとおり、ホロホロと優しかった土の表面が、ゴロゴロの荒々しい風景に変わりました。

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農閑期が終わり、これからいろんな作物が作付けされてゆく度にトラクターで畑を耕す作業が欠かせないので、どんどん畑の土はゴロゴロに変わってゆくでしょう。

小林農場の畑の中で、「下畑」と呼ばれている畑は、数十年間、堆肥を入れ続けて改良されてきたので、土の深くまでホロホロとしていて、トラクターで耕してもゴロゴロにならず、その表情はいつも優しいです。「下畑」は、土作りの生きた教科書です。

それにしても、冬になると、私が何もしなくても勝手に、ゴロゴロとしていた土の表面がホロホロと変わってゆく現象は、とてもおもしろくて興味深いです。
 

平成29年2月12日~2月19日(育苗の初期の様子)

この週の仕事の内容です。

収穫、出荷  片づけ  育苗  播種(葉物野菜、カブ、人参など)  播種(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、レタス類など)  除草(サヤエンドウ、春キャベツ)  有機物の確保、肥料の作成  サヤエンドウのネット張り  農機の整備  トラクター耕

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春野菜の育苗(苗作り)が始まっています。ポットに種を播き、温床の中で暖めながら発芽させて苗を育てます。

上の写真は、温床の中で、キャベツ、ブロッコリー、レタスなどの苗を育てている様子。

Dscf0923種まきされてから2週間が経過した、レタスの苗。

・温度

夜になればマイナスの5℃まで気温が下がる寒い時期ですが、夕方になって温床の上にフタをしてその上から毛布をかぶせて温めてあげれば、温床の中は夜間でも10℃前後の温度を維持しています。

あまり温度を高くしすぎても、苗は健全に育ちません。温度計をマメに確認していますが、温床の中は温度が高いようで、どんなに換気をしても、どうしても地温が30℃くらいまで上がってしまいます。本当は、地温25℃以下で管理したいのですが。

ただし、温度計は、横に置いたり縦に置いたり、置き方が違うだけでも違った数値を示すことがあります。あまり温度計の数値を過信してはいけません。自分の体が感じる体感温度を基にして温度管理をしたほうが良い場合もあります。

今のところ、順調に苗は発芽して生育しているので、私の今までの温度管理は間違っていないようです。

・水やり

床土が乾いて白く見えたら、水を与えています。

午後3時以降は、育苗ハウスは日陰になってしまいます。日の当たらない夜に床土にたくさん水分が残っていると、苗はヒョロヒョロと伸びてしまい軟弱に育つ傾向があるので、午後の遅い時間は、床土が乾いていても水を与えないようにしています。

・床土

今までのところ、2年間熟成させた床土を使用しています。床土の材料は主に落ち葉ですが、2年経過してすっかり細かく分解されて、1年だけ熟成させた床土よりも、扱いやすいです。

・温床

今回は温床の表面に、たっぷりとクン炭(モミガラの炭)を散布してみました。

温床の中にネズミが出没して、せっかく育っている苗を食べてしまうこともあります。ネズミはクン炭の匂いが苦手らしいので、クン炭はネズミ除けにもなるらしいです。

夜間は苗の上にぴったりとフタをかぶせて、物理的にも苗をネズミから守るようにしています。

2017年2月19日 (日)

2月17日の野菜セット(温存している作物について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、里芋、ゴボウ、カボチャ、ほうれん草、油菜、みぶ菜、京菜

2月17日

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3月から出荷する予定だったゴボウを、試しに畑から掘り出して、野菜セットに加えてみました。

品種は「サラダゴボウ」と「うまいゴボウ」(どちらもトーホク育成)。どちらもあまり長く伸びない小さいごぼうですが、香りが良いという特長を持っています。

以前は収穫をする前年の4月にゴボウの種まきをしていましたが、冬にはこん棒のような太さにまで生育してしまって扱いづらかったので、最近は種まきを遅らせて、梅雨に種を播いています。以前と比べれば、ちょうど良い大きさのゴボウが収穫できています。

とっくに収穫時期を迎えていたのですが、あまりたくさんゴボウを栽培していなかったので、今まで出荷せずに温存してきました。次回はもう少したくさん作って、冬の間、出荷できるようにしたいと思います。

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株ネギ。今は寒さに当たって枯れ葉が目立って縮こまっていますが、3月になって暖かくなる頃、蘇ったように葉を力強く広げて、立派な姿に変わります。今のうち出荷してしまうのはもったいないので、出荷を我慢して温存。

ネギも冬の間ずっと収穫できる野菜なのですが、この冬は不作のため量が不足して、全く出荷できませんでした。3月から出荷予定の株ネギに、どうぞご期待ください。

3月、4月は出荷できる野菜が1年で最も減ってゆく「野菜の端境期(はざかいき)」です。ゴボウにしろ株ネギにしろ、端境期でも出荷できる希少な作物です。収穫時期を迎えたらすぐに出荷してしまうのではなく、端境期を考慮して、出荷せずに温存しています。

2017年2月16日 (木)

不作から学ぶ平成28年    平成28年12月20日

不作から学ぶ平成28年    平成28年12月20日

歳晩の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  今年は大根、長ネギ、白菜など、寒い時期にぐつぐつと煮て食べれば体を温めてくれる冬野菜が、ことごとく不作でした。冬の蓄えが不足気味です。

  2月に入ると春野菜の種まきが始まり、その春野菜が収穫されるようになるのは4月からとなります。先は長いですが、なんとか来年の4月まで、少ない蓄えをうまくやりくりしながら野菜セットの中身の品目数をそろえて皆さんにお届けしてまいりたいと思います。

  今までで最も収量が少ない厳しい年でした。「平成28年の大不作」として、10年先まで記憶に残る年になると思います。

いっぽうで、今年ほど野菜セットを購入してくださる世帯が増えた年はありませんでした。不作のために最良の状態で野菜セットをお届けすることができなかったのにも関わらず、本当にありがたいことです。もっとたくさんの野菜を確実に栽培していかなくてはいけません。まずは農場が抱えている問題点をしっかりと認識することが肝心です。

小林農場には、人手が欲しい時に人手がいないことが大きな問題です。今までは農場で仕事をしている人数は、小林ただ一人でした。農薬や除草剤を使用せずに作物を栽培すれば食の安全性を高めてゆくことができますが、害虫対策や雑草対策にかける手間は何倍にも膨らみます。手間のかかる無農薬栽培を成り立たせてゆくには、人手が必要になります。

小林農場には人手がないので、雑草や害虫から作物を守ってあげられず見殺しにしてしまうことが度々ありました。農薬や除草剤がなかった昔の時代の農家が農業を続けてゆくことができたのは、近所の農家たちがお互いに人手を貸し借りしていたからでしょう。

  もう一つ大きな問題は、作物栽培に肝心な「土作り」のやり方がまだ試行錯誤していて確立されていないということです。小林農場にはそれぞれ「新畑」と「下畑」と名付けられた2枚の畑がありますが、「新畑」の多くがまだゴロゴロとしていて固くて作業がしにくい土で、その状態を改善できずにいます。

  「下畑」の土は、手触りの良くて作業のしやすい土に改良されています。この畑を私に譲ってくれた先代の農家の方が、30年間ほど堆肥(有機物)を畑に散布して、土を豊かにしてきました。「新畑」はまだまだ、今まで散布してきた堆肥の量が少ないのでしょう。

  以上、「人手の確保」と「堆肥(有機物)の確保」が、今後の小林農場の作物栽培を改善してゆく上での要点となるかと思います。改善策の方向は、はっきりと見えてきました。あとはもっと作物を観察して、作物と会話できる能力を身につけていきたいと思います。    

小林農場の中の今年の流行語大賞は「野菜やりくり」です。前述しているとおり、本当に少ない実りをうまくやりくりしながら出荷してゆくのに苦労しました。

  小林農場の中の今年の漢字は「雨」です。「雨降って地固まる」の「雨」です。今年はけっして「晴」ではなかったけれども、回復不能なまでに破壊し尽くす「嵐」でもありませんでした。平成29年は平成28年の教訓を生かしていきたいと思います。

2017年2月15日 (水)

2月13日、14日の野菜セット(水菜、みぶ菜について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、里芋、カボチャ、キャベツ、ほうれん草、油菜、水菜、みぶ菜、京菜

2月13日 葉物野菜

Dscf0904写真の左は水菜、右はみぶ菜。どちらも味がさっぱりとしていて、シャキシャキとした歯応えを生かしてサラダなどで生食してもおいしい京野菜です。

冬の寒さに対して抜群の耐寒力を見せつけているホウレンソウと比べると、水菜とみぶ菜は繊細なようです。これらの葉物野菜を青々とした良い状態で収穫できるのは、1月の上旬まででしょう。先週に降った雪に押しつぶされてしまった影響か、今回収穫された水菜やみぶ菜は、葉が少しだけしおれ気味でした。

現在収穫されている水菜とみぶ菜には、霜枯れした葉がたくさん混じっていて、出荷前にそれらを取り除くのに大変な時間がかかってしまっています。間もなくこれらの葉物野菜の出荷を終了したいと思います。

2月に入ってから新たに葉物野菜の種を畑に播きました。これらが収穫されるのは、早ければ3月下旬より。秋播きの葉物野菜とは味わいの違った葉物野菜が出荷されていくので、お楽しみに。

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Dscf0873みぶ菜。各ご家庭お届けしている量はこのくらい。

Dscf0874上の写真のみぶ菜をゆでると、体積が減って、小皿に納まるくらいの量になりました。

葉物野菜は、火に通すと、けっこう縮みます。私は1束分の葉物野菜の量なら一人で1食でペロリと食べきってしまいますが、皆さんのご家庭ではいかがでしょうか?

野菜セットに入っている葉物野菜をすぐに食べきれない場合は、軽くゆでて水気をしぼって冷凍庫で冷凍保存するようにおすすめしています。葉物野菜の体積も減って、冷蔵庫に納めやすくなります。

2017年2月12日 (日)

信頼関係は地道に積み上げてゆくもの   平成28年12月8日

信頼関係は地道に積み上げてゆくもの   平成28128

師走の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  日本では、見栄えの悪い野菜は消費者に好まれず、例えば葉物野菜は、葉に少しでも虫に喰われてできた穴があると、たちまち売れなくなります。だから農家も生活してゆくために、農薬を使用して害虫を駆除しなくてはいけません。

  無農薬栽培を実践している小林農場の葉物野菜は、多くが葉の上に虫食われ穴が見られます。しかし、食べていただければ分かるように、その味質にはなんの問題もなく、おいしく食べられます。虫食われ穴のある葉物野菜でも受け取ってくださる皆さんがいてくれるおかげで、私は無農薬栽培を続けてゆくことができます。

  ただし、あまりに虫に喰われた痕が目立ちすぎていると商品としてふさわしくありません。現在出荷しているカブは葉もつけて出荷していますが、先月収穫したカブはあまりに葉が虫に喰われてボロボロとなっていたので、葉を切り落として出荷しました。

  先日、野菜セットに入っていたからし菜が、お届けした時にはすでにほとんど傷んでしまっていたというご報告をいただきました。貴重なご報告を受けたおかげで寒くなるとからし菜は傷みやすくなることが分かり、その後はからし菜を出荷するのをやめました。生産者の思い通りに仕上げられる工場製品とは違い、農産物は生き物なので、出荷された野菜が傷んでしまうことも稀に起こります。

貴重なお金を支払って購入した野菜セットの中に傷んだ野菜が見つかったりしたら、受け取った方々はがっかりしてしまうでしょう。届けられたからし菜が傷んでいたことをご報告された方々には、次の野菜セットの配送時にサービス品をつけ加えてお届けしました。小林農場の野菜を定期購入してくださっている方々に対して、私なりに誠意を示してみました。

今年は不作で、多くの作物が十分に大きく育たず、これから野菜セットに入る大根もキャベツも白菜も、規格外の小さなものが多くなると思います。スーパーで並んでいるような立派な姿の野菜ではなく物足りない大きさかもしれませんが、見栄えに関わらずどれもおいしく食べられることを皆さんにお伝えしながら、お届けしてまいりたいと思います。

スーパーに並んでいるような立派な姿の野菜を無農薬栽培でも出荷できるように勉強しています。ただ、その時その場所の環境によって作物はいろんな姿に生育するのが自然で、中には立派でない作物もできます。どんな姿の野菜でも無駄にせずに大事に出荷したいと思っています。

どんな姿の野菜でも皆さんに納得して受け取ってもらえるためには、説明を尽くしながら普段から地道に皆さんと信頼関係を築いてゆくことが必要だと考えています。今年のような不作の年にこそ、農家はいつも以上に説明を尽くす必要があり、この状況をうまく逆手にとれば、消費者の皆さんに農場の現状をより深くお伝えしながら農場の素顔をお見せして、「顔の見える関係」を築いてゆく良い機会にできます。

2017年2月11日 (土)

平成29年2月10日の野菜セット(雪の日の葉物野菜の収穫について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、里芋、カボチャ、ほうれん草、油菜、水菜、みぶ菜、京菜

ほうれん草や小松菜などの葉物野菜は、数ある作物の中で最も収穫・出荷作業の手間がかかる作物の一つです。収穫した後、商品として販売する前に一株一株を手に取って、霜枯れしている葉を取り除く作業が欠かせません。

畑仕事に十分に時間を費やしていけるようになるためにも、この出荷作業にかける時間をできるだけ短縮したいもの。手先の不器用な私はどうしても葉物野菜の出荷作業に時間をかけてしまい、もうちょっと要領良くできるように工夫しなくてはいけません。

雨が降ったりして葉物野菜が濡れると、さらに出荷作業がやりにくくなります。収穫日の前後の天気予報を確認して、雨が降りそうなら雨の前に収穫をすませておくようにしています。

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今回は収穫日の朝から雪が積もり、雪をかき分けながらの葉物野菜の収穫となりました。天気予報ではそんなに雪が降らないような予報だったのですが、思っていた以上に雪が積もり、少し焦りました。

通常なら畑全体を見渡して、その時に最も生育の進んでいる葉物野菜を見つけて収穫してゆくのですが、雪が積もるとどこに何の葉物野菜があるのかさっぱり分からなくなってしまいます。畑はホワイトアウトです。とりあえず雪かきしてみて、居場所が分かった葉物野菜から手当たり次第収穫してゆくような感じになりました。

葉物野菜の上には、普段から防寒用の布をかぶせていますが、布の上に積もった雪は、けっこう簡単にどかすことができます。布をめくると、葉物野菜は濡れていなくて乾いていて、比較的良い状態で収穫できました。

ただ、布に雪が積もれば、漬け物の上に乗せる重石のように、葉物野菜を押しつぶしてしまう危険性があります。今回の雪は次の日にはすぐに溶けてくれましたが、ときどき何日間も溶けずに雪が残ることもあります。そんな時は、すこし手間をかけて、布の上に積もっている雪をかいたほうが良いような気がします。

防寒用の布をかぶせていなかったホウレンソウは、野菜セットの配送当日の金曜日に雪が溶けるのを待ってから収穫しました。葉は濡れてしまい、ちょっと泥がついてしまいきれいに収穫できず、出荷作業が手間取りました。雪が溶ける前に雪をかきわけながら収穫したほうがよかったかもしれません。

効率良くきれいに出荷するには、収穫するタイミングを正確に判断する必要があると思いました。また、手間のかかる葉物野菜の収穫を配送当日に行うとどうしても時間が厳しく、バタバタと慌ただしくなってしまうので、葉物野菜の収穫はやはり配送日の前日までに終わらせておくべきだと思いました。

2017年2月 9日 (木)

平成29年2月6日、7日の野菜セット(油菜について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、カブ、里芋、カボチャ、白菜、ほうれん草、早生油菜、晩生油菜、みぶ菜、京菜

2月6日 葉物野菜

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写真の左は「早生油菜」。右は「晩生油菜」。「早生」とは早く生育して早く収穫できる品種のことで、「晩生」とはじっくりと生育して後から収穫できる品種のことです。

こうやって見比べてみると、同じ油菜でも見た目が違います。食感も少し違います。今回の野菜セットではどちらも出荷してみました。どうぞ食べ比べていただきたいと思います。

冬に出荷している葉物野菜の中では、耐寒力ではほうれん草にかなう葉物野菜は他にありませんが、ほうれん草に次いで頼りになるのが油菜です。冬の間、比較的に冷害を受けにくく出荷しやすいです。

小松菜と同じようにいろんな料理方法で食べられます。小松菜と比べると、味に甘味があるように思います。

小松菜は秋の頃に害虫に食われた跡が少し目立っていましたが、それと比べると油菜はそんなに虫食われ穴が目立っていなく、葉がきれいです。同じアブラナ科の葉物野菜なのに虫害の受け方が違うという結果も、なんだか興味深いです。

3月になるまで収穫せずに畑に残しておけば、油菜の芯の部分から花茎が伸びて、それを摘んで収穫すると、「菜の花」としておいしく食べられます。3月には「菜の花」を出荷したいので、2月のうちにうっかりと油菜を全部収穫してしまわないように気をつけないと。

2017年2月 8日 (水)

栽培暦 1月29日~2月4日(今年の育苗の方針)

今週の仕事の内容です。
収穫・出荷  片づけ  育苗  クンタンの作成  倉庫の屋根作り  トラクター耕  播種(レタス類)  播種(葉物野菜、カブ、大根、人参など) 
育苗ハウスの中でレタス類の作物の種を播いて温床の中で発芽させて、春野菜の苗作りが始まりました。
小林農場は育苗はあまり得意ではなく、今まで納得のいく姿に苗を育てあげることができていませんでした。課題を振り返りながら、今年の育苗の方針を整理してみました。
・温度管理
育苗中はどのくらいの温度で苗を管理すればよいのか?キャベツ、レタスなどの春野菜の苗と、ナス、トマトなどの夏野菜の苗とでは、温度管理が違ってきます。本を読んで調べてみた温度のざっくりとした目安を、以下にまとめてみました。
 
  発芽適温(地温)・・・夏野菜は25℃前後。20℃以下で発芽不良、30℃以上で徒長(ひょろひょろとした弱い苗になること)。春野菜は20℃前後。15℃以上で発芽可能、25℃以上で徒長。特にレタス類は25℃以上では発芽不可能。
  発芽の限界温度(地温)・・・夏野菜は15℃~35℃の範囲内で発芽可能。春野菜は10℃~30℃の範囲内で発芽可能。
  生育適温・・・夏野菜は発芽後、地温20~25℃(気温は25℃~30℃くらいだと思う)。定植直前には15℃~20℃(気温)。春野菜は地温15℃~20℃(気温は20℃~25℃くらいだと思う)。
  生育の限界温度(気温)・・・夏野菜は10℃~35℃の範囲内で生育。春野菜は0℃~30℃の範囲内で生育。
育苗ハウスに差し込む日の当たり方、換気した時の風の通り方などで、同じ育苗ハウスでも少し場所が違えば温度が変わってきます。ハウスのいろんな場所に温度計を置いて、どの温度計の値が自分にとってしっくりとして良い目安として活用できるのか、見極めてゆく必要があります。
小林農場では、苗が発芽するまでと発芽してまだ幼い頃は、床土に差し込んでいる地温計の数値を最も重視して温度管理しています。苗が大きくなった後は、苗にできるだけ近い位置に温度計をぶら下げて温度を計り、温度管理しています。
「温度を高くして管理するよりも、できるだけ低く管理したほうが良い苗が作れる」と言われています。だから小林農場では気温をできるだけ低くして苗を育ててきましたが、どうも今までの私の温度管理だと低すぎるような気がしますので、今年はいつもより温度を低くせずに管理したいと思います。
・水やり
苗にどのくらいの量の水を与えれば良いのか?小林農場では、毎日、午前中にたっぷりと苗に水を与えて、その後、床土の表面が白く乾いてくるようならば、再び水を与えてきました。
前述しているとおり、同じハウス内でも少し場所が違えば環境が違ってくるので、場所によっては苗がすぐに乾いたり、湿ったままだったりします。
全ての苗に一律に水やりをするのではなく、乾いた苗には水を与え、湿ったままの苗には水を控えるなどのコマメな個別対応が必要となります。
今までの小林農場は、全ての苗に一律に水を与えることが多かったのですが、今年は一つ一つの苗の様子を見ながら、できるだけコマメに個別対応したいと思います。そのために、常にハウスの中には汲み水とジョウロを用意しておき、ハウスに訪れる度に乾いている苗だけにすぐに水を与えられるようにしておきたいと思います。
・床土
苗を育てる床土は、落ち葉を主体にした材料を発酵させて作っています。落ち葉だけでは肥料成分がないので、米ぬかを肥料として加えます。
小林農場の苗は、育苗終盤になると苗の生育が止まってしまい、葉が縮れたり紫色に変色してしまう傾向がありました。もしかしたら床土に肥料が少ないのかもしれないと考え、最近は米ぬかの割合を増やして床土を発酵させてみました。
クンタン(モミガラの炭)を床土に混ぜると苗の生育が良くなると聞いたので、去年は育苗の直前にクンタンを床土に混ぜてみましたが、あまり良い結果が見られませんでした。今年は床土を作り始めている段階でクンタンを混ぜて、十分に床土に馴染ませてみながらクンタン入りの床土を作ってみました。
・温床
苗を温めてくれる温床。
私は温床を広く作る癖がありますが、広いと、温床の右端と左端とでずいぶん温度が違ったりするので、そこで苗を育てると生育がばらつきやすくなる傾向があります。温床のどの場所なら苗が元気に育っているのか確認しながら、ときどき苗の置き場所を変えてやる必要もあります。
温床が広いと、苗をたくさん温床の中で育てられます。温床が狭いと、育苗中に「移植」という作業をしなくてはいけませんが、小林農場の温床は広いので、移植の手間を省けます。
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P2141052_2まとめ
・今年は温度を高く管理して水もたっぷりと与え、今までの「スパルタ育苗」を改めて、できるだけ「過保護」に苗を育てること。(スパルタ育苗は、苗を畑に定植する3日前ほどから実施して、苗が畑に順調に根付いてゆく準備をさせる)
・同じハウス内でも場所によって環境が違うので、今までの「一律管理」を改め、一つ一つの苗に個別に対処してゆき、生育のばらつきをできるだけ修復してゆくこと。そのようなコマメな管理をできるように、汲み水を用意するなど、工夫をすること。
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2017年2月 4日 (土)

2月3日の野菜セット(南部小麦粉について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、紫首カブ、里芋、カボチャ、白菜、ほうれん草、小松菜、みぶ菜、京菜

小林農場の小麦より製粉した小麦粉を、現在販売中です。

小麦の品種は「南部」。国産の小麦の品種の中では粘りが強くてパン作りにも使われ、香りの良さでも知られています。

南部は、「中力粉」という分類に含まれ、一般的にパン作り用の小麦として売られている「強力粉」と比べると、生地が膨らむ力が弱いようです。「ふんわり」とした食感とは違い、「しっとり」とした食感のパンになるかと思います。

膨らむ力よりも香りを重視して、この小麦を栽培してきました。ぜひ、小林農場の「南部小麦粉」の香りを皆さんにもご試食いただければと思います。

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小麦の中に含まれているグルテンが多ければ生地は膨らみやすくてパンが作りやすくなり、少ないと膨らみにくくなります。小麦に肥料を与えれば、グルテンが多くなり、パン作り用の小麦粉が作りやすくなるようです。

大豆は栽培中に空気中からチッソを捕まえて土に移してくれるので、大豆が収穫された跡の畑は、肥料を散布された状態と同じになります。11月に大豆は収穫されますが、その後、小麦をその畑で栽培すれば、グルテンの多い小麦を作れるかもしれません。

小麦も昔から、栽培することにより土壌の物理性を改善してくれる作物だと言われています。大豆とパン作り用小麦を連続して栽培することによって、その土の栄養も物理性も良くなるかもしれません。

「大豆・小麦の連作」は、土作りの観点からおもしろい方法のような気がしますので、私もやってみようと思います。もう少し生地を膨らませる力の強い南部小麦粉を作れるかも。

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Dscf0585小林農場の人参で作った人参ジャム、カボチャで作ったカボチャジャムも販売中。

自信をもっておすすめできるおいしいジャムです。人気商品で、順調に売れています。

5月よりたくさんの野菜が収穫できるようになるまで、今後、出荷できる野菜の種類が減ってゆきます。これから野菜の端境期(はざかいき)を迎えます。

そんな時に長期間保管できる加工品が、野菜の穴を埋めながら活躍してくれることでしょう。

2017年2月 2日 (木)

落ち葉舞い落ちる頃   平成28年12月1日

落ち葉舞い落ちる頃   平成28年12月1日

落葉の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  紅葉の観賞を楽しむ季節は終わって樹木がすっかり葉を落とし終えると、農家は落ち葉かきをします。農家にとって落ち葉は貴重な資源です。小林農場では、畑を取り囲んでいる雑木林が地面に落としてくれた大量の落ち葉をかき集めて、それを1年間かけて発酵させて、苗を育てるための床土にして利用しています。

  日本の国土の多くが森林で占められ、日本人は古くから周りの森林から生み出される落ち葉などの資源を上手に利用しながら暮らしてきました。燃料として使う薪などを手に入れるために、人々は森林によく足を運んでいました。

ところが現在はガスや電気が簡単に手に入り、もう薪は必要とされなくなっています。建物などを作るための材木も、現在は安い値段で手に入る外国産の材木が使用され、国内の森林から木が伐り出されることが少なくなっています。

海外では森林の急速な減少が大きな問題となっていますが、日本では事情が違います。温暖な気候と豊饒な土に恵まれた日本列島では、戦後に国を挙げて大規模に植林したこともあり、森林の樹木が繁殖しています。込み合ってきた樹木を人の手によって間引くことにより森林は健全に保たれてゆくのですが、現在の日本の森林は人にそっぽを向かれて、伐採して間引かれなくなりました。多くの森林の内部には日光が差し込まず、人の足場もない荒れた状況になっているようです。

  日の入らない森林中の中では豊かな生態系は育まれず、人が管理しなくなれば土砂崩れなどの災害も起きやすくなるようです。畑も雑草が茂りすぎると作物栽培は困難になりますが、森林も樹木が茂りすぎれば人が森林で活動しにくくなり、人の足が遠のきます。

5年前の福島第一原発事故で広い範囲に飛散した放射性物質により、東北・関東地方の森や林は汚染されました。ますます人々の足は森林から遠のいてしまいました。

雑木林で落ち葉をかき集めれば、人体に有害な放射性物質もいっしょにかき集めることになるので、それで今まで通りに床土を作れば、その床土は汚染されている可能性があります。小林農場では、原発事故後、落ち葉をかき集めている場所をできるだけ除染しましたし、検査機関に床土を検査してもらって床土の安全性を確認するようにもしてきました。

今の時代ならホームセンターに行けば市販の床土を簡単に購入することができるので、わざわざ手間をかけて雑木林から落ち葉をかき集める必要はないのかもしれません。しかし、人々が森や林から手に入る資源を積極的に利用しながら森林に通い続けることは、里山の自然を豊かに維持してゆくために大事なことだと思います

  雑木林の周辺では竹の繁殖力がすさまじく、それらを頻繁に切っておかないと、雑木林は竹に占領されて、人の足場がなくなってしまいます。落ち葉かきを円滑に行うためにも、雑木林に通って竹を刈り取る作業がかかせません。もし農家が落ち葉かきをやめてしまえば、雑木林と農家の関係は切れて、雑木林は管理されないまま荒れてゆくかもしれません。


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